中国で日本語教師になりたい!という方必見!
- 中国の日本語教育事情
- 現地でのネイティブ日本語教師の役割
- 中国での日本語教師の働き方や福利厚生
などなど…
中国で日本語教師になるならぜひ知っておきたい情報が満載です!
目次
中国ってどんな国?
まず、中国の国の基本情報をご紹介します!
中国はアジア大陸の東部、太平洋の西岸に位置する国で、正式には「中華人民共和国 People’s Republic of China」です。
面積
959.7万平方キロ(日本の25.4倍)
人口
13億7930万人 (2017年、WFB(The World Fact Book))
宗教
イスラム教、仏教(チベット仏教を含む)、キリスト教など
通貨
1人民元 → 16.0308円 ※2021年1月の平均レート
時差
日本より1時間遅れている
中国の気候
- 亜熱帯から寒帯まで多様
- 冬季の気温は南北で差が激しく、1月の平均気温は広州とハルビンの間では35℃!
- 中国全国の平均年間降水量は630ミリで南東部から北西部へと次第に少なくなっていく
中国はかなり大きな国なので、各場所によって気温や湿度、降水量などが大きく変化します。
文化なども地域差が激しいので、事前にしっかり地域の習慣や文化などについて調査していく方が安心ですね!
引用元:地球の歩き方
中国の物価
中国は物価が安いと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、近年中国の物価は上昇傾向にあり、日本とあまり変わらない部分も増えてきています。
全体的な物価を比べると、中国の方が日本よりも安いようです。
- 食費
・マクドナルド ビッグマックセット
中国:約560円(36元)
日本:690円
・日本のラーメンチェーン
中国:約700円(45元)
日本:850円
・エナジードリンク330ml
中国:約90円(5.9元)
日本:約200円
- 交通費
・タクシーの初乗り料金 221円:初乗り走行距離3km
・地下鉄乗車券の最短区間運賃 47円
日本にもあるような食べ物の値段は日本とあまり変わりませんが、地元の屋台などの食べ物は比較的安いようです。
飲み物や交通費などは中国の方が安いですね!
以上は中国の基本情報です。
中国での日本語教育事情
次に中国での日本語教育事情についてまとめます。
国際交流基金による2018年度「海外日本語教育機関調査」結果(速報)によると
機関数 | 学習者数 | 日本語教師数 | |
2015年 | 2,115 | 953,283人 | 18,312人 |
2018年 | 2,435 | 1,004,625人 | 20,220人 |
増減率 | +320 | +51,342人 | +1,908人 |
中国の学習者数は、2009年に初めて100万人を超えましたが、2015年に90万人代まで減少、しかし、今回の速報では再び100万人代に増加しました。
2015年の減少に関しては中国が2001年に制定した日本の学習指導要領に相当する「全日制義務教育英語課程標準」の影響が大きいと言われています。
各教育機関における英語導入・強化が進み、2015年の調査においては「英語科目の重視が日本語科目の運営に影響を及ぼしている」と回答した機関が多く見られたそうです。
中国人学習者の教育段階の構成を見てみると、
- 「高等教育段階(大学や大学院相当レベル)」の学習者625,728人(2015年)
- 民間の学校などを含む「その他」273,600人(2015年)
となっています。
中国では、大学で日本語を学ぶ学生が多く、全国1,117校の四年制大学のうち506校で日本語専攻課程が開設されています。
日系企業への就職など日本関係の仕事に就くことを将来的な視野に入れて、日本語を専攻分野として選択する学生が多いようです。
その他の学習目的としては、諸外国と同じように日本のアニメ・マンガ・ファッションなどポップカルチャーへの関心から、日本語学習に取り組む人も多いようです。
その他の国の学習者数や増減率等についてはこちらをご覧下さい↓
その他の国の増減率等についてはこちらをご覧下さい
2018年度海外日本語教育機関調査結果 (速報値)
https://www.jpf.go.jp/j/about/press/2019/dl/2019-029-02.pdf
中国での日本語人気
言語学習は、その国同士の関係に影響を受けることも多いです。
日中間も歴史的認識問題や政治問題などで順調ではない関係性の時期もありますが、それでも日本語人気が衰えないのは、
- 日中の経済関係への関心から就職のために学んでいるという人がいること
- 日本ポップタルチャーなどに関心を持っている人が多いこと
が挙げられます。
中国では、ネット規制があるため、テレビ局の放送によって日本のアニメやドラマは見られないのですが、海賊版やネットにアップロードされているものから日本のアニメやドラマを楽しんでいる人が多いようです。
実は、2019年6月に「千と千尋の神隠し」が映画館で上映されましたが、これは同日に上映開始となった「トイストーリー4」を圧倒的に上回り、18年前の旧作とは思えない興行成績(2019年邦画年間興行収入1位4.88億元(約75.6億円))を記録しました。
この記録からも、中国で日本のアニメ作品、ポップカルチャーへの関心が高いことが伺えます。
求人から見る中国での日本語教師
では、実際に中国の日本語教育機関で募集されている日本語教師にはどのような条件が求められているのでしょうか。
