日本語教師を目指す人は、未経験からの場合非常勤講師からスタートするという方が多いのではないでしょうか?
そのような方に向けて、日本語教師の「掛け持ち」のお仕事事情についてお話したいと思います!
非常勤講師は、授業をした分だけお給料が発生するいわゆるパートタイムのお仕事となります。
担当するコマ数も自分で調整できますし授業だけに集中することができるので、教師としての経験を積むには非常にメリットとなりますが、一方でフルタイムのお仕事ではないのでお給料には不安があるのは事実です、、
目次
日本語教師の仕事は掛け持ちが必須なの?非常勤講師のお給料事情
日本語教師を本業として仕事にしていきたい場合、他の仕事と掛け持ちすることは避けられないものなのでしょうか?
日本語教師の働く場所、雇用形態はさまざまですが、基本的に正社員として専任の講師となれば、それだけで生活していくために必要なお給料をもらうことはできます。
しかしながら、日本語教師の求人数を見ると正社員よりもパートタイム、いわゆる非常勤講師の求人数の方が圧倒的に多いという事実があります。
そのため、非常勤として日本語教師をしている人の数も多くいます。
非常勤講師のお仕事は、授業をしたコマ数に応じて給料が支払われます。
給与の相場は、だいたい1コマ(45分)1500〜2000円です。
1コマ1800円とし、1日6コマ×平日5日と仮定するとお給料は月21万6000円になります。
上記のように考えると、「非常勤講師でも最低限の生活ならできるのではないか?」と思うかもしれません。
しかしながら、希望するコマ数で授業を入れられるとは限りませんし、非常勤講師は学校が長期休みになる春休みや冬休みには、授業がなくなるため無給の状態となる期間が発生します。
そのため、「日本語教師だけで稼いでいこう」と考える方にとっては多くの場合、非常勤講師とは別に仕事を掛け持ちする必要があると言えます。
初めから専任講師は無理なの?未経験者が非常勤日本語教師を選ぶことのメリット・デメリット
非常勤講師だと生活が不安定になるため、やはり専任講師になる方が経済的な面を考えると圧倒的に良いのではないか?と思いますよね。
それは事実である一方で、「未経験者の方が初めから専任講師になる」というのはなかなか難しいと言える部分もあります。
理由は「そもそも専任講師の求人数が少ないこと」、そして「未経験者の場合、慣れない授業準備に膨大な時間がかかること」があります。
主な就職先である日本語学校では、専任講師より多くの数の非常勤講師で教員が成り立っています。
そのため、専任講師の求人枠が少なく、さらに未経験者で専任講師を募集している求人は絞られてしまいます。
また未経験者の場合、教案作りにはかなりの時間がかかってしまうため、平日5日間9〜17時まで勤務し、その中で日々翌日の授業準備も行うと考えると、かなりハードなスケジュールになるでしょう。
まとめると、専任講師になることの最大のメリットは「経済的安定を手に入れられること」、デメリットは「専任になるチャンスが少ないこと」「かなりのハードスケジュールになること」です。
一方で、非常勤講師を選ぶ場合「一つひとつの授業により集中することができる」ということが最大のメリットとなります。
特に未経験の教師にとっては、週に決められたコマ数の授業のためだけに余裕を持って授業準備をすることができるため、少しずつ着実に経験を積んでいくことができます。
専任講師が授業以外に行う学生のお世話や事務業務は行わないため、授業だけに集中できる環境を作ることができます。
そして非常勤講師を行うことのデメリットは、やはり「経済的な不安定さ」があります。
そのため、非常勤講師として働く際には掛け持ちの仕事を探す必要があるのですが、一般的にはどのような仕事と掛け持ちをしているのでしょうか?
【非常勤日本語教師の掛け持ちのお仕事】どんな仕事と掛け持ちするの?
