「実際、日本語教師の給料/年収はどれくらいなの?」
「日本語教師に転職したいけど、経済面で不安がある・・・」
このように悩んでいる方はいませんか?
今回は、そんな方に向けて日本語教師の給料を専任/非常勤、職場、勤続年数にわけて細かく解説します!
尚、この記事の内容は、2020年1月から2021年3月までの期間で日本語教師として収入を得ていた方220名(※Reboot Japan株式会社が運営する日本語教師キャリア登録者)を対象に行ったアンケートをもとにしています◎
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目次
日本語教師の仕事内容
日本語教師の主な仕事は、日本語を学ぶことを必要としている人に日本語の文法や話し方、発音などを教えることです。
また言語だけではなく、日本の文化や歴史などを教えることも大切な仕事の一つです。
就職先は多岐にわたっており、国内の日本語学校や大学で働いたり、フリーランスとして個別指導をする教師もいます。
また、日本語教師は海外で活躍することのできる職種であり、海外の語学学校や大学に就職するという選択肢もあります。
「英語などを使って日本語を教えるの?」と思う方も多いのですが、ほとんどの場合は「日本語を日本語で教える」のがスタンダードな方法です。
日本語教師になるには
日本語教師になるためには、現時点で3つのルートがあります。
3つの条件のうち、いずれか一つを満たしていること
しかしながら、現在「日本語教師の国家資格化」の動きがあり、最終的に決定される新しい条件は「2024年以降」に実施予定となっています。
新たな条件の詳細については、以下の記事も合わせて読んでみてくださいね。
日本語教師の実情
現在、世界での日本語学習者数は年々増えており、人材不足の影響から国内に住む外国人の数もますます増加する傾向にあります。
そのため、国内外で日本語教師の需要は今後も高まっていくことが予想されています。
また、オンライン化が進んでいることや国内での外国人人材が急増していることから、日本語学校以外のみならず、日本語教師の活躍の場は多様化しています。
一方で、国内では正社員である専任講師よりも、非常勤講師やボランティアの日本語教師数が圧倒的に多いこともあり、日本語教師の労働環境や待遇に不満を抱く人も少なくないのが現状です。
そんな中、すでに触れた通り、「日本語教師の社会的地位」や「教育の質」向上のために、現在「日本語教師の国家資格化」の取り組みが進められている状況があります。
日本語教師全体の平均給与/年収はどれくらい?


日本語教師として働く場合、専任日本語教師(正社員)と非常勤日本語教師(アルバイト)の大きく2つに分かれます。
専任か非常勤かによって給与体系や給与額は大きく変わりますので、それぞれに分けて平均の給与/年収を解説します◎
専任日本語教師(正社員)
ずばり、専任の日本語教師の平均年収・平均月収はこちらです。
平均年収: 約330万円 平均月収: 約24万1000円 ※ 教務主任など役職のある日本語教師と海外で働く日本語教師を除く
日本人の平均年収は約430万円、そのうち中央値はおよそ315〜425万円といわれています。
専任日本語教師の平均年収330万円は、日本の平均年収には及ばない額ですが、大多数の人々の年収である中央値に収まっていますね。
ここで、平均年収や月収だけではどれくらいの年収層が多いのか?が分からないので、年収層ごとに円グラフで結果を集計してみました!


このグラフを見てみると、年収251~300万(31.3%)と301~350万(28.1%)の人が全体の約6割を占めています。
続いて多いのが、351-400万円(15.6%)、同率で401~500万円(9.4%)と201~250万円以上(9.4%)、501万円以上(3.2%)と200万円以下(3.2%)が最少となっています。
全体としてみると、年収300万円を超える専任教師は、全体の約6割いることが分かりますね!
専任日本語教師への転職を考えている方は、年収300万前後はもらえるとイメージしていただけるといいかもしれません◎
非常勤日本語教師(アルバイト)
続いて、非常勤の日本語教師の平均給与についてです。
非常勤講師の場合、月給ではなく授業1コマ、あるいは時給でもらう場合が大多数です。
ここでは、1コマ45分としたときの平均コマ給を出しました。
平均コマ給: 1950円/コマ(45分) ※ 教務主任など役職のある日本語教師と海外で働く日本語教師を除く
平均コマ給は1950円という結果になりましたが、どれくらいの額をもらう層が一番多いのか?分析した結果の円グラフはこちらです!


