「ら抜き言葉」って間違い?正しい?なぜ起きるのかも解説!◎

「ら抜き言葉って何が間違ってる?」「ら抜き言葉は使ってもいい?」

そんな疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。

学校で、あるいは会社で文法的に間違っていると聞いたことがある人もいると思いますが実際には様々な場面でよく耳にする「ら抜き言葉」。

何が間違っていて、どうして実際には使う人が多いのか、文法構造や変化の理由について考えてみましょう!

ら抜き言葉って?

では、早速ですが以下の会話文を見てください!

会社にて 同僚同士の会話

「今日の飲み会、近くのお寿司屋さんにしようと思ってるんだけど、どう?来れる?」

「あー飲み会は行けるけど、私、生の魚は苦手で…。食べれないかも。」

「そうなの?なら、やきとりは食べれる?」

「もちろん!でもお店変えれるの?」

「まだ予約してないから!じゃあ、やきとりね!」

 

みなさんはどれが「ら抜き言葉」かわかりましたか?

正解は…

 

「食べれる」「来れる」「変えれる」です!

これらは全て「ら抜き言葉」です。

他にも「見れる」「出れる」「寝れる」などがあります。

このら抜き言葉をよく見てみると、「上一段活用」と「下一段活用」の動詞、そして「来る」の可能形に現れていることがわかります。

文法的には本来ならば、「食べられる」「見られる」のように「れ」の前の「ら」があるはずなのに抜けている。これが「ら抜き言葉」です!

では、どうして「ら抜き言葉」が起きてしまうのでしょうか?

ら抜き言葉は、なぜ起きる?

五段動詞につられた。

まず、一つ目の理由が、五段活用動詞と上一段、下一段動詞の可能形の活用変化の違いです!

五段動詞・一段動詞って?

五段動詞というのは活用語尾の母音が五段に変化する動詞のことです。

例えば)五段動詞「話す」の場合

はな(ない)、はな(ます)・はな・はな(ば)・はな(う)

一段動詞というのは、活用語尾の母音が一段の変化しかない動詞です。

母音uの段からみて上にある(i段)なら上一段動詞、下にある(e段)なら下一段動詞といいます。

例えば)上一段動詞「見る」の場合

(ない)、(ます)、(る)、(れば)、(よう)

例えば)下一段動詞「寝る」の場合

(ない)、(ます)、(る)、(れば)、(よう)

五段動詞の場合、

話す:話せる  飲む:飲める  読む:読める

のような可能動詞が存在します。

これはもともとは動詞の未然形に助動詞「れる」をつけて「話される」「飲まれる」「読まれる」でしたが、変化して可能動詞という一つの単語となりました。

一段動詞の場合は動詞の未然形に「られる」をつけて

食べる:食べられる 寝る:寝られる

ですが、五段動詞の「れる」をつけて

食べる:食べれる  寝る:寝れる

と可能動詞化してしまったことで起きたと考えられます。

ら抜き言葉の方がわかりやすい場合がある。

もう一つの理由は、ら抜き言葉の形で表記した方が分かりやすいからという理由です。

「食べられる」とだけ聞いた場合、「可能」「受身」「尊敬」の二つの意味があります。

例えば

「(先生→生徒)お昼ご飯、全部食べられましたか?」:可能+丁寧

「(私)兄に、ケーキを食べられました。」;受身

「(生徒→先生)お昼ご飯、もう食べられましたか?」:尊敬

のように文章はほとんど同じですが、「食べられる」の意味が異なりますよね。

この意味を理解するためには、前後の文から推測するしかありません。

しかし日本語では主語が省略されやすいので、話し手の立場がわかりにくい場合など、どちらかを見分けるのはとても難しいです。

そのため、一目でわかるように「可能」の形を「ら抜き言葉」で表現しする人が増えていると考えられます。

確かにら抜き言葉は可能の意味しかないのでわかりやすいですし、「ら」がないのでその分言いやすいですよね。

 

ら抜き言葉は間違い?

では、「ら抜き言葉」について国ではどのような解釈がされているのでしょうか?

