日本語を教える仕事?日本語教師について国語教師との比較をしながら解説!

みなさんは、日本語を教える仕事と聞くと何を思い浮かべますか?

日本語教師あるあるの一つですが、自分の仕事について話すと、3回に1回は「え、国語の先生なの!すごい!」や「教職免許とるのって大変だよねぇ」と言われます…。

誤解されやすいのですが、同じ日本語を教える仕事でも国語教師と日本語教師は全く違います!!

この記事では現役日本語教師である筆者が、日本語教師について間違われやすい国語教師との比較を3つの観点(教える対象・教える内容・働く方法)で行いながら徹底解説します。

【日本語を教える仕事?日本語教師とは】①教える対象の違い

国語教師の場合

まず、国語教師と日本語教師の大きな違いは教える対象です。

国語教師の場合、日本人に母語である日本語の使い方や意味を教えます。

教える場所は主に国内の中学校、高校なので、その教育の学習段階にある生徒に教えることになります。日本語が話せるに日本人なので、国語教師は日本語がうまくなるように教えるというより、より高度な日本語や日本語の歴史的な部分について教えます。

日本語教師の場合

日本語教師は、日本語が母語ではない外国人に日本語の使い方や意味を教えます。

日本語を全く話せない状態から短期間で習得させなければならないため、教える時にも効率さを重視した教え方をしています。

教える場所は様々ですが、多くは国内外の日本語学校という語学学校で教えています。

また、学校だけでなく企業で働く外国人に研修で日本語を教えたり、フリーランスで自分で顧客となる学生を見つけ、プライベートレッスンをしたりしている日本語教師もいます。

そして、語学学校で学ぶ人たちも、日本の大学や大学院に進学したい学生や日本で就職したい社会人、日本のアニメや漫画が好きでただただ日本語が話せるようになりたい人など、様々なバックグラウンドや目的を持つ人々です。

このように、教える対象が全く異なります。そのため教える内容も多く異なります。

【日本語を教える仕事?日本語教師とは】②教える内容の違い

国語教師の場合

国語教師は先ほども述べたように、日本語がわかる日本人に教える仕事です。

小学生はまだ、日本語がうまく使えないので、最初はひらがなの書き方や漢字の読み方から教えます。

中学生以上は当たり前に使える日本語をより高度なものにするために、難しい漢字や語彙、表現、そして現在使われている日本語だけでなく、現在は使われていない古文漢文も教えます。

ほかにも、文章を読み取り筆者が何を言いたいのかを考える読解力などを鍛えるための授業を行います。

日本人の皆さんは日本語を教えるというとこの自分が体験してきた国語の学習、つまり現代文のようなものをイメージする人が多いようですね。

また、小中高の教師は基本的には国が定めた学習指導要領に沿って授業を行うため、統一の教科書で学年によって学ぶところが決められています。

日常生活で使うというよりも中学受験、高校受験のための科目として見られることが多く、生徒側もあまり実用的な学びとして意識していないことが多いです。

日本語教師の場合

日本語教師は外国人に日本語を教える仕事なので、いかに効率良く言語習得を促すかというところがポイントとなっています。

日本語学校などでは日本人が小学校6年間で学ぶ日本語を1年間程度に詰め込み授業を行っているため、文法も単語もわかりやすく教える必要があります。

こういうと日本での日本語で英語を学ぶ、英語教育のようなものをイメージする人も多いと思いますが、多くの日本語教師は日本語を使って日本語を教えています

これは中高の教育とは異なり語学学校には日本語を学びたいという学生が様々な国からやってきます。

学生の共通言語が同じ場合(例えば、アメリカの日本語学校で教えていて全ての学生の母語が英語)、学生の母語を用いて教えることもできますが、国内の日本語学校の場合はレベルごとで学生を分けるため母語が異なることの方が多く、その場合は学生の共通学習言語である日本語で教えます。

内容も文法、発音、会話、聴解、読解と5つの技能に分かれていて、日本語の言語習得を効率的にできるよう工夫されています。

それぞれ教科書も異なり、どの教科書を使うかは各学校でことなります。

ただ、初級の場合は国内外を通して「みんなの日本語」という教科書が使われる場合が多いです。

また、企業で研修として日本語を教える場合はより実践的で詰め込んだ内容です。

簡単なものから教えるというより必要なものから教えていくため、最初から敬語やビジネスの日本語も教えます。

プライベートレッスンの場合は、その人一人一人の目的や要望に合わせて教えるため、内容は本当に様々です。

教材もアニメだったり教師の自作の教材を使うこともあります。

このように日本語教師と一口に言っても教えている内容は教えている学生や教えている場所によっても大きく変化します。

【日本語を教える仕事?日本語教師とは】③資格の取得方法の違い(働くまでに必要なこと)

