今回は、上記のような疑問を持つ方に向けての記事となります!
日本語教育能力検定試験の概要、合格率・難易度から、検定合格のための学習方法についてまで詳しく解説します◎
2017年に検定合格をした私自身の経験も交えつつ解説していきますので、日本語教育能力検定試験の受験を検討中の方は、ぜひ参考に読んでいただければと思います。
目次
日本語教育能力検定試験とは?概要を解説!
日本語教育能力検定試験は、公益財団法人日本国際教育支援協会が主催し、公益社団法人日本語教育学会が認定をしている民間の検定試験です。
この試験は、日本語教員となるために学習している方、日本語教育に携わっている方に必要とされる基礎的な知識・能力を検定することを目的とされています。
現在、日本語教師になるための3つの方法は以下の通りです。
この試験に合格することで、日本語教師になることができます◎
すでに日本語教師、日本語教育に関わる仕事をしている人が、日本語教育に対しての知識を深めるために受験する場合もありますが、日本語教師として働くために検定を受験する人も多くいます。
続いて、試験日程や開催地、受験料などの基本情報は以下の通りです。
試験内容、試験時間や配点は、このような構成になっています。
科目 | 解答時間 | 配点 | 測定内容 |
試験Ⅰ | 90分 | 100点 | 原則として,出題範囲の区分ごとの設問により,日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。 |
試験Ⅱ | 30分 | 40点 | 試験Ⅰで求められる「基礎的な知識」および試験Ⅲで求められる「基礎的な問題解決能力」について,音声を媒体とした出題形式で測定する。 |
試験Ⅲ | 120分 | 100点 | 原則として出題範囲の区分横断的な設問により,熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。 |
この試験の特徴は、試験Ⅲに小論文の記述式問題が1題ありますが、それ以外の全問題は完全マーク式となっている点です。
また、音声学の分野では聴解問題があります。
>>日本語教育能力検定試験についてさらに詳しく知りたい方はこちら!
日本語教育能力検定試験の合格率は!?受験者の年代、男女比
実施年によって変わりますが、日本語教育能力検定試験の合格率はたいだい25~30%です。(応募者ではなく、全科目受験者のうち合格した割合)
4人に1人は合格する、というイメージですね!
超難関試験というわけではありませんが、合格率は決して高くはない試験だと言えます。
しっかりと検定のために勉強をすれば、合格できる試験です◎
この試験でよく難しいと言われている問題は、聴解問題です。
この聴解問題は、得意不得意が完全に分かれるところなので、苦手意識がある方は徹底的に対策をしましょう!
また、最後に記述式の小論文がありますが、これはそこまで難易度が高くはありません。
理由は、理由や根拠が論理立てて述べられていれば、結論に正解・不正解はないからです。
論理的に文章を書くことができれば、そこまで難しい問題ではありません◎
続いて、どのような人が受験しているのか?年代や男女比を見てみましょう!
この受験者の年代と男女比はこちらです。
女性 | 約72% |
男性 | 約28% |
(参照:JEES公式HP)
60才以上 | 約18% |
50~59 | 約25% |
40~49 | 約19% |
30~39 | 約15% |
20~29 | 約23% |
20才未満 | 約0.1% |
(参照:JEES公式HP)
※ちなみに、この試験の受験者に制限はないため、年齢や職業は関係なく誰でも受験が可能です。
受験者の特徴としては、女性が圧倒的に多いことと40~60年代の受験者が多いことが挙げられます。
日本語教師として活躍できる場所は、学校などの教育機関や企業に限らず、地域のボランティアまで広い範囲に渡るため、受験者の年齢層も幅広いのです。
日本語教育能力検定試験の合格点はどれくらい?
日本語教育能力検定試験の合格点については、実は正式に発表されていません。
ですが、試験Ⅰ〜Ⅲの合計240点満点のうち、165点前後が合格点と言われています。
ここで注意しておきたいのは、合計点数が165点前後に達すれば必ず合格するとは言えないということです。
試験Ⅰ100点、試験Ⅱ40点、試験Ⅲ100点という得点配分になっていますが、例えば、試験Ⅰだけで得点を稼いでも不合格になる可能性はあります。
この合格点の配分についても正式に公開されていないので、各区分に得点の偏りができないように高い得点を目指していくことが大切です◎
日本語教育能力検定試験の合格率は低い?独学で合格できる?
「日本語教育能力検定試験の合格率は決して高くはない」と言いましたが、実際、独学で合格することは可能なのでしょうか?
