【日本語教師が解説◎】日本語能力試験(JLPT)N2の難易度・合格率は?問題例も掲載!

”外国人雇用者”、あるいは”新人日本語教師”の方!

こんなお悩みはありませんか?

  • 日本語能力試験N2を持つ人に、どの程度の日本語力を期待すればいいのかな?
  • 日本語能力試験N2の難易度ってどれくらいなの?
  • N2があれば、実際のビジネスの場面でどれくらい役立つの?
  • N2合格を目指す学習者のために、N2の試験内容について詳しくしりたい!

この記事では、上記のようなお悩みが解決できる記事となっています!

日本語能力試験N2の詳しい試験内容や合格率、N2レベルと実際の日本語レベルのギャップについて、現役日本語教師がわかりやすく解説します!

また、これから日本語教師になる事に興味のある方はこの記事も参考にしてみてください◎

【2021年最新版】日本語教師になるには?仕事内容・給料・コロナの影響・国家資格化も徹底解説!

2021/4/8

日本語能力試験(JLPT)とは?

そもそも日本語能力試験とは、どんな試験なのでしょうか?

日本語能力試験は、日本語を母語としない人(日本国籍でも受験可能)を対象にした、日本語能力を認定する語学検定試験です。

公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催しています。

1984年から実施されている試験で、国内だけではなく世界87カ国・地域で受験することができます。(2019年時点)

基本的には、7月と12月の年に2回実施されています。

日本語教育業界では、英語名称”Japanese-Language Proficiency Test”の頭文字をとって「JLPT」、または「日能試」と呼ばれたりもしています。

レベルはN1からN5まで5つのレベルがあり、N1が最上級となっています。

試験構成は、①言語知識(文字・語彙・文法)②読解③聴解の3つの要素からなっています。

【日本語能力試験と日本語検定の違いは何?】

  • 日本語能力試験→日本語ネイティヴでない人が日本語能力を測る試験
  • 日本語検定→日本人が日本語の知識と運用能力を測定するための検定

外国人が日本語能力試験を受験する理由とは?

外国人はどのような目的で、日本語能力試験を受けているのでしょうか?

「留学時、大学院・大学入学のために必要だから」「就職、昇給・昇格のために必要だから」という理由で受験をする人が、半数以上を占めています。

留学、就職以外にも「ビザ取得のために有利になるから」など、さまざまな目的で受験されています。

具体的な例はこちらです↓

  • 日本の大学へ入学するための条件を満たすため
  • 就職する際に求人要件を満たすため、語学力をアピールするため
  • 「高度外国人材」としてビザ優遇措置を受けるためのポイント取得
  • 海外で取得した資格を日本でも認めてもらうため(医師免許など)
  • 社内での昇給・昇格条件を満たすため

日本語能力試験の受験者数はどれくらい?

日本語能力試験の受験者数は、どれくらいいるのでしょうか?

全体的な傾向としては、日本語学習者は年々増加していることから、日本語能力試験の受験者数も伸び続けています。

日本語能力試験公式HPより参照

2021年6月時点の最新データによると、2018年(7月/12月)の受験者数は合計約100万人(1,009,074人)。

そのうち約63%は日本国内の受験者、約37%が海外の受験者でした。

実施年によって異なりますが、例年はN1〜N5のうち、N2→N3→N1→N4→N5の順に応募者数が多くなっています。

N2は、もっとも受験者数が多い級となっています◎

日本語能力試験N2の試験概要

ここからは、日本語能力試験N2について詳しく解説していきますね!

日本語能力試験N2の試験概要はこちらです。

日本語能力試験N2〈試験概要〉
言語知識(文字・語彙・文法)・読解 105分
聴解 50分

※ 全問マークシート形式

日本語能力試験は、日本語の語彙や文法の知識、読解力、聴解力を測る試験です。

4技能のうち、話す力・書く力を直接測るパートはありません。

日本語能力試験N2の難易度は?

最難易度であるN2は日本語能力検定公式HPによると、以下のようなレベルであると認定できます。

レベル 認定の目安
N2

日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる

【読む】

  • 幅広い話題について書かれた新聞や雑誌の記事・解説、平易な評論など、論旨が明快な文章を読んで文章の内容を理解することができる。
  • 一般的な話題に関する読み物を読んで、話の流れや表現意図を理解することができる。

【聞く】

  • 日常的な場面に加えて幅広い場面で、自然に近いスピードの、まとまりのある会話やニュースを聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係を理解したり、要旨を把握したりすることができる。

日本語能力試験公式HPより参照

N2~N5までは、こちらから確認ができます◎

合格点・合格率

点数は180点満点で、以下のように得点配分されています。

レベル 得点区分 得点の範囲
N2 言語知識(文字・語彙・文法) 0~60
読解 0~60
聴解 0~60
総合得点 0~180

合格点は、90点(180点満点中)です。

合格点の内訳として、言語知識・読解・聴解のすべてのパートにおいて、基準点(19点)以上とれていることも必要です。

合格率は、毎年だいたい35〜55%です。

日本語能力試験N2の問題例

実際にどんな問題が出るのでしょうか?

