【2021年11月25日更新】日本語教師の資格が国家資格になるって本当?いつから実施?公認日本語教師とは?

みなさんは、「日本語教師の資格が国家資格になる」かもしれないという噂を耳にしたことはありますか?

実は、日本語教師の資格の国家資格化(通称: 公認日本語教師)について、文化庁の日本語教育小委員会というところで話し合いが重ねられた結果、2021年8月に最終的な「報告書」(「日本語教育の推進のための仕組みについて(報告)~日本語教師の資格及び日本語教育機関評価制度~ 」)が提示されました。

その後「報告書」に対するパブリックコメントの募集(8/20〜9/17)がおこなわれ、それをもとに微修正される可能性もありますが、最終報告が決定されれば、資格創設に必要な新法を来年の通常国会に提出することを目指しています。

今回は、日本語教師の資格の国家資格化について現在わかっていることと、今後の展望を紹介します。

既存の日本語教師の資格が取得できる講座はこちらのHPからまとめて資料請求ができ、情報収集の時間短縮になりますので使ってみてください。

※2021年11月25日に国家資格化の最新情報に関して追記を行っています。最新情報を確認したい方は記事最下部をご覧ください。

【日本語教師が国家資格化】そもそも日本語教師資格とは?

法務省 「日本語教育機関の告示基準」によると、現在日本語教師になるための資格を取得するためには、以下のいずれかに該当する必要があります。

全ての教員が,次のいずれかに該当する者であること。

  1. 大学(短期大学を除く。以下この号において同じ。)又は大学院において日本語教育に関する教育課程を履修して所定の単位を修得し,かつ,当該大学を卒業し又は当該大学院の課程を修了した者
  2. 公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育能力検定試験に合格した者
  3. 学士の学位を有し,かつ,日本語教育に関する研修であって適当と認められるものを420単位時間以上受講し,これを修了した者
  4. その他1から3までに掲げる者と同等以上の能力があると認められる者

法務省 「日本語教育機関の告示基準」より作成

【日本語教師が国家資格化】「公認日本語教師」とは?

この記事を執筆している2021年11月時点で、日本語教師の国家資格化についてわかっていることを以下にまとめます。

(国家資格化の一連の動きの中で、途中で変更があった箇所に関しては赤字で修正しています)

日本語教師の資格の名称を「公認日本語教師」とする

資格取得には、試験に合格+教育実習の履修・修了学士が必要

→最終的な「報告書」では、「学士以上の学位」の要件は削除されました

資格には10年間の有効期限がある

有効期限内に、更新講習を受講する必要がある

→最終的な「報告書」では、「有効期限や更新講習は設けない」とされました

一定の条件を満たす人は、試験の一部免除および教育実習が免除になる

以下では、上記のそれぞれについて詳しく解説します。

公認日本語教師とは

公認日本語教師の位置付けについて、文化庁の日本語教育小委員会は

「公認日本語教師を名称独占の国家資格として制度を設計することが適当である」

と記載しています。このことから、公認日本語教師が国家資格になる可能性は高いといえそうです。

公認日本語教師の要件

公認日本語教師の資格取得要件について、文化庁の日本語教育小委員会は

  1. 日本語教育能力を判定する試験の合格
  2. 教育実習を履修・修了
  3. 学士

の2つを記載しています。

今までは日本語教育能力検定試験に合格していなくても日本語教師になることはできましたが、今後は試験に合格しないと日本語教師になることはできなくなりそうです。

さらに、2の教育実習が要件に新たに追加されることになりそうです。

以下では、1~2のそれぞれについてわかっていることをまとめます。

1.日本語教育能力を判定する試験

・受験資格の制限はない。例えば、大学在学中に受験・合格し、大学卒業と同時に、資格取得要件を満たした上で登録することは可能。

・試験回数は年1回以上とし、試験地は全国各地とする

・出題形式は筆記試験

・試験の構成

筆記試験① 原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
筆記試験② 出題範囲が複数の区分にまたがる横断的な設問により、熟練した日本語教師の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。

