日本語学校インタビュー|早稲田EDU日本語学校について理事長と校長に直撃インタビューしてきました!

早稲田EDU日本語学校 館内

今回は東京都新宿区、市ヶ谷駅から徒歩5分の場所にある「早稲田EDU日本語学校」に潜入して取材をしてきました!(※取材日: 2024年4月15日)

今回インタビューにご協力いただいたのは理事長の村松史貴さん、校長の早川由香さんです。学校や教育の特徴について聞いてきました。

早稲田EDU日本語学校 村松理事長
村松史貴 理事長

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日本語教師キャリアマガジン編集部
よろしくお願いいたします!
村松理事長
よろしくお願いします。
早川校長
よろしくお願いします。

早稲田EDU日本語学校について教えてください!

早稲田EDU日本語学校 建物
早稲田EDU日本語学校 外観
日本語教師キャリアマガジン編集部
まず、早稲田EDU日本語学校について教えてください!
村松理事長
早稲田EDU日本語学校は、個別指導の明光義塾を展開する株式会社明光ネットワークジャパンの100%子会社です。
在籍学生は、80%が中国国籍の学生で、ベトナムから12%、その他スリランカ・ミャンマーからなど、多くが中国からの進学目的の留学生です。
日本語教師キャリアマガジン編集部
8割が中国からの留学生なんですね!
進学目的とのことですが、どのようなことを意識して学校経営をされていらっしゃるのでしょうか。
村松理事長
当校は進学希望の学生のみを受け入れていますので、日本語教育だけでなく予備校とタッグを組んだEJU対策大学院志望の学生への個別指導など、進学対策は多岐に渡っています。

またこれは当校の得意分野でもあるのですが、早稲田EDU美術学院を併設しているので美大志望の学生へは実技指導も充実させています。

授業の特徴について教えてください!

日本語教師キャリアマガジン編集部
早稲田EDU日本語学校は、進学がメインとのことですが、どのような授業の特徴があるか教えてください!
早川校長
早稲田EDUでは、教師研修で下記3つの理念をお伝えするようにしています。
早稲田EDU日本語学校の3つの教育理念


早川校長
例えば、3つ目の『「わかる」だけでなく「できる」力を育てる』ですが、 一昔前だと、留学生の多くが日本語学校に通って、アルバイトにも行って、アルバイト先でたくさんの出会いを経験し、夏休みが明けたら日本語がぺらぺらになっている、なんてこともたくさんありました。
そのようにして、学校以外に実践の場が多くあったということです。

しかし現在は、特に中国からの留学生は富裕層が多く、アルバイトに行く必要がない方がほとんどです。
また中国語の進学塾に通い、周りも中国からの友人が多くて、生活も中国語で完結できてしまいます。

日本語教師キャリアマガジン編集部
アルバイトなどをしない留学生が多いんですね。驚きです。
日本にいて日本語を使わないで暮らせる状況になっているんですね。
早川校長
そのような現実の中、日本語学校ができることは何なのか。

進学塾で進学指導をしてもらって、中国語の説明でわかった気持ちにならず、きちんと自分の言葉で自分の解釈や意見が伝えられること、「わかっている」だけではなく「できる」ようにしていくことが求められていると思っています。
更には、日本社会の一員として、それぞれが日本で生活の場を築いてほしいとも思っています。
そのため、中・上級の評価はプレゼンテーションで行い、授業内容も「暗記・覚えるだけ」ではなく活動にも軸を置いています。

日本語教師キャリアマガジン編集部
「わかっている」から「できる」ですね。
メイン教材にも変化があるのでしょうか。
早川校長
一昨年からは、一部のクラスで、初級から中級にかけて場面・トピックシラバスに文法シラバスを融合した新しい形である「できる日本語」を使用した授業を試験的にスタートさせました。
将来的には初級教材を「できる日本語」に切り替えていければと考えています。

また、現代は正直「勉強」だけならオンラインでいくらでも完結できてしまいます。

日本語教師キャリアマガジン編集部
たしかに。
コロナ禍の影響もあって、オンライン上にはたくさんの自学コンテンツが生まれていると思います。
早川校長
勉強はひとりでもできるのに、わざわざ学校に通う意味はどこにあるのか。
ここには様々な人との出会いがあり、ペアワークや意見交換を通して他者との違いや多様性に気付くことができる環境があります。
留学生の皆さんにはぜひそのことを楽しんでほしいと思います。

進学塾に負けないぞという気持ちもありますが、それ以上に進学塾にできないことをやっていきたいですね。

日本語教師キャリアマガジン編集部
なるほど。
様々な方面で差別化をはかりつつ、学生ニーズに応えた実践をされているのですね。

一緒に働きたい先生について教えてください!

