【2020年版】日本語学校設立のすべて!日本語学校設立完全マニュアル

日本語学校の設立についてスケジュール感、費用、設立後の運営、そして気をつける事を解説しています。この記事はこれから日本語学校を設立予定にしている企業経営者や設置代表者を想定読者とし、2020年時点の最新の情報を反映しています。

日本語学校設立までの流れ

日本語学校設立までのスケジュールを把握する

日本語学校は年に2回開校できるタイミングがあります。4月期と10月期になります。

4月期開校の場合は1年前の3月末日までに、10月期開校の場合は9月末日までに出入国在留管理庁へ申請をする必要があります。(但し、東京入管以外は4月末までと10月末まで)

日本語学校設立の必要条件が揃っているか確認

日本語学校設立のために揃える必要のある要件は大きく教員校舎資産の3つです。

【教員】

校長 校長の勤務形態は常勤・非常勤を問わず、1名確保する必要があります。日本語教育に関する知見があり、5年以上教育や学術、文化に関する業務に従事していた方が対象になります。過去に小学校・中学校・高校で校長を勤めていた方や、大学教授が担当するケースが多いですが、昨今ヒアリング面接が厳しくなっており、大学教授だとしても日本語教育に関する見識が足りないという理由で落とされる学校が出てきています。過去に華々しい経歴のある方を校長にしたとしても、油断せず日本語教育や日本語学校に関する知識を取り入れる姿勢が求められます。

教務主任 教務主任は常勤として1名確保する必要があります。教務主任は法務省告示の日本語学校で3年以上常勤の専任講師として勤務経験のある方である必要があります。カリキュラム(教育課程)の作成を含めて日本語学校の教務を引っ張っていくだけでなく、ヒアリング面接にも参加をする非常に重要なポジションです。一方で、教務主任は市場全体として人数が少なく、採用に苦労する方が多いのが実情です。

専任講師 専任講師は常勤として最低2名確保する必要があります(だいたいその内1名が教務主任を務めるケースが多いです)。また専任講師は下記の要件を満たしている必要があります。

  1. 大学(短期大学を除く。以下この号において同じ。)又は大学院において日本語教育に関する教育課程を履修して所定の単位を修得し,かつ,当該大学を卒業し又は当該大学院の課程を修了した者
  2. 大学又は大学院において日本語教育に関する科目の単位を26単位以上修得し,かつ,当該大学を卒業し又は当該大学院の課程を修了した者
  3. 公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育能力検定試験に合格した者
  4. 学士の学位を有し,かつ,日本語教育に関する研修であって適当と認められるものを420単位時間以上受講し,これを修了した者
  5. その他イからニまでに掲げる者と同等以上の能力があると認められる者

法務省「日本語教育機関の告示基準」より引用

非常勤講師 非常勤講師は各学校によって確保する必要のある人数が異なります。また専任講師と同様に上記の要件を満たしている必要があります。

【校舎】

校舎は基本的に自己所有である必要があります。またビルの区分所有も認められています。但し所有ができない特別な理由があれば賃貸でも可能で、例えば自治体所有の小学校の廃校を日本語学校として利用する場合などは過去にも認可されたケースがあります。敷地面積は最低115㎡以上である必要があります。また、生徒一人あたりの面積は2.3㎡以上と決まりがあります。ですので、例えば定員100名の日本語学校は230㎡の敷地が必要です。教室の広さも生徒一人あたり1.5㎡、定員20名と決まりがあり1教室の広さは30㎡以上が必要です。

【資産】

日本語学校は申請して開校するまでに1年、開校後も経営が軌道に乗るまで(黒字化するまで)約2~3年かかります。なぜなら開校直後の日本語学校は法務省から「非適正校」という扱いをされ、学生募集における競争力が弱いからです。黒字化するまでの期間、職員の人件費や学生募集の広告費、学校運営費などの様々な費用を負担する必要がある事を考えると土地建物以外で2,000~4,000万円の現金を準備しておく必要があります。

