新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の水際対策をめぐり、在外邦人の帰国需要を踏まえ、日本に到着する国際線新規予約の停止が撤回された一方、外国人の入国停止は継続している。日本語学校や技能実習生の受け入れ先の事業所では、先行き不透明な状況に落胆と懸念が広がっている。
アジアなどから約50人の留学生を迎え入れる予定だった日本語学校「大和国際日本語学院」(奈良県大和高田市)では、国内の感染がようやく落ち着き、入校手続きの準備を進めていたところだった。コロナ禍で経営は悪化し講師の人数も減らさざるを得なかったところに、オミクロン株とそれに伴う入国停止措置はさらなる打撃となった。最悪の場合、約50人分の年間授業料約3千万円の収入がなくなる可能性もある。
日本語教育機関6団体が今年7月に実施した調査によると、回答があった全国184施設の新入学生の人数は計408人で、前年比96.7%減。半数以上が「このまま入国制限が続くと、1年以内に事業継続が不可能になる」とした。
技能実習生の受け入れを計画していた事業所も影響を受けている。昨年10月にタイ人青年を迎える予定だった奈良県橿原市の自動車整備会社「瀬川オート」の瀬川英孝社長は「苦渋の決断だったが、受け入れを断念した」と肩を落とした。これまで受け入れ準備を進めてきたが、来日できない状態が継続。人手不足のため受け入れをあきらめ、日本人2人を採用した。
出入国在留管理庁によると、今年10月時点で在留資格認定証明書の交付を受けて来日予定だった技能実習生約11万1200人が入国できていない。世界的なオミクロン株の感染拡大により、こうした入国待ちの状態はさらに長期化するとみられる。
参照:産経新聞
日本語教師キャリア マガジン編集部
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