早稲田EDU日本語学校 教務室
早稲田EDU日本語学校 教務室の様子
日本語教師キャリアマガジン編集部
早稲田EDU日本語学校が求める日本語教師像について教えてください!
早川校長
現在働いている先生方は、年代も20代から70代まで幅広く在籍しています。
村松理事長
最近では、大学在学中で日本語教師を目指す学生も積極的に採用しています。
在学中ですと非常勤講師からのスタートにはなりますが、ぜひ挑戦していただきたいと思っています。
日本語教師キャリアマガジン編集部
在学中でも挑戦できるのは素晴らしいですね。
この業界では、経験者が優遇されることも多いですが、その点についてはいかがでしょうか。
早川校長
早稲田EDU日本語学校では、未経験でも積極的に採用しています。
経験の有無に関わらず、何よりも重視しているのは「学習者との向きあい方」です。
日本語教師キャリアマガジン編集部
学習者との向き合い方ですね。具体的にお聞かせいただきたいです。
早川校長
「この先生にだったら自分のことを話してみたい」「この先生の話を聞いてみたい」とみなさんが思えるような存在であってほしいと思っています。
村松理事長
スキルはもちろん大切ですが、「この先生に教わりたい」と学生が思えることが、一番の学習効果だと思うからです。
学生との間に心理的バリアがある方は、どんなにスキルがあっても難しいと感じます。
日本語教師キャリアマガジン編集部
具体的には、どのような瞬間に「あ、いい先生だな」と感じられるのでしょうか。
早川校長
そうですね。
例えば、模擬授業であっても、学習者の名前をしっかり呼ぼうとしていたり、学習者がついてきているか、きちんと目配りや配慮をしていたり、学習者自身を尊重しようという部分などが見えるといいなと感じます。
そして何より、自分が一方的に伝える授業をするのではなく、学習者を動かそうという意識が感じられるといいですね。

また未経験の方で、もちろん緊張もあり、模擬授業では教案を見て下を向いたままという方もいらっしゃいます。
それ自体はまったく問題ではなく、要は後から自省がちゃんとできているか、「あの時にもう少し前を向いて学生との対話を大切にすればよかった」と、内省できることが重要だと考えています。

早川校長
「こういう学生にはこうすればOK」「あの学生はダメ」と経験則で決めつけていないこと。
根本的な教師の姿勢として、ここは“最重要視”しています。
それ以外にも、なぜ日本語教師になりたいと思ったか、そのきっかけや、理想の教師像に熱が感じられる方も魅力的に感じます。
日本語教師キャリアマガジン編集部
人間性や教師としての根本的なあるべき姿、ということですね。
村松理事長
学生を決して下に見ていないこと。
正解はないのですが、問題が起こった時に、学生のせいだ、と考えるようにはならないでほしいと思っています。
日本語教師キャリアマガジン編集部
なるほど。
とても大切なことだと共感しました。
日本語教師に限らず、すべてのサービス業、接客といわれるような、人と関わる職業には共通する考え方だと感じます。

働く環境について教えてください!

村松理事長
当校は、すでにお話しした通り上場企業の子会社のため、法令遵守は徹底しています。
これは一般社会では当然のことですが、日本語教育業界では未だ難しい部分でもあるかと思います。
日本語教師キャリアマガジン編集部
たしかにその通りですね。
求職者の方からは、早稲田EDU日本語学校の求人情報が非常に丁寧で、従業員を大切にしていることがわかる、というお声をいただくことがあります。
研修制度も充実していると思いますが、その点いかがでしょうか。
村松理事長
研修制度はしっかりしていて、未経験で入った場合にはまずは授業見学をしていただきます。
そして週1の授業と、そのための教案づくり、リハーサルという形での実践的な研修を並行して行う期間を1学期間設けています。

経験のある講師も、講師同士の授業見学など、お互いの授業に入ることで気付きを得られるようにするなど、工夫もしています。

日本語教師キャリアマガジン編集部
未経験の方にしっかり研修期間が設けられているのはなかなかないと思います。
非常に貴重な機会だと思うので、ぜひ経験が少なくても日本語教師のキャリアパスを歩みたい!と熱意を持っている方におすすめしたいです。

※早稲田EDU日本語学校では、研修期間中も報酬が出ます。

村松理事長について教えてください!

