文化庁「日本語教育人材に求められる資質・能力の整理」まとめ

文化庁 日本語教育人材に 求められる資質・能力

突然ですが、日本語教師に求められる資質や能力は何だと思いますか。

日本語教師に求められるのは指導力!
もちろん、日本語の知識も必要になるよね….

日本語教師にはどんな資質や能力が求められているのか、これを機に改めて考えてみませんか。

本記事は「日本語教育人材に求められる資質・能力」について解説。

文化庁が公表している資料を用いながら説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。

出典・参考:文化庁「日本語教育人材に求められる資質・能力の整理(案)」https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/nihongo/nihongo_81/pdf/r1397469_06.pdf


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日本語教育人材に求められる基本的な資質・能力とは?

文化庁「日本語教育人材に求められる資質・能力の整理(案)」について説明していきます。

まず、「日本語教育人材に求められる基本的な資質・能力」として、以下を挙げています。

  • 日本語を正確に理解し的確に運用できる能力を持っていること
  • コミュニケーションを通じてコミュニケーションを学ぶという日本語教育の特性を理解していること

また、「専門人材としての日本語指導者に求められる資質・能力」として、以下を挙げています。

  • 言語教育者として必要とされる学習者に対する実践的なコミュニケーション能力を有していること
  • 広く言語や文化に対して深い関心と鋭い感覚を有していること
  • 国際的な活動を行う教育者として、豊かな国際的感覚と人間性を備えていること
  • 自らの職業の専門性とその社会的意義についての自覚と情熱を有し,常に学び続ける態度を有していること
  • 日本語教育を通した人間の成長と発達に対する深い理解と関心を有していること

太字の箇所は、特に重要なのだと認識しておきましょう。

日本語指導者の養成段階で求められる知識・技能・態度とは?

「日本語指導者の養成段階で求められる知識・技能・態度」はそれぞれ以下の通りです。

知識

日本語指導者の養成段階で求められる知識は「言語や文化に関する知識」「日本語の教授に関する知識」「日本語教育の背景をなす事項に関する知識」です。

1つ目の「言語や文化に関する知識」は、学習者の母語、文化、来日経緯、学習過程などを理解しながら、学習者に応じて適切な教育内容を行うための知識を指しています。

  • 外国語や学習者の母語(第一言語)に関する知識
  • 日本語の構造に関する知識
  • 言語使用や言語発達及び言語の習得過程等に関する知識
  • 個々の学習者に応じた適切な教育内容・方法を選択する上で必要となる知識
  • 言語・文化の違いを理解しよりよい教育実践につなげるための知識

2つ目の「日本語の教授に関する知識」は、学習者に教育を提供していく上で必要となるコースデザイン、教材選定、評価方法に関する知識を指しています。

  • 学習者に応じた適切な内容・教材・方法を選択する上で必要となる知識
  • 学習者の日本語能力を測定・評価する上で必要となる知識
  • 主体的に学び合う態度を養うための異文化教育能力やコミュニケーション能力を育てるために必要な知識
  • さまざまな環境で学びを意識したコースデザインを行う上で必要となる基礎的な知識
  • より良い教育実践につなげるための知識

3つ目の「日本語教育の背景をなす事項に関する知識」は、日本を取り巻く社会情勢、国や地方公共団体の外国人施策に関する知識を指しています。

  • 外国人や日本語教育を取り巻く社会状況に関する一般的な知識
  • 国や地方公共団体の多文化共生及び国際協力、日本語教育施策に関する知識

以上が、日本語指導者の養成段階で求められる知識です。

技能

日本語指導者の養成段階で求められる技能は「教育実践のためのスキル」「学習者の学ぶ力を促進するスキル」「社会とつながる力を育てるスキル」です。

1つ目の「教育実践のためのスキル」は、教育現場において学習者が活発的に学べるために教師に求められるスキルを指しています。

  • 学習者に応じた適切な教育内容・教授方法を選択できるスキル
  • 知識と経験を教育現場で実際に活用・伝達できるスキル
  • 多様な授業形態に対応できる実践力のスキル
  • 学習者に対する実践的なコミュニケーション能力・異文化間コミュニケーションスキル
  • 教育活動を客観的に分析しより良い教育実践につなげていくスキル
  • 学習者に応じた効果的な教具・教材を活用し授業実践に生かせるスキル

2つ目の「学習者の学ぶ力を促進するスキル」は、教育現場における学習者への配慮、教育リソースを活用できるスキルを指しています。

  • 適切な評価・フィードバックを行うスキル
  • 異なる文化背景を持つ学習者が多様なリソースを活用し教育実践に必要となる教育スキル
  • 学習者の理解に応じて日本語を分かりやすくコントロールする能力

3つ目の「社会とつながる力を育てるスキル」は、学習者の社会参画サポートを指しています。

  • 教室内外の関係者と学習者をつなぎ、学習者の社会参加を促進するための教室活動をデザインするスキル

以上が、日本語指導者の養成段階で求められる技能です。

態度

日本語指導者の養成段階で求められる態度は「言語教育者としての態度」「学習者に対する態度」「社会に対する態度」です。

1つ目の「言語教育者としての態度」は、教師が日頃から日本語教育以外のことも学び続ける姿勢の大事を指しています。

  • 広く言語に対して深い関心と鋭い言語感覚を持ち続けようという態度
  • 歴史、文化、社会事象等を合わせて理解し教授活動に活かそうとする態度
  • 指導や対応について客観的に振り返り、常に学び続ける態度

2つ目の「学習者に対する態度」は、学習者の言語や文化を尊重しながら、教師としての権威性を常に認識する大事を指しています。

  • 学習者の背景や現状を理解しようとする態度
  • 自身の規範を問い直す態度

3つ目の「社会に対する態度」は、日本以外の文化や価値観に関心を持つ大事を指しています。

  • 多様な関係者と連携・協働しようという態度
  • 言語・文化の多様性を尊重する態度

以上が、日本語指導者の養成段階で求められる態度です。

まとめ

本記事は「日本語教育人材に求められる資質・能力」について解説していきました。

内容をまとめると….

  • 「日本語教育人材に求められる基本的な資質・能力」:日本語を正確に理解し的確に運用できる能力を持っていること、コミュニケーションを通じてコミュニケーションを学ぶという日本語教育の特性を理解していること
  • 「日本語指導者の養成段階で求められる知識」:言語や文化に関する知識、日本語の教授に関する知識、日本語教育の背景をなす事項に関する知識
  • 「日本語指導者の養成段階で求められる技術」:教育実践のためのスキル、学習者の学ぶ力を促進するスキル、社会とつながる力を育てるスキル
  • 「日本語指導者の養成段階で求められる態度」:言語教育者としての態度、学習者に対する態度、社会に対する態度

こちらの記事では「日本語教師の国家資格化・仕事内容・給料」について解説しています。

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池田早織

運営情報
フリーランスの日本語教師兼ライター。日本語教育能力検定試験合格、日本語教師養成講座420時間修了。公的教育機関での常勤講師、技能実習生向けの日本語会話動画作成など、社会人や留学生、外国人児童・生徒への指導を含め上級者から初級者まで幅広く経験。アジア圏、欧米圏問わずこれまで約5,000人以上の指導に携わる。
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