日本語教育の参照枠って?
登録日本語教員や認定日本語教育機関への移行の中で、文化庁から全国の教育機関や教師の新たな日本語教育の枠組みになるものとして、2021年10月に「日本語教育の参照枠」が公開されました。
「日本語教育の参照枠」(以下、参照枠)は、ヨーロッパの欧州評議会が欧州での言語教育・学習・評価の枠組みとして発表したヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR:Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)を参考に作成されています。
しかしながら、そもそも「参照枠」、”参照の枠”とはどういうことでしょうか。
- 参照枠は守らなければいけないルール?
- 言語能力観やCan doと授業との関連は?
- 多様な言語使用ってどういうこと?
Can doやタスク型・課題遂行型への関心が高まっている今、それらの背景にはどのような社会的ニーズがあるのか、もともとどのような時代背景のもと誕生した考え方なのか、一度立ち止まって考えてみませんか?
本研修では、3つの視点から参照枠をそれぞれの教育現場で活かしていく方法を考えます。
- 鳥の目
マクロな視点から俯瞰的に日本語教育を眺めます。
主に参照枠やCEFRの背景を理解し、現場に活かしていくための構造やつながりを捉える目(考え方)を養います。 - 虫の目
現場の実践から、ミクロな視点で日本語教育について考えます。
主にCan doやタスク・コースデザインの関係性について、実践の場から捉えます。 - 魚の目
ミクロとマクロの関係性、社会の動きや現場の動き、他言語での実践例など、流動的な視点を取り入れつつ、日本語教育での実践を捉えなおします。
言語の多様性や共生社会にもつながる、今後の日本語教育において不可欠なテーマについて、皆さんとディスカッションし、考えを深められることを楽しみにしています。
研修のCan do
- 参照枠の背景・全体像・CEFRとの関連性が分かる
- 他者と協働で言語学習・教育・評価をするための共通の視点が得られる
- 自分の現場に合ったタスクやCan doをカスタマイズする考え方が分かる
受講対象
現役日本語教師の方から、日本語学習支援者や日本語学校関係者の方、すべての日本語教育関係者にご参加いただけます。
特に下記に当てはまる方にはオススメです!
- 参照枠について聞いたことがあるけど、中身がよく分からない
- 文化庁の資料を読んだけど、現場との関係性がイメージできない
- 膨大な情報量に、現場に生かすために何から学べばよいか困っている
- 日本語教育機関で働いていて、参照枠に基づいたコースデザインに頭を抱えている
- 職場での課題遂行型の授業への切り替えに戸惑っている
そもそも「日本語教育の参照枠」ってなに?という方のご参加も歓迎しています。
皆様からのご参加、お待ちしております!
研修の詳細・申し込みはこちらから:
定員
150名
研修スケジュール
2024年7月20日、7月27日、8月3日(土)
10:00-12:00
日程 | 内容 |
---|---|
第1回 7月20日(土) | そもそも「日本語教育の参照枠」とは?(理論:鳥の目) キーワード 社会的背景、歴史的視点、共通の基盤、CEFR、文脈化、全体像、言語能力観、Can doの階層構造 – 日本語教育の参照枠が作られた背景 – 「文脈化」と「参照」 – 3つの言語能力観 など |
第2回 7月27日(土) | 現場から考える(実践:虫の目) キーワード レベルイメージ、Can doの階層構造、社会の中でのタスク、教育実践の内容とCan doの関係 – 6つのレベルとレベルイメージ – Can doの階層構造 – Can doとタスク・コースデザインの関係 など ★ ブレイクアウトルームでのグループワークあり |
第3回 8月3日(土) | 明日から私ができることをイメージする(理論×実践:魚の目) キーワード Before-After、カスタマイズ、言語活動と言語能力、CEFR-CV – 学習の目標・内容・評価 – タスク・Can doのカスタマイズ – CEFR-CVから得られる示唆 など ★ ブレイクアウトルームでのグループワークあり |
※ 連続性のある講義のため、各回単発でのお申し込みは受け付けておりません。
担当講師
近藤 裕美子(こんどう・ゆみこ)先生
国際教養大学 日本語プログラム教授
筑波大学地域研究研究科日本語教育修了。
海外では国際交流基金派遣の日本語アドバイザーを歴任し、フランスやアイルランド、スペインでの日本語教育に従事。 その間、欧州での日本語教師研修などの担当・実施に携わる。
参加費
全3回 10,000円(税込)
※ クレジットカード、銀行振込に対応しています。
実施形態
オンライン (Zoom会議室)
研修当日までに、Zoomダウンロードおよび最新版への更新をお願いいたします。
※ 当日ご欠席された方のために、期間限定での録画配信を実施いたします。
録画配信のみの受講はございませんので、何卒ご了承いただけますと幸いです。
準備物・注意事項
本研修では、ご自身で事前にご購入いただく教材はございません。
7月初旬を目途に、お申し込みが確定した方へ事前資料(関連資料とリンク先一覧)をお送りいたします。
予習されてからご参加いただきますと、研修内容への理解がより一層深まるのでおすすめです。
研修の詳細・申し込みはこちらから
研修の詳細・申し込みは下記リンクよりお願いいたします。
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