上記のように、日本語学校事業を設立から軌道に乗せるまでには想像以上に費用と時間がかかるという事をご留意頂きたいです。これから土地建物を購入して日本語学校を始めようと考えている方は、0から設立する以外にもM&Aで既存の日本語学校を買収するという手段もあります。その場合には弊社でも日本語学校の売却情報を持っておりますのでお問い合わせください。

必要書類の作成や収集(申請から2ヶ月前~半年)

日本語学校設立のための要件を揃えたら、出入国在留管理庁へ申請するための書類作成を行います。提出する書類は大きく分けて2グループに分かれます。1つは「提出資料」と呼ばれる計33種類の書類です。出入国在留管理庁から定められたフォーマットがありますのでそれに沿って書類を作成することになります。

もう1つが「立証資料」と呼ばれる合計32種類の書類です。「立証資料」は教員の最終学歴証明書・在籍証明書・資格証明書など外部から収集する必要のある書類が多く、手間がかかります。早めに取り組み始めた方がよいでしょう。

上記「提出資料」と「立証資料」の作成は余裕を持って6ヶ月ほど前から開始すると安心ですが、最短でも3ヶ月はかかります。(もっとギリギリで2ヶ月前に作成開始して間に合ったケースも聞いたことがありますが、かなり慌てての提出でした。)

また各書類の作成方法に関しての疑問は、出入国在留管理庁へ電話をすると回答して頂けます。ただし基本的に出入国在留管理庁の電話は非常に繋がりにくい、かつ書類作成は日本語学校の設立未経験者が0から行うと非常に時間がかかるため日本語学校の設立経験のある行政書士へ依頼されることをオススメします。

(万一書類に不備があり申請が認められないと次回申請は6ヶ月先になり、その間主任教員の人件費や取得した土地建物を寝かせる機会損失が生まれるため、大きな費用がかかってしまいます。)

出入国在留管理庁への申請(開校1年前まで)

「提出資料」と「立証資料」を揃えて、各地方の出入国在留管理庁に申請します。

申請時には事前に出入国在留管理庁へ予約を行う必要があります。上述の通り、電話は大変込み合っており、中々つながらないためFaxで希望日を送ると出入国在留管理庁の担当者から予約日確定の電話がかかってくるという方式です。

実地調査(申請から1ヶ月後)

申請が済むと、出入国在留管理庁の審査官による実地調査(校舎の審査など)が行われます。その際には、事前提出していた校舎図面と実際の間取りに相違がないかの確認が行われます。

またその後、法務省と文部科学省が実地調査の報告に基づき、申請書類の審査を行います。

文部科学省によるヒアリング(申請から2~4ヶ月後)

そして文部科学省によるヒアリング面接があります。

日本語学校設立の難易度は年々上がってきており、設立申請を行う約半数の学校は不許可になると言われておりますが、その最たる理由がこの面接になります。

ヒアリング面接は合計約2時間で「日本語学校設立の趣旨・理念・目標」「日本語教育カリキュラムの実現可能性や、設置理念との整合性」が問われます。

面接官は2名で1人は「大学教授」もう1名は「開校済の日本語学校の設置代表者、校長、教務主任等」が担当します。

日本語学校サイドからは3名で設置代表者か経営担当役員、校長、教務主任が出席します。ヒアリング面接に合格するためには、この出席する3名間で発言内容に相違の無い様、リハーサルをしっかりと行う必要があります。

告示発表(申請から7~8ヶ月後)

今までの審査を基に開校認可に関する発表が行われます。この際、万が一不交付だった場合は通常約2週間ほどの是正期間が与えられますが、その間に出入国在留管理庁から指摘された問題点を改善できなければ、次回再申請を行うことになります。