日本語教師キャリアマガジン編集部
村松理事長が、日本語教育に関わり始めたきっかけを教えてください!
村松理事長
私はもともと親会社からの出向で早稲田EDU日本語学校に来て、その後早稲田EDU日本語学校に転籍しました。
業界自体、学習塾とはまったく違うため最初は苦労しましたが、私が来る前からこの学校に在籍していた営業職や先生方、管理職の方に教えてもらいながらここまで来たという感じですね。
日本語教師キャリアマガジン編集部
日本語学校の経営に携わる中で、どのような時にやりがいを感じられますか?
村松理事長
初期のころに比べて、会社の規模的には2倍になりました。
業績としても伸びているので、そこには達成感があります。
また私の役割は、先生方・従業員の生活を充実させることにありますので、その意味では責務も果たせているのではないかと思っています。

今後の日本語教育についてどう思われますか?

日本語教師キャリアマガジン編集部
日本語教育の業界は過渡期にあると思いますが、今後の日本語教育はどのようになっていくと思われますか?
村松理事長
現在、早稲田EDU日本語学校は定員が960名ですが、どこまでも青天井というわけにもいきません。
天井に届いている時点で、他のオプションも提示する必要があると考えています。
日本語教師キャリアマガジン編集部
具体的には、どのようなことに取り組まれているのでしょうか。
村松理事長
現状では、塾とタッグを組んだEJU対策や、早稲田EDU美術学院を抱えているため、進学対策などを更に強化していきたいです。
留学ニーズを早稲田EDU日本語学校で全部満たせるような事業をやっていきたいと思っています。

また数年前に、日本語教育バブルがあったような印象ですが、最近では留学ブームもある程度天井についている印象です。
今後は、質的な部分で学校が淘汰されていく時代になるはずです。
その中でも、学生に選ばれる学校を目指していきたいと考えています。

日本語教師キャリアマガジン編集部
コロナ禍が落ち着いて、学生や教師の様子など、何か変化はございましたか?
村松理事長
今年はコロナ禍で待機してくれていた学生たちが卒業していきました。
皆さん、規制緩和まで待ってくれて、長い人は丸2年間入国を待ってくれました。
感謝しかありません。

教師やスタッフも皆、苦しい時代を乗り越えて少し強くなれたと思っています。

日本語教師キャリアマガジン編集部
授業実施や学生管理など、オンライン化への移行なども実施したのでしょうか。
村松理事長
そうですね。
教師の面ではというと、それまでは板書メインだったり、とてもアナログな環境でしたので、全員でオンライン化に取り組みました。
まずはWiFi環境はじめ設備を整えてオンライン授業も質が担保できるまでは無料で公開しながら、クオリティをあげていくようにしました。
当初はクロッキー帳で書いて画面に写すというようなレベル感だったのですが、パワーポイントの操作研修から始め、マニュアルを作成し、研修とマニュアルのPDCAを回して繰り返していく中で、現在の状態に移行していった背景があります。

今では教務ポータルなどの管理システムもあり、メイン教材さえもっていればPC1台ですべて必要なものが取り出せる状態です。

日本語教師キャリアマガジン編集部
そのような背景があったとは知りませんでした。
すごいですね。
先生方のチームワークの高さが感じられるエピソードです。

早稲田EDU日本語学校 まとめ

教育理念   日本語と日本文化を学ぼうとしている世界各国の人々の人種、国籍、言語等による偏見や差別を無くし、平等、公平、調和の精神を養う教育をモットーに、「広い国際知識」「実用的日本語力」「豊かな感性」「共生の心」を育て、異文化の人と人との橋渡しができる国際感覚豊かな若者の育成を目的とします。
所在地〒162-0842
東京都新宿区市谷砂土原町2-7 TK第一ビル2F
※市ヶ谷駅から徒歩5分
在籍学生中国、ベトナム、スリランカ、ミャンマーなど
教育設備ノートPC、プロジェクター、モニター全教室完備
※希望者は板書での授業可
日本語教師キャリアマガジン編集部
取材させていただきました、村松理事長・早川校長、また学校のご関係者のみなさま、本当にありがとうございました!

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迎明香

運営情報
日本語キャリアマガジンのライター。日本語教育能力検定試験を独学で合格&日本語教育専攻の大学院を修了。国内教育機関での実習や留学生サポート、公的機関の海外派遣にて日本語教育および教材作成など幅広く経験。
早稲田EDU日本語学校 館内