ネイティブ日本語教師の役割と応募条件
中国で雇用されている日本人教師は、
日本の機関(JICA、日中技能者交流センター、中国の機関と姉妹関係にある学校等)を通して派遣されている人と、個人契約の人がいます。
先ほど述べたように中国では、「高等教育段階(大学や大学院相当レベル)」の学習者が一番多いので、大学などでの募集も多く出ています。
中国の大学機関での日本語教師の募集は、各大学のHPで行われているものと、大学紹介を行っている機関が募集しているものがあり、機関の方は、まず派遣機関に登録し、そこから各中国の大学を紹介してもらうという形です。
ある派遣機関の応募条件は、
- 日本語を母語とし、日本国籍を持つ方
- 4年生大学(学士以上卒業で2年以上) 58歳まで
- 2020年9月から勤務可能
- 日本語教師経験が2年以上ある方優先(資格の有無は問わない)
となっており、大学機関で求められることの多い、修士以上の資格を含め、日本の告示校で求められる条件も特に記載されていません。
他の大学の募集でも、特に資格は求めないというところがいくつかありました。
また、授業に関しても特に特別な授業を担当してほしいという条件があるところは少なかったです。
例としてあげられていたものは、日本文化や会話の授業といった、日本語ネイティブの教師が海外で求められやすい文化的なものや会話表現を教えてほしいというものでした。
大学以外の日本語学校などの機関でも先の応募条件と同じ条件で募集しているところが多いです。
日本の学校のほとんどで求められている、420時間修了や、日本語教育専攻卒、日本語教育能力検定に合格などは、優遇はされるようですが必須ではないところもあります!
しかし、最近は、そういった条件を課す学校も増えていますので、募集要項をしっかり確認することが大切です。
中国での日本語教師の待遇
中国の日本語教師の求人をみてみると、大学を卒業した日本人日本語教師の、中国の大学での月収は8000元から10000元、日本円にすると、13万円から16万円くらいが平均のようです。
これは、日本語教育の資格の有無は問われていない募集の待遇です。
中には、約38万円(23500元)を提示していた学校もありましたが、こちらでは
4年制大学卒業の場合は、最低条件として各種養成機関420時間修了書(証明書)もしくは日本語学科卒業が必要。
短大卒の場合は、最低条件として各種養成機関420時間修了書(証明書)若しくは日本語学科卒業が必要。そして日本語教師資格認定書が必要。
となっていました。
日本語教師の資格を持っていれば、高収入も期待できそうですね!
中国での日本語教師の働き方
求人を見ていると、専任教師にもかかわらず、
【冬休み約一ヶ月、夏休み約二ヶ月、法定休日等】と書かれており、さらには
【契約期間の夏休みや冬休み有給】という表示がありました。
これ、日本企業で考えたらものすごくホワイトな職場ですよね!
また、授業以外は基本的に自由という記述もあり、かなり自由度が高いようです。
実際のところは、事前に仲介会社やサイト管理者に確認すべきですが、
もしかしたら日本で働くよりもずっとホワイトで働きやすいかもしれませんね!
中国での日本語教師の福利厚生
給与以外の待遇や福利厚生は、日本より充実しているところが多いです。
学校の寮に住むことができたり、家賃補助があるところが多く、水道代や光熱費が無料だったりする学校もあります。
他にも日本への渡航費用や中国国内の旅行手当などが出るところもあるようです。
先程の給料でも、このような福利厚生が受けられるのであれば十分生活できそうですね!
こちらの記事に海外で働く際に確認しておくべき福利厚生のチェックポイントがまとめてありますので参考にしてみてください。
中国で日本語教師の求人を探す
実際に中国での日本語教師の求人を探す場合は、求人サイトに様々な募集が載っていますので、調べてみましょう。
大学関係の求人をお探しでしたら、日本語教育学会がオススメです。
ですが、大学の募集の場合、先ほどの条件プラス修士や博士が求められることが多いので、誰でも応募できるわけではありません。
求人数が豊富かつ「海外転職が初めて」という方におすすめな求人サイトはこちらです
こちらは海外・国内ともに求人数が多く、エリアごとに求人検索ができるため、すぐに自分の希望する求人を見つけることができます。
また求人サイトから自分で検索するだけではなく、「日本語教師キャリア」に無料登録すると、希望する求人情報を紹介してもらうことができます!
他にも求人サイトは色々ありますが、時にはもう締め切りを過ぎているものや、もうすでに採用者が決まり受付を終了しているものが載っていることもありますので、注意してください。
まとめ
中国で日本語教師になるために必要な情報をまとめると
- 中国は「高等教育段階(大学や大学院相当レベル)」の学習者が一番多く、大学で日本語を専攻している人が多い
- 日本のポップカルチャーは根強い人気がある
- 中国で日本語教師になるためには、学士で日本語経験2年以上が望ましい。
- 待遇は学校によって異なるが、生活費の補助があるところが多い
中国では、経験ややる気を重視し、日本語教育能力検定等に合格していなくても応募できるところも多いようです。
ですが、国内の日本語学校では、告示校が求める条件(日本語教師ガイドライン)を満たしていなければ採用してもらえないところが多いので、注意しましょう!
すーみん
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