パラ言語とは?例や重要性を解説! 【日本語教育能力検定試験対策】 

「パラ言語」に関する問題は日本語教育能力検定試験でよく出題されるので、どんなものがパラ言語にあたるのか、なぜ重要なのか、しっかり理解しておく必要があります。

この記事では、今年日本語教育能力検定試験を受けようと思っている方や、日本語教師養成講座を受講中の方に向けて、パラ言語についてわかりやすく解説していきます。

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パラ言語とは

パラ言語とは、コミュニケーションの際に言語情報を補う言語以外の音声のことで、簡単に言うと、話す速さ、声の強さ、高さ、沈黙、イントネーションなどのことです。

パラ言語と非言語行動

そもそも人のコミュニケーションは、言語によるものと、それ以外によるものに二分できるのですが、この言語以外によるコミュニケーションのことを非言語行動(ノンバーバル・コミュニケーション)と言います。

非言語行動は、コミュニケーションで伝えられる情報の70%を占めるとする研究もあり、円滑なコミュニケーションするうえで大変重要な要素です。

非言語行動には、ジェスチャーや目線、表情、うなずきなどの身体動作に関するものと、相手との距離に関するもの、そして音声に関するものがあります。

この音声に関するものをまとめてパラ言語と言い、言語情報を補う音声ということから周辺言語とも言われています。

メタ言語との違い

ちなみに、日本語教育能力検定試験の過去問などでは、よくパラ言語と一緒に「メタ言語」という用語が選択肢になっていますが、メタ言語は「ある言語について記述するために用いられる言語」のことで、パラ言語とはまったく別の意味論に関する用語です。

日本語教育能力検定試験の過去問の入手方法に関する記事

パラ言語に含まれるもの、含まれないもの

パラ言語は、コミュニケーションで使われる言語以外の音声、と書きましたが、具体的にどのようなものがパラ言語にあたるのでしょうか。

パラ言語に含まれるもの

主に以下に挙げるものが、パラ言語に含まれるとされています。

話す速さ、声の高さ、強さ、声色、イントネーション、咳払い、ため息、笑い、相槌、フィラー(「えー」、「あのー」など)、沈黙 等

沈黙は、何もしていないからパラ言語ではない、と思われるかもしれませんが、沈黙によって相手への反発を示す、相手の発言を反芻する、自分の発言を準備するといった意味があるため、パラ言語に含まれます。

パラ言語は年齢や性別などによって個人差があり、また同じ人でも話す内容や相手、場面によって変化します。

その時の感情も反映されるので、例えば話している間に不安になれば、沈黙や話し方の乱れが増える、というようなことが起こります。

このように、話し手の感情や意図によって意識的に使われる言語以外の表現がパラ言語にあたります。

パラ言語に含まれないもの

一方で、言語の意味に関わる以下のようなものはパラ言語に含まれません。

・アクセント
アクセントは言語によって決められているものなので、パラ言語には含まれません。

例えば「雨(あめ)」と「飴(あめ)」では、音の高さ(高低アクセント)によって意味の違いがあり、これは相手や場面によって変わるものではないため、パラ言語とは言えません。

・相槌の一部
また、「へえ」や「そう」などの言語的意味を持つ一部の相槌もパラ言語に含まれません。

例えば日本語の相槌「へえ」には、「知らなかった!」「初めて聞いた!」というような意味があります。

このような意味を持つ相槌はパラ言語ではなく、言語であるとされます。

同じ相槌でも、「ええ」とか「あぁ」などはパラ言語です。

書き言葉のパラ言語

パラ言語は音声を伴うものなので、基本的に話し言葉で使われ、書き言葉では表現(文字化)することができません。

そのため、パラ言語がない書き言葉では、書き手の本当の意図が伝わりにくい場合があるのです、

しかし、メールやチャットなどの会話に近い文字でのコミュニケーションでは、言語情報を補ったり、書き手の感情を表現したりするために、絵文字や記号が使われています。

例えば「…」を使って沈黙を表したり、「\(^o^)/」のような絵文字を使って感情を表したりします。

文字だけで「ごめんね。」と書くより、「ごめんね!」や「ごめんね(>_<)」と書いた方が、申し訳ない気持ちが伝わりますよね。

逆に絵文字などがないと、冷たい印象を与える場合すらあると思います。

このように、記号や絵文字は言語情報を補い、書き手の感情を表現できるという点から、メールやチャットにおけるパラ言語であると言えます。

文化の違いによるパラ言語の違い

先ほど、パラ言語は年齢や性別などによって個人差があると書きましたが、文化によっても感じ方、捉え方に違いがあります。

たとえば、一般的に日本人の英語の話し方は単調に聞こえる場合があり、アメリカ人にとっては冷たいとか興味がないと感じられることがあるそうです。

また、日本語学習者でも疑問文のイントネーションが違っている(文末が下降イントネーションになる)ために、相手を責めているように聞こえてしまうことがあります。

このように、パラ言語によって相手に悪い印象を与えてしまったり、勘違いされてしまったりする場合があります。

外国語を話すときは、言語だけでなくパラ言語、つまり話し方やイントネーションもその文化に合わせる必要がある、ということです。

今まで見てきたことから、現実のコミュニケーションでは、言語情報だけでなくパラ言語が与える印象がとても重要なことがおわかりいただけると思います。

日本語教師は、会話におけるイントネーションやフィラーの使い方など、パラ言語の使用についても教えていく必要がありますね。

日本語教師としても、検定試験対策としても、パラ言語の使用例や重要性をよく理解しておかなければならないと思います。

まとめ

  • パラ言語とは、コミュニケーションの際に言語情報を補う言語以外の音声のことである。
  • 話し手の感情や意図によって意識的に使われる言語以外の表現がパラ言語とされ、話す速さ、声の高さ、強さ、声色、イントネーション、咳払い、ため息、笑い、相槌、フィラー、沈黙等が含まれる。
  • アクセントや言語的意味を持つ相槌はパラ言語に含まれない。
  • メールやチャットなどの書き言葉では、記号や絵文字がパラ言語として使われる。
  • パラ言語は文化によって感じ方や捉え方に違いがある。
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りーざ先生

関東在住の現役日本語教師。日本語教育能力検定試験合格、日本語教師養成講座修了。現在は子育てしながら日本語学校で非常勤を勤める。研修・オンライン授業・ライター活動など、日本語教師として様々なことに挑戦中。