全体の約5割を占めるのが、1501~2000円(52.6%)、続いて1001~1500円(16.4%)、2001~2500円(14.7%)、2501~3000円(6.9%)となっています。
平均コマ給は1950円ですが、非常勤日本語教師の80%近くが、最低でもコマ給1501円以上もらっているということがわかります。
非常勤教師の場合、複数の職場をかけもちしているという人も多くいますよね。
「非常勤講師として働きたいけど、合計で年収はどれくらいなんだろう?」と気になる方も多いと思うので、非常勤講師の平均年収(かけもちを含めた全体額)の結果もまとめました◎


最も割合が高いのは年収51~100万円で、全体の約半分を占めています。
続いて、ほぼ同率で101~150万円(17.9%)、50万円以下(16.4%)、151~200万円(10.9%)と続きます。
もっとも収入が高い201~250万円は全体の6.3%となっています。
非常勤教師は、結婚後にパートとして働く人、あるいは子育てが落ち着いた後に働く人が比較的多い印象です。
この結果をみると、独身で非常勤教師のかけもちだけで生計を立てていく人の割合はかなり少ない上に、厳しいのが現実かもしれません。
ですが、日本語教師以外のアルバイトとかけもちしている場合や、フリーランスの日本語教師として専任講師に近い年収を得ている人もいるでしょう。
特に日本語教師として初めて就職する場合は、専任教師にならずにまずは非常勤講師から経験を積んでいくということもあります。
非常勤講師だけで生計を立てていこうと考えている場合は、事前に貯金をして金銭面に余裕をもっておくことや、他の収入源もしっかりと見つけておくことが大切です◎
日本語教師の給与/年収は職場によってどれくらい違うの?
ここからは、職場ごとに日本語教師の給与はどれくらい変わるのかを見ていきましょう。
職場ごと、さらに各職場の専任・非常勤にわけて平均給与を集計した結果がこちらです!
専任の平均年収: 323万円 非常勤の平均コマ給: 1823円 専任の平均年収: 回答数が少なかったため省略しますが、給与水準は日本語学校と同等でした。 非常勤の平均コマ給: 1867円 専任の平均年収: 500万円 非常勤の平均コマ給: 3890円 海外は2カ国のみで、回答数も少なかったため、平均ではなく個別の例を紹介します。 (中国の場合) Aさん(大学勤務): 年収140万円 Bさん(大学勤務): 年収450万円 (ベトナムの場合) Cさん(送り出し機関勤務): 年収240万円 Dさん(送り出し機関勤務):年収300万円
就職先として最も多い日本語学校ですが、日本語教師全体の平均年収約330万円、平均コマ時給1950円とそこまで大きく差はありませんね。
また、大学・大学院の日本語教師になると、年収・コマ給ともに圧倒的に給与は上がっています。
海外の結果は、中国・ベトナムの場合のみとなりますが、勤務する場所によって年収が大きく異なる傾向が見られました。
【日本語学校の給与/年収】教務主任はどれくらいもらえる?