2.教育実習

・教育実習は指定日本語教師養成機関における履修・修了が必要

・教育実習は、原則対面で(1)オリエンテーション(2)授業見学(3)授業準備(4)模擬授業(5)教壇実習(6)教育実習全体の振り返りを学習することを必須とする

指定日本語教師養成機関とは、大学や専門学校等の日本語教師養成コースの中で、一定の基準を満たした学校を文部科学大臣が指定することで「指定日本語教師養成機関」とみなされるとのことです。

既存の「日本語教師養成機関」についても、あらたに審査を受けることで文化大臣の指定を受ける必要があるとのことです。

試験の一部免除および教育実習の免除対象者

  • 文部科学大臣が指定する「指定日本語教師養成機関」における課程等を履修し修了した者は筆記試験①及び教育実習を免除することができる。
試験の一部免除及び教育実習の免除の対象者
①(指定日本語教師養成機関である)
大学等の日本語教育に関する教育課程
26単位〜
②(指定日本語教師養成機関である)
専門学校等の日本語教師養成研修
420単位〜

【日本語教師が国家資格化】なぜ資格化する必要があるの?

そもそも、なぜ日本語教師を国家資格化することになったのでしょうか?

文化庁によると、日本語教師の国家資格化には以下3つの理由があります。

・質の高い日本語教師の確保

・日本語教師の量の確保

・日本語教師の多様性の確保

日本が外国人を受け入れていくにあたり、専門家としての資質・能力をもつ質の高い日本語教師が活躍することで、日本語学習環境を整備することが重要であると考えられています。

また国家資格化により、日本語教師の職業としての社会的認知を高め、日本語教師の養成教育を普及・推進することを通して日本語教師の量の確保につながります。

さらに、現代は日本語教育が必要な分野・領域が拡大していることから、多様な背景をもつ日本語教師が求められています。

そのため、国家資格化をすることで、日本語教師が社会人を含む幅広い世代に目指される職業となることにつなげたいという考えがあります。

【日本語教師が国家資格化】既に日本語教師の資格がある人はどうなる?

現在すでに、法務省 「日本語教育機関の告示基準」が定める日本語教師の資格を取得している人については、「経過措置」がとられるとの方向で進められてきました。

第97回日本語教育小委員会 日本語教育能力の判定に関する報告(案)より

ですが、2021年8月20日に提示された「日本語教育の推進のための仕組みについて(報告)~日本語教師の資格及び日本語教育機関評価制度~ 」では、「『日本語教育機関の告示基準』第1条第1項第 13 号の教員要件を満たす現職日本語教師等が、公認日本語教師の資格取得を希望する場合、原則として筆記試験合格及び教育実習履修・修了の要件を満たした上で公認日本語教師の資格を取得することとする。」としました。

一方で、「質が担保されている機関で一定年数以上働く等、教育の現場における実践的な資質・能力が担保される者に関しては、教育実習の免除などの配慮を検討する。」とし、具体的な資質・能力の確認方法までは記載されていませんでした。

パブリックコメント募集の結果を見て、また実際に国会に提出するまでに修正される可能性もあるため、引き続き最新情報を確認していく必要があります。

【日本語教師が国家資格化】いつから変わるの?

これまでは「日本語教育の推進のための仕組みについて(報告)~日本語教師の資格及び日本語教育機関評価制度~ 」より、わかっていることを紹介してきましたが、

新しい試験がどうなるのかや、養成講座や大学での日本語教育課程が必須になるのか、いつこの案が施行されるのかなど、多くのことがまだ確定していません。

現時点では、2021年度の通常国会で法案を提出し、公認日本語教師の試験の実施機関の設置など準備期間を経て実施は「2024年以降」とされています。

文化庁 日本語教師の資格と日本語教育機関の類型化を議論へ 実施は2024年以降に

2021/2/6

※2021年4月4日追記

2021年3月23日に開催された第4回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議の結果、「必須とされていた”学士”を受験の要件とせず受験資格を特に設けない」「教育実習の一部免除」などの今まで方針を覆す新たな方針が示されました。