例えば、不交付理由が教務主任だった場合は、2週間以内に代わりの教務主任を探さなければ6ヶ月開校が遅れる事になります。これは非常にハードルが高くほとんどの場合2週間で教務主任を揃えるのは不可能ですが、弊社では約2,000名の日本語教師登録があり、緊急での日本語教師採用も対応可能なケースがありますのでお困りの際は1度お声がけいただければと思います。

学生受入の準備と告示の申請(申請から8ヶ月後)

日本語学校に受け入れる学生の在留資格認定証明書(留学ビザ)の交付申請を、各地方の出入国在留管理庁で行います。同時に、法務大臣の告示申請も行います。

尚、ビザ申請に当たっては生徒1人1人の各書類収集、翻訳、作成を行う必要があり、用意する必要のある書類としては下記が代表例(国によって提出書類が異なります。)になります。

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 入学願書
  • 履歴書
  • 経費支弁書
  • 現地教育機関の卒業証明書
  • 現地教育機関の成績表

在留資格の許可(申請から10ヶ月後)

申請していた学生の留学ビザ交付結果が発表されます。発表時期はどの日本語学校も同じで4月生徒の場合は2月末ごろ、10月生の場合は8月末ごろになります。

入学希望者の受入れ(申請から11ヶ月後)

留学生が来日。学校の説明や入学試験、手続きなどを行います。

開校(申請から1年後)

無事開校となります。

日本語学校設立の失敗例と対策

日本語学校の設立申請時の定員はできるだけ100名で申請する

日本語学校設立時の定員はできるかぎり最大値である100名で申請をした方がよいです。

これは日本語学校を経営する際の売上を考えると至極当然ではあるのですが、設立される経営者の中には申請時に日本語教師を確保できないため定員を減らして申請しために、黒字化に苦労したという話もお伺いしました。事前に少し準備をして数名人員確保をするだけで、年間数千万円の売上変動がでるためこの点は大切だと思われます。

交付率の高い国からの募集ルートが確保できるか

日本語学校を経営する上で、交付率の高い国からの学生募集をうまくできるかが最大のポイントだと思われます。交付率というのは募集したい学生の出入国在留管理庁への「ビザ申請数」が分母で「ビザ取得数」が分子になります。

申請した学生のビザが出るか出ないかは、作成した書類の不備の有無や、学生の経費支弁者に資産がしっかりあるか等ポイントはありますが、なにより申請する学生の出身国によって、交付率は大きく異なっています。

例えば中国・韓国・アメリカ・ヨーロッパ等の学生はどこも95%以上、ないしは100%の学生にビザがおりています。逆に東南アジアで言うとベトナムの学生は60~80%、南アジアのネパール・スリランカの学生は20%も交付されないなんていうケースも多くあります。(交付率はその日本語学校がある管轄の出入国在留管理庁によって異なります。例えば東京入管では20%しか交付されない国でも、名古屋入管だと60%交付されるというケースもあります。)

ですので、例えば同じ定員100名の日本語学校でも交付率の高い中国の募集ルートに強いコネクションがある学校は開校直後からほとんど定員一杯まで学生を受け入れることが出来る一方、交付率の低いネパールの学生しか募集ができない学校は仮に120名(日本語学校は定員の1.2倍まで学生募集の申請を出すことができるルールがあります。)申請を出したとしても20~25名程度しか受け入れができないことになります。これは売上にすると年間5千万~6千万円ほど異なるという計算になります。

多くの学校はその国現地にある留学エージェントと提携をして、学生募集をしています。いかに交付率の高い国で信頼のおける留学エージェントと提携できるかが、日本語学校経営を軌道に乗せる鍵と言えるでしょう。

まとめ

日本語学校設立には想像以上に時間も気力も労力もかかりますが、無事設立できたときの喜びは非常に大きいです。

日本語学校設立に関する簡単なご相談があれば、無料でご回答させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。

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日本語情報バンク編集部

日本語情報バンク編集部

日本語情報バンク編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。