日本語の教材って? 教科書選びのポイントやオンラインでも使える教材について紹介!

皆さんは日本語教育の教材について知っていますか?

この記事は、

  • 日本語を教えることになったけど何を使って教えたらいいのかわからない人
  • 日本語教師で教材の使い方に悩んでいる人
  • 日本語教師を目指している人

におすすめです!

皆さんは、教材と聞いて何を思い浮かべますか?

日本語を教えるときにどんな教材を使いますか?

今回は日本語教育で使う教材について、教科書から補助的な使い方をする教材までご紹介します。

明日の授業からでも使える実用性のある教材や、教材の選び方についてもご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください!

日本語教育で使う教材とは?

日本語教育での教材とは、日本語を勉強する外国人学習が授業や勉強で使う材料のことです。

代表的なものは教科書ですが、教科書以外にも様々なものがあります。

以下では、日本語教育で使う教材について紹介します。

【日本語教育で使う教材の種類】①教科書

まずは教科書です。

主に日本で使われている日本語の教科書は、外国語での解説はなく日本語だけで説明してあるものが多いです。

一見どれも同じ日本語の教科書のように見えますが、すべての教科書が同じ構成というわけではありません。

教科書の構成はシラバスによって異なります。

日本語の教科書シラバス

日本語の教科書でいうシラバスとは、学習項目の一覧のことです。

大学などでは、シラバスは学習目標や授業内容・評価方法などの授業計画を表すことが多いですが、言語教育でのシラバスは、学生に何を教えるかという学習項目を表すことが多いようです。

日本語の教科書はこのシラバスに沿って作られており、シラバスによって教科書の形態や授業のあり方などが変わっていきます。

以下ではシラバスについて簡単に説明します!

 

構造シラバス:教えるべき項目を文型で提示したシラバスです。

易しいものから難しいものへと体系的に教育を行うことができるので、多くのテキストで採用されています。

日本語学校等でも多く使われている「みんなの日本語」がこのシラバスです。

みんなの日本語の第1課では、以下のような文型が提示されています。

みんなの日本語

〜は〜です。

〜は〜じゃありません。

〜は〜ですか。

〜は〜の〜です。(所属)

〜も〜です。

〜は〜歳です。

みんなの日本語初級

【みんなの日本語 第26課〜第50課】日本語教師の教案【文型まとめ】

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【みんなの日本語1課〜25課】日本語教師の教案【文型まとめ】

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このように文型が中心となっているシラバスのことを言います。

 

場面シラバス:学習者コミュニケーションをする必要がある「場面」を集めて作成したシラバスです。

「はじめよう日本語初級1」が場面シラバスになっています。

目次を見てみると、

自己紹介/学校のこと/生活の話/友だちをさそう/わたしの国と日本/思い出/買い物/パーティー/わたしの今としょうらい/旅行〔ほか〕

のように、学習者が出会うであろう「場面」を中心として、それに関連しゅるフレーズや文を紹介しています。

 

話題シラバス:学習者の学習目的になっている話題を集めて編成したシラバスです。具体的な項目として、日本の社会、文化、政治といった話題が並んでいます。話題を進める上で関連する語彙や文型を提示します。

「J.Bridge for Beginners vol.2」がこのシラバスです。

以下のようなTopicsがあり、Topicsに合わせてStep123と変化していきます。

J.Bridge for Beginners vol.2 Topics Step1

Topics:感謝 あれから1年

Topics:ラブストーリー 出会い

Topics:科学 楽しい科学実験

Topics:ふるさと 本田さん、ふるさとに帰る

Topics:日本の歴史 古代の文化

Topics:卒業研究 研究計画

Topics:私の生きる道 職業の選択

 

技能シラバス:言語の4技能(話す・聞く・書く・読む)の中でいずれかの技能を取り上げ、その技能の具体的な使用目標を集めて編成したシラバスです。

 

機能シラバス:言語コミュニケーションではたす機能(function)を集めて編成したシラバスです。

その技能の具体的な項目としては「依頼」「命令」「感謝」「禁止」などがあり、それぞれの働きをする表現を教えます。

 

概念シラバス:構造のような言語の形式ではなく、言語の概念を教授項目にするシラバスです。

よく機能シラバスとセットで概念・機能シラバスと言われます。

 

タスクシラバス:何かしらを成し遂げるために必要な課題を集めて編成したシラバスです。日本語を使って学習者は何を達成するかという観点で学習項目が配列されています。

「まるごと・日本のことばと文化 (入門A1)かつどう」がこのシラバスです。

まるごと 日本のことばと文化 初級1 A2 りかい

【日本語教育で使う教材の種類】②補助教材

教科書は授業のメインとなる教材ですが、さきほどのシラバスを見ていてお分かりいただけたように全てを網羅することはできません。

そのため、教科書だけでは補いきれない部分を補うために、補助教材があります。

公式が出している絵カード

先ほど説明した文型シラバスの場合では、教科書が文型がメインなのであまりイラストもなくわかりにくいものが多いです。

そんな時に役に立つのが、絵カードです!

例えば「みんなの日本語」には補助教材として「絵教材CD–ROMブック」があります。

絵カードを使えば、語彙の導入や文型・文法の説明もやりやすくなるので大変便利ですよね!

これ以外にも教科書「げんき」には、「げんきな絵カード」、「できる日本語教え方ガイド&イラストデータCD–ROM」というものもあります。

自作の絵カード

また、自分でイラストを描かれたり、PPTを使ってオリジナルの絵カードを自作している方もいらっしゃいますね!

ただし、教材を自作する場合は【著作権】に気をつけなければならないので注意しましょう!

PPTで絵カードを作る時は、著作権フリーの「いらすとや」さんや、「イラストAC」さん、など、フリー画像を扱っているサイトのイラストを使うのがおすすめです!

日本語学校等の教育機関で使う場合は、既存の創作物に関しても使用可能なものがありますが、学生が持っていない教科書のイラストや問題集の問題をコピーして学生に配布するのはNGなので気をつけましょう