非常勤講師の仕事と掛け持ちをする場合、「他の日本語教師の仕事と掛け持ちする」「日本語教師とは関係ないそれ以外の仕事と掛け持ちする」の大きく2つに分かれるのではないでしょうか。
他の日本語教師の仕事と掛け持ちする
将来的に日本語教師を本業としたいと考えている人は、他の非常勤講師の仕事と掛け持ちする場合が多いです。
一つの学校で十分なコマ数の仕事を入れることができない場合は、他校の非常勤講師の仕事も入れることで、生活に十分な給料を得ることができます。
また、学校以外の場所でも日本語教師の仕事として、マンツーマンのプライベートレッスンやオンラインレッスンなどもあります。
色々な教育現場で教える経験を積むチャンスがあるのも、非常勤講師ならではの特権かもしれません!
日本語教師以外のアルバイトを掛け持ちする
もう一つの方法としては、日本語教育関係以外のアルバイトを見つけることです。
一例としてカフェなどの飲食店や、語学力を生かして翻訳のアルバイトをしたりなどがあります。
日本語教師以外に興味のあることや自分の強みが活かせる仕事に就くと、より充実した生活を送ることができるのではないでしょうか。
また、日本語教師以外の仕事をすることで、その仕事の中で日本語教育に役立つような発見や勉強があるかもしれません!
他校で非常勤日本語教師の掛け持ちをすることのメリット・デメリット
上記で述べたように「日本語教師で生計を立てたい」と考えている人の中では、他校での非常勤講師と掛け持ちをする人も多くいます。
そこで、2つの学校で非常勤講師をすることのメリットとデメリットについてお話したいと思います。
まず初めにメリットは、ずばり「日本語教師としての経験値を早く上げることができる」ということです。
2つの学校での授業を掛け持ちすることで、必然的に授業回数が増えます。
またそれだけではなく、それぞれの学校によって使用する教科書や教授方法が異なる場合は、さまざまな授業スタイルを同時に学ぶことに繋がります。
反対に、これは非常勤講師を掛け持ちするこのデメリットにもなります。
なぜかというと、使用する教科書や教授方法、学生のレベルが異なると、それぞれの学校の授業を行う際にそれらが混同してしまう場合があるからです。
「ある一日の午前中はこの教科書で初級の学生を教える、そのあと午後は違う教科書を使って上級の学生を教える」ということが起こりえます。
初めて日本語教師をする先生にとっては特に、経験を積みやすいというメリットがある一方で、それぞれの学校の授業スタイルに合わせるのに苦悩する、ということもあります。
非常勤日本語教師が安定的な収入を目指すためには?
最後に、非常勤講師として仕事をしつつも、将来安定的な収入を目指すための方法についてお話ししたいと思います!
日本語教師で生計を立てていきたい方にとっては、いつまでも掛け持ちで仕事をしつつ非常勤講師を続けるのはかなり大変ですよね。
将来的には、日本語教師として生活するのに十分なお給料を稼ぐための方法を以下に挙げてみました。
・ある一定の期間経験を積んだら、専任講師へ転換する
・大学院で日本語教育について学び、大学院・大学で日本語教師として勤務する
・フリーランスとして、日本語教師の仕事を引き受ける
・SNS上で日本語教師として活躍する(Youtubeなど)
今の時代はネット社会となり、ひと昔前の「対面で教師が学習者へ教える」というスタイルだけではなくなっています。
「お給料が決して高いとはいえない」という日本語教師の仕事も働き方によってはさまざまなキャリアを築くことができます。
↓日本語教師Youtuberについての記事です!ぜひ合わせて読んで見てください。
【非常勤日本語教師の掛け持ち事情】まとめ
・非常勤講師として働くなら、基本的に掛け持ちは必要
・非常勤講師は経済的安定には欠けるが、授業だけに集中できる
・他校の非常勤講師と掛け持ちすることのメリットは「経験値が上がること」
デメリットは「2校の授業スタイルの違いに苦悩する」
・現代では、日本語教師が安定的な収入を得る方法はたくさんある
日本語教師キャリア マガジン編集部
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