外務省所管の独立行政法人・国際交流基金では、1974年から海外の日本語教育機関に関する調査を行っており、この調査では国・地域別の日本語教育機関、教師、学習者などの数や割合が調べられ、2003年以降は3年に1度報告されている。
下記では、前回結果(2021年)をもとにした、最新の日本語学習者が多い国ランキングを紹介する。
目次
2021年 海外の日本語学習者数ランキング
2021年のランキング第1位 中国
第1位は中国で、105万7318人が日本語を学習している。2018年時点の日本語学習者は100万4625人で、約5万人の増加。また、中等教育機関は2018年に引き続き増加傾向にあるが、中等教育以外の日本語教育機関は大幅に減少したほか、全体の相対的な増加率は低下している。これは大学入学試験における第2言語としての日本語の点数が比較的とりやすいという反面で、コロナによる中国経済の縮小や日本経済の低迷が影響していると考えられる。
2021年のランキング第2位 インドネシア
第2位はインドネシアで、2021年時点では71万1732人が日本語を学習している。2018時点の日本語学習者は70万9479で、増加率としては横ばいの結果となった。日本の技能実習制度や特定技能制度などの就業機会制度を設けて以降、日本で就業するというケースが定着してきている一方で、コロナによる対面授業の一時停止、オンライン授業の未発達が起因した全体的な増加率の停滞が顕著である。
2021年のランキング第3位 韓国
第3位は韓国で、2021年時点では47万334人が日本語を学習している。2018時点の日本語学習者は53万1511で、前回と比較すると約6万人と大幅に減少している。また教育機関と教師ともに大幅の減少傾向を見せた。主な理由として韓国の少子化が挙げられている。少子化に伴い、そもそもの日本語学習者が減少したことや、中等教育における第二外国語学習が必修科目から選択科目になったことも減少の要因になった。また、コロナにより学校期間の一時停止、それによる日本での就職・留学・観光などの需要の減少が挙げられる。
参照: 国際交流基金【2021年度 海外日本語教育機関調査】
2018年 海外の日本語学習者数ランキング
2018年のランキング第1位 中国
第1位は中国で、100万4625人が日本語を学習している。2015年時点での日本語学習者は95万3000人程度で、約5万人の増加。また、教育機関と教師の数も増加傾向にある。特に、初等教育、中等教育、民間での日本語学習者が増加している。その理由として、中国では大学入試の外国語科目に日本語を選べることから、早くから初等教育や中等教育で日本語学習を始めているという。
2018年のランキング第2位 インドネシア
第2位はインドネシアで、2018年時点では70万9479人が日本語を学習している。前回調査と比べると学習者は減少しているが、教育機関と教師の数は増加している。インドネシアでは中等教育での日本語学習が最も盛んだが、2013年に中等教育における教育課程改定が行われ、必修科目であった第二外国語学習が選択科目になった。これに伴い日本語学習者が減少したという。
2018年のランキング第3位 韓国
第3位は韓国で、2018年時点では53万1511人が日本語を学習している。前回調査と比べると減少しているが、教育機関と教師の数は増加傾向。近年韓国で起きている少子化に伴い、そもそもの日本語学習者が減少したことや、中等教育における第二外国語学習が必修科目から選択科目になったことも減少の要因になったと分析している。しかし、民間の教育機関での日本語学習者は増加傾向にあり、日本での就職・留学・観光などを視野に入れて日本語を学習している人は少なくないとしている。
参照:Yahoo!ニュース
日本語教師キャリア マガジン編集部
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