国語教師の場合

国語教師は、みなさんご存知の通り教員免許が必要ですので、大学等で教員免許を取得しなければなりません。

これは大学の専攻等によって所得できるものが変わります。

国語の教員免許だと、古典や現代文、言語学について学ぶ文学部などが取得できることが多いです。

また、国公立の学校に勤務したい場合、その都道府県が実施している教員採用試験に合格しなければなりません。

教職採用試験の内容は自治体ごとに異なりますが、1次試験と2次試験とに分けて行われるのが一般的で、「筆記試験」「論文試験」「面接試験」「実技試験」「適性検査」などで構成されています。

倍率は都道府県等の自治体や教科等によって大きく異なるため一概には言えませんが、決して簡単な試験ではありません。

私学の教員であれば、この教員採用試験を受ける必要はありませんが、その私学の筆記試験と面接試験を受けます。

その試験に合格して初めて晴れて国語教師として働くことができます。

しかし、合格しても必ず正規の教員になれるわけではなく、場合によっては教員のポストがあくまで、非常勤として働かなければならないこともあります。

 

日本語教師の場合

では日本語教師はというと、日本語教師は現在、特別な資格がある訳ではありません

公認日本語教師という国家資格の創設が検討されていますが、まだ実現まではもう少し時間がかかりそうです。

日本語教師の国家資格化についてはこちら

【2020年最新版】日本語教師の資格が国家資格になるって本当?

そのため、現在は日本語教師ガイドラインという日本語教師として働くために必要な条件が定められています。

国内の告示校(出入国在留管理庁が定めた「日本語教育機関の告示基準」を満たした日本語学校)で働く場合は、以下の条件のいずれかを満たしていなければ応募できません。

1)修士の資格を持ち文化庁指定の日本語教師養成420時間講座を修了している

2)日本語教育能力検定試験に合格している

3)大学で日本語教育を主専攻または副専攻を修了

⑶の大学の主専攻で学ぶ場合、国語教師のように文学部のような学部に所属していないと難しいですが、副専攻は他の言語を専攻している学生や社会学部や経済学部のような全く異なる学部を専攻していても取得可能です。

2)日本語教育能力検定試験は、難易度は高いですが、特に受験資格が求められるものではないので、誰でも受けることが可能です。

⑴の養成講座は、社会人になってから受講する人も多く、中には定年退職した人が新たに資格取得を目指し、第二の仕事として日本語教師の仕事を選ぶ人もいます。

また、国語教員として働いていた人が中高の学校を退職後、日本語教師として働き始めることもあるようです。

 

しかし、先ほども述べたように、日本語教師と国語教師の教え方や教える目的は必ずしも一致しませんので、国語教師だから日本語教師もできるとは言えません。

日本語学校で働く場合、各学校で採用面接を受け、模擬授業等を行います。

採用が決定したとしても、最初は専任や常勤ではなく、非常勤スタートの学校も多いです。

採用条件や募集の雇用形態が異なりますので、自分にあった働き方が可能です。

 

【日本語を教える仕事?日本語教師とは】まとめ

以上、日本語教師と国語教師の違いについてまとめるとこのようになります。

日本語教師 国語教師
教える対象 日本語が母語ではない。外国人(年齢関係ない) 日本語が母語の日本人(主に中高生)
教える内容 各学生のレベルに合ったもの。学校指定の教科書を用いて教える。 各学年の学習指導要領に沿ったもの。
資格取得方法・働き始めるまで 日本語教師ガイドラインを満たす。各学校の面接を受け模擬授業を行う。 教員免許を取得。自治体の教員採用試験及び、私学の採用試験に合格する。

 

同じ日本語を教える仕事として、日本語教師と国語教師はよく混合されやすいですがこうしてみるとかなり大きな違いがあることがわかりますね。

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関西在住の現役日本語教師。日本語教育主専攻卒。新卒非常勤2年目。 若手日本語教師の目線で様々なことを発信中! 日本語情報バンクのライター