文化庁の意見

文化庁は「ら抜き言葉」について、HPでこのように言っています

 話し言葉か書き言葉かによっても、違う面があること。
 一段動詞全体のどこまで及ぶか。語形の長さや使用頻度、また、活用形によって、「ら抜き」化の程度が異なると思われること。
 北陸から中部にかけての地域及び北海道など、従来「ら抜き言葉」を多く使う地域があるといった地域差の問題を考慮する必要があること。また、近年は、東京語自体も様々な地域の言葉の流入によって変化しており、「ら抜き言葉」の方がリズムやスピード感があってよいとする声もあること。

文化庁HPら抜き言葉 」より

これを見ると、文化庁も一概に間違いだとは言っていないようです。

しかし①にあるように、「ら抜き言葉」は話し言葉が書き言葉がによって印象が大きく変わります。

「ら抜き言葉」に対しては比較的カジュアルな印象が強いため、話し言葉ならわかるけれど、書き言葉としてはまだ受け入れられないと言う人も多いです。

文化庁の調査

文化庁は国語施策の参考とするために、平成7年度から「国語に関する世論調査」を実施しています。

平成27年度の調査の内容は、以下の例文でどちらを選ぶかというものでした。

  • 今年は初日の出が(見られた・見れた)
  • 早く(出られる?・出れる?)
  • こんなにたくさんは(食べられない・食べれない)
  • 朝5時に(来られますか・来れますか)
  • 彼が来るなんて(考えられない・考えれない)

その結果、

「現在「見れた」「出れる」といった「ら抜き」言葉が多数派となっていて、特に10代では76.2%が「見れた」、60.7%が「出れる」を日常的に使っていることがわかった」

と発表しました。

これは調査を始めた1995年以来、初めてのことだそうです!


文化庁が 「平成 27 年度「国語に関する世論調査」の結果の概要」より引用

全体でも「見れた」「出られた」を使う人が過半数を超えてますね!

それだけ人々の感覚が変化してきたと言うことだと思います。

おまけ① 可能形で見られる!もう一つの間違い

「ら抜き言葉」と似たようなよくしてしまいがちな間違いがあるのでご紹介します。

それが「れ足す言葉」です!

これはその名の通り、「れ」を追加してしまう間違いです。

先ほどの五段動詞の中の「読む」ですが、可能動詞にすると「読める」ですよね?

しかし、これに可能の助動詞である「れ」を足して、「読めれる」という言っている人を見たことはないでしょうか?

これは可能動詞に必要のない可能の助動詞をつけている+上・下一段動詞につけている「られる」ではなく「れる」をつけているという2つの間違いが重なっています。

「この漢字、読めれますか?」のように使うのですが、こちらは「ら抜き言葉」よりも

間違いであるとする意見が多く、言葉の変化としては受け入れられなさそうです。

おまけ②学生に質問されたら?【日本語教師向け】

日本語教育では可能形を教える際に、この「ら抜き言葉」を扱うことになると思います。

なぜかというと可能形の勉強をしている時に必ず何人か、

  • 「先生、日本人は「食べれる」を使いませんか?」
  • 「友達は、「見れる」と言いました。間違いですか?」

と聞いてくるからです。

間違いではないが、テストでは×

外国人の中には、日常でよく聞く「ら抜き言葉」の方が正しいと思っている人も少なくありません。

しかし、日本語教育では文法として教えています。

先ほど可能形の作り方について簡単にご説明しましたが、学生はその作り方を覚えなければなりません。(もちろん「ら」有りの活用です。)

そのため、文法のテストで「ら抜き言葉」を書いてしまうとそれは✖️になります。

しかし、実際には日本人もよく使っているものなので、学生に質問された時は

「文法のテストでは✖️ですが、使ってもいいです。日本人も使います!」

と答えています。

学生のレベルによっては、混乱を避けるために初めから間違っていると教えてもいいのですが、日常生活でよくきく言葉なので、中級以上の学生に対しては先ほどのように言うのがいいかなと思います!

ら抜き言葉 まとめ

いかがでしょうか。

ら抜き言葉は、私たちの日常の中でどんどん普通の言葉になってきています。

言葉は変化するので、これが間違いとは言い切れません。しかし少し不快な思いをする人がいることも事実なので、時と場合によって使い分けるようにしましょう。

またしっかりと「日本語」の構造や歴史、教え方を理解した上で外国人に日本語を教えたいという方や、日本語教師の資格について検討している方は日本語教師養成講座がオススメです。

日本語教師アカデミーでは簡単な情報の入力で、無料で自宅から近くの資料を取り寄せることができるので興味のある方は下記より利用してみてください。

//完全無料で資料請求//

The following two tabs change content below.

すーみん

関西在住の現役日本語教師。日本語教育主専攻卒の新卒非常勤。日本語学校、中・高等学校、企業向けセミナー、オンラインレッスンなど、経験値を上げるため様々な場所で修行中… 若手日本語教師の目線で様々なことを発信します! 日本語情報バンクのライター