ここからは、就職先としてもっとも多い”日本語学校のお給料”について、さらに細かく解説していきたいと思います!
まず、専任教師から何年か経験を積んで教務主任となった場合、どれくらい収入が上がるのか?
結果はこちらです↓
教務主任: 平均年収348万円 (専任: 平均年収323万円)
平均値だけを見ると教務主任と専任の年収にあまり差はないという結果になりました。
ただ、教務主任の年収は人によって差が大きく、「校長と兼任で年収650万円」「校長と兼任で490万円」「主任のみで430万円」という方も多くいる一方で、主任でも300万円前後の方も一定数いるという結果になりました。
【日本語学校の給与/年収】勤続年数が長いほど給与はあがるの?
続いて、勤続年数と給与の関係についてです。
「長く働けば働くほど、給与は上がるの?」と気になる方も多いかもしれません!
専任教師と非常勤教師、それぞれの結果はこちらです↓
1年未満: 299万円 1~5年 : 315万円 5〜10年: 405万円
1年未満: 1688円 1~5年 : 1831円 5〜10年: 2380円 10年以上: 2516円
この結果からみると、日本語学校の日本語教師は専任・非常勤に関わらず、勤続年数によって確実に給与が上がっていくことがわかりますね!
日本語教師は、長く勤めれば勤めるほど、経験を積めば積むほど、給与もアップしていく職種といえます◎
日本語教師のキャリアアップ!給料をアップさせるには?
・大学で専任講師になる
日本語教師のキャリアップの方法として、もっとも一般的なのは「大学で専任講師になる」ことです。
「日本語学校の専任」から「大学の専任」になった場合、平均年収は323万→500万円となり、経済的にはかなり安定することができます。
大学で専任講師になるには、大学院を卒業する=「修士」の学歴が必要となります。
そのため、まずは大学院に入学し「修士」を取得したあとで、大学の専任講師になるという流れになります。
注意しておきたいのは、大学院を卒業して大学で教える要件を満たしていたとしても、大学の専任講師の募集枠はかぎられており、「かならず専任講師になれる」という保証はありません。
大学院に行くには2年間の時間と学費が必要になるため、「時間やお金をかけても日本語教師として成長したい」「大学で日本語を教えたい」という人は、キャリアアップの方法として大学院への進学をかんがえてみるのも良いでしょう◎
・副業をする
日本語教師以外にも収入源となる仕事をもつことも、給料をアップさせる方法のひとつです。
たとえば、プログラマーと日本語教師の仕事をかけもちしたり、本業は日本語教師で空いている時間で動画編集の仕事をしたり・・・
最近ではフリーランスや副業として、自身のスキルを使ってお金を稼ぐワークスタイルも増えつつあります。
日本語教師という職にしばられずに働くことで、総合的な収入をアップさせることができます◎
どれくらい収入を上げたいかによって、日本語教師とほかの仕事のお給料のバランス、仕事量・時間配分をコントロールすることで、理想の収入に近づけることができます!
・海外で就職する
日本国内よりも、海外で就職した方が高待遇で働くことができるケースが多くあります。
理由は、現地で日本人日本語教師が不足していること、わざわざ日本国内から日本人教師を現地に呼んでいるということから、現地の平均年収よりも高い給与で働くチャンスがあります。
一方で、中国やタイなどのアジア地域で働く場合は、物価の違いから、現地では高い給与であっても日本国内の給与と比べると低くなってしまうことがあります。
それでも、現地での生活費は日本よりも安く済むため、結果的に経済的に余裕をもちながら暮らせたり、ある程度貯金に回せるという場合も十分にあります。
海外で働く場合は、日本の給与とは比較せずに、「現地の平均給与と比較してどうか?」「現地の生活費はどらくらいか?」という2つのポイントを確認してみましょう!
日本語教師の福利厚生!通勤手当や住宅手当はある?


最後に、日本語教師の福利厚生についてお話します!
交通費や住宅手当、クラス担任手当はあるのでしょうか?
結果はこちらです↓
「交通費がある」と回答した人→ 全体の60% 「住宅手当がある」と回答した人→ 全体の5% 「役職や担任、テスト採点時などの特別手当がある」と回答した人→ 全体の8%
今回のアンケート結果からみると、交通費の支給がある職場は全体の約6割になります。
住宅手当があるのは全体の5%で、海外の日本語教師には住居手当や住居提供がある場合も多いですが、国内の日本語教師はほとんどの場合で住居手当がありません。
さらに、役職や担任、テスト採点などの特別な業務に対する手当があると答えた人は、8%となりました。
「授業準備や授業以外の業務時間に給与が支払われない」という話はよく耳にしますが、日本語教師の労働環境は「完璧に整っている」とは言えず、なかなか厳しいのが現実です。
以上が、日本語教師の給与/年収に関するアンケート結果でした!
いかがでしたでしょうか?
「日本語教師へ転職しようか迷っている」という方や「日本語教師に興味がある」という方の少しでも参考になれば嬉しいです◎
もし日本語教師についてもっと知りたい方はこちらの記事を参考にしてください!
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【日本語教師の給料/年収】まとめ
- 専任教師の平均年収は約330万円
- 非常勤講師の平均コマ給は1950円(1コマ45分)
- 非常勤講師の場合、1人で生計を立てていくのは少し厳しい
- 大学・大学院の日本語教師は圧倒的に収入が高くなる
- 日本語学校では、勤続年数に応じて収入アップが狙える
- 日本語教師の福利厚生はあまり整っていない



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