問題例を一部ご紹介します。

〈文字・語彙〉

    の言葉の読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

  • この黒い種からどんな花がさくのだろうか。

1 だね  2 だね  3 じゅ  4 しゅ

次の言葉の読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

  • 余計

1 一人暮らしだと野菜がすぐ余計になってしまう。

2 話が複雑になるから、余計なことは言わないで。

3 余計があったら、ひとつ貸してもらえませんか。

4  このごろ仕事が忙しくて、遊びにいく余裕がない。

〈文法〉

次の文の ★ に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

  • 田中選手が今シーズン     ★          のニュースを見て驚いた。

1 彼の怪我

2 活躍するのを

3 楽しみにまっていた

4  だけに

もっと詳しく見たい方は、公式HPに各級の問題例が公開されています◎

日本語能力試験N2取得者の実際の日本語レベル|ギャップはある?

N2の試験内容については理解したけど、実際の日本語レベルはどうなのか?

外国人雇用者の方は、特に気になるポイントなのではないでしょうか!

実は日本語能力試験だけで、その人の日本語能力を判断するのはかなり難しいのです。

その理由とともに、外国人を採用する際に気をつけたい3つのポイントをお伝えします!

① N2レベルの会話力・書く能力はないことも

N2に合格しているからといって、N2レベルの語彙や文法を使って会話ができる、文章を書くことができるわけではありません。

理由は日本語能力試験は、語彙・文法の知識、読む力、聞く力を試す試験であり、話す力・書く力が測定できるものではないからです。

さらに受験者は試験合格を目的に勉強をするため、試験後もその知識が定着しているのかというと怪しいところもあります。

結論、試験だけでは判断できない日本語の話す力・書く力は、採用面接での会話を通してなど直接本人と話すことで確認することが必要です。

② 日本語能力試験は中国語圏の学習者に有利

この試験は、中国語圏の学習者にとってかなり有利な試験だといえます。

理由は、中国語と日本語の漢字は表記も意味も似ている(あるいは同じ)ものが非常に多いからです。

  • 中国語と日本語で、意味も表記も同じ単語

大学,学生,世界,学校・・・

  • 中国語と日本語で、表記が似ている単語

化粧品=化妆品,口紅=口红,解決する=解决

どうでしょうか?

読者の方で中国語がわからなくても、「中国語を見れば、なんとなく意味がわかるかも」と感じた方もいるかと思います!

このように、日本語と中国語は非常に似た言語なので、その他の言語の母語話者と比較すると、言語知識(文字・語彙・文法)・読解パートはとくに点数が取りやすい傾向にあります。

私の知り合いで、「中国人にとって、N1でも点数が取りやすいと思う。中国人だけ違う試験内容にしないと平等じゃないよ。」と言っていた中国人がいました(笑)

「漢字を見たら意味はわかるけど、発音できない」という状態でも、点数が取れるメリットがある、ということも注意しておきましょう。

③ ビジネス日本語の能力は測れない

この日本語能力試験では、ビジネス日本語の能力は測れません。

「N2に合格したからビジネスレベルの日本語力がある」と思い、適切な敬語を使って上司やお客様と話すことや正しいメールの書き方ができるかというと、そうではありません。

日本語レベル以外にも、母国とは異なる日本企業の文化についての理解度も人によって異なります。

「ビジネルの場面で、どの程度日本語が使えるのかな」ということを確認したい場合は、「アルバイトでどんな仕事をしていたのか」「年上の人たちと話す機会はどれくらいあったのか」などを履歴書や面接で確認するとよいでしょう◎

【日本語能力試験N2の日本語レベル】まとめ

  • JLPTは留学、就職、昇給・昇格、ビザ取得等の目的で受験されている
  • N1〜N5レベルがあり、N1は最難関
  • N2の合格点は180点中9点
  • N2の合格率は35~55%
  • JLPTは語彙・文法の知識、読解力、聴解力を測る試験
  • 話す・書く能力は測られていないため、面接で確認することが大切!
  • ビジネス日本語力も測られていないため、アルバイト経験を参考にすると良い◎
  • 漢字を使う中国語圏の学習者は、点数が取りやすい傾向がある
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伊藤えり子

関東在住の現役日本語教師。日本語教育能力検定試験、日本語教師養成講座を保持。実際の指導はもちろんのことオンライン事業立ち上げや教材の開発、また一般企業で経験を活かした独自の視点で情報を発信中。日本語情報バンクのライター