結論として、独学で合格することは可能です!
独学で学習することのメリット
「独学で合格は大変そう・・・」と思われる方もいるかもしれませんが、メリットもあります!
独学で学習することのメリットは、大きく3つあります!
「なるべくお金のかからない方法で合格を目指したい」「忙しいため、自分のペースで学習したい」という人には独学がオススメです!
独学で学習することのデメリット
反対に、独学することのデメリットは何でしょうか?
独学のデメリットは、「自立的に学習ができる人でなければ、十分な試験対策ができない可能性がある」という点です。
ここまでで、「自分には独学は向いていないかも・・・」と思った方は、もう一つの学習方法、「民間スクールの検定試験対策講座を受講すること」についてここからは解説していきます!
>>独学で合格を目指す方法についてさらに詳しく知りたい方はこちら!
検定対策講座を受講することのメリット
まずは、検定対策講座を受講することのメリットからです!
最大のメリットは、「自分自身で学習計画を立てる必要がない」ということと、それによって得られる安心感なのではないでしょうか!
一緒に受講する仲間と一緒に情報交換ができる点は、現在、スクールによっては通信型受講の講座もありますので、仲間と一緒に学習できる環境があるかどうかは受講形態によって変わってきます。
検定対策講座を受講することのデメリット
続いて、デメリットはこちらです!
デメリットはやはり、経済的負担がある点と、限られた時間と場所で学習する必要がある点です。
忙しい人や、出来る限りお金をかけたくない人は、講座を受講するよりは独学で学習する方が合っているかもしれません。
または、ある程度独学で学習を進めた上で、試験直前だけ試験直前対策講座を受講する方もいます◎
ここまで、独学と講座受講のメリット・デメリットについてお話しましたが、最終的にどのような形で学習を進めていくかは、自身の希望や適正に合った方法を選びましょう♩
日本語教育能力検定試験を受験することのメリット・デメリット
「日本語教育能力検定試験を受験、合格することにデメリットなんてあるの?!」と思う方もいるかもしれませんが、まずはメリットについてお話しします◎
まず、一番のメリットとしては、「最も経済的負担がかからない方法で日本語教師になれる」そして「大学卒業をしていなくても日本語教師になれる」という点です!
420時間の養成講座に通うと50~65万円ほどの費用がかかってしまいます。
また、2020年12月現在、検定に合格することは大学を卒業していないが日本語教師になりたいという人にとっての唯一の方法となっています◎
>>日本語教師の国家資格化についてさらに詳しく知りたい方はこちら!
反対に、検定試験に合格し日本語教師になることのデメリットはこちらです!
この方法で日本語教師を目指すことの最大のデメリットは、上記の通り、日本語教師として実践的な指導力があることを証明することにはあまり繋がらないという点です。
理由は、検定試験の学習の中で、教育実習を含めた実践的なことは学ぶことができないためです。
そのため、いざ求人に応募する、学習者に教えるとなった場合に一度も教案を作成したことがない、教壇に立ったことのない状態からのスタートになります。
私自身は、養成講座の修了と同時に検定試験に合格し、現在日本語教師として働いています。
個人的な感想からいうと、「もし養成講座に通わずに検定試験合格のみであったら、教案の書き方も授業の進め方もわからないし、就職する段階の模擬授業からかなりの不安があるだろうな」と感じました。
もちろん、すでに教授経験のある上で検定試験を受験する方もいて、全ての場合に当てはまる訳ではありません◎
もし「教育経験ゼロの状態から、検定合格後すぐに日本語教師としてすぐに現場で活躍したい」と考えている方がいたら、ぜひ日本語教師養成講座の受講も合わせて検討することをオススメします!
養成講座では、検定試験に出題される内容も含めた理論科目から、教案作成の指導から実際に日本語学習者の前で実習を行うところまで、実践的な指導方法も学ぶことができます◎
「養成講座の受講も検討してみようかな・・・」と思った方は、自宅近くにあるさまざまなスクールの養成講座の資料を、無料でまとめて請求できるサービスもありますので、ぜひご利用ください!
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【日本語教育能力検定試験の合格率】まとめ
- 合格率は25~30%ほど
- 合格点は240点満点中165点前後
- 受験者の多くは女性
- 受験者は40~60代が多い
- 自立的に学習できる人は独学も可能◎
- 独学に自信がない人は検定試験対策講座を◎
- 実践力をつけたい人は、420時間の養成講座も検討を!!
日本語教師キャリア マガジン編集部
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