詳しくは下記記事を参照してください。

公認日本語教師の受験資格「学士」設けず 教育実習の一部免除も

2021/3/31

※2021年4月27日追記

2021年4月27日に開催された第5回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議の結果、

・法務省告示校で働く日本語教師は全員もしくは一部が公認日本語教師である必要がある
・現在、日本語教師の資格を保有してる者に関して、試験が全免除になる可能性は低い(日本語教育能力検定試験合格者は免除になる可能性もあり)
・教育実習に関しても今後検討する(既に日本語教育機関で働く者は免除する可能性を示唆していました)

という事になりそうです。未確定な部分が多く今後の会議も要注目です。

参考: 日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議(第5回)議事次第・配布資料

第5回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議 「留学」を先行して制度化へ 

2021/4/28

※2021年6月1日追記

2021年5月31日に開催された第6回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議で、「日本語教師の資格」及び「日本語教育機関の水準の維持向上を図るための仕組み」についての報告概要案が文化庁から提示されました。

最終報告書作成に向けての動きが具体化してきたと言えます。

詳細は下記参考資料をご覧ください。

参考: 日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議(第6回)議事次第・配布資料

第6回調査研究協力者会議 公認日本語教師の制度化に向け「報告概要案」提示 

2021/6/1

※2021年6月23日追記

第7回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議は2021年6月29日に実施される事が発表されました。

第7回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議の開催日程が決定

2021/6/23

※2021年7月13日追記

第8回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議は2021年7月19日に実施される事が発表されました。

【速報】第8回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議の開催日程が決定

2021/7/13

※2021年7月21日追記

7月19日に開催された第8回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議で、前回の「報告概要案」を修正、加筆した「報告案」が提示され、日本語教師の資格の在り方や日本語教育機関の評価制度案の全容がほぼ明らかになりました。

7月29日に開かれる予定の第9回調査研究協力者会議で最終報告が提示され、その後のパブリックコメントの募集などを経て微修正される可能性もありますが、最終報告が決定されれば、それをもとに来年の通常国会に提案するための日本語教師の国家資格創設に向けた法案づくりに入ります。

国家資格と日本語教育機関の評価の「報告案」を提示 第8回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議

2021/7/21

※2021年7月30日追記

7月29日に行われた第9回調査研究協力者会議では、大きく以下の事柄が決定しました。

  • 公認日本語教師資格の有効期間は設けない事
  • 学歴は不問とする事
  • 「日本語教育機関の告示基準」の教員要件を満たす現職日本語教師等が公認日本語教師の資格取得を希望する場合、原則として筆記試験合格及び教育実習履修・修了の要件を満たした上で公認日本語教師の資格を取得することとする。
  • ただし、質が担保されている機関で一定年数以上働く等、教育の現場における実践的な資質・能力が担保される者に関しては、教育実習の免除を検討するなどの配慮を検討する
  • 来年(2022年)の通常国会に提出することを目指す

今回が最終会議でしたので、公認日本語教師の概要はこれでほぼ決定と考えて良さそうです。

第9回 文化庁の有識者会議の結果「公認日本語教師」資格の有効期間設けず 学歴も不問

2021/7/30

※2021年8月20日追記

8月20日の文化庁の有識者会議では、「日本語教育の推進のための仕組みについて(報告)~日本語教師の資格及び日本語教育機関評価制度~  」がまとめられた。

  • 第1部「日本語教師の資格について」
  • 第2部「日本語教育機関の水準の維持向上を図るための仕組みについて」

8月20日から9月17日までパブリックコメントが募集され、その後に資格創設に必要な新法を来年の通常国会に提出することを目指すことになっている。

文化庁の有識者会議で公認日本語教師に関する報告書がまとまる パブリックコメント募集の開始も

2021/8/20

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日本語教師キャリア マガジン編集部

日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。