9月14日、文化庁日本語教育小委員会による「第108回文化審議会国語分科会日本語教育小委員会」の報告書が開示された。
日本語教育小委員会は、外国人等が適切な日本語教育を受けられるようにするため、学習、教授、評価に係る日本語教育の包括的な枠組みを示す「日本語教育の参照枠」の作成を検討している。
報告書は4つの章で構成されており、「日本語教育の参照枠」についての具体的な案が示されている。
第Ⅰ章では、「日本語教育の参照枠」の検討経緯として現状と課題について整理されている。
第Ⅱ章では「日本語教育の参照枠」について、「日本語学習者を社会的 な存在として捉える」「言語を使って『できること』に注目する」「多様な 日本語使用を尊重する」という言語教育観の3つの柱を示した。その上で、CEFRを参考にA1からC2までの6つの日本語のレベルと、「聞くこと」「読むこ と」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表 )」「書くこと」の5つの言語活動 を設定する等の方針を示した。
また、「日本語教育の参照枠」における包括的な 指標として、日本語能力の熟達度を示した「全体的な尺度」の6つのレベルを5つの言語活動ごとに示した「言語活動別の熟達度」を掲載。 さらに、学習者が言語を学ぶ上での目標を具体的に示した「言語能力記述文(Can do)」について説明し、約 500 の Can do を示した。
第Ⅲ章では、日本語能力評価について「日本語教育の参照枠」における言語教育観に基づく評価の「三つの理念」を示し、日本語能力観と評価の考え方についてまとめ、 日本語教育における多様な評価の在り方を事例とともに紹介している。
第Ⅳ章は、参考資料として「言語能力記述文の作成方法及び検証手法に関するガイドライン」等の資料を収録。
参照:文化庁「文化審議会国語分科会日本語教育小委員会(第108回)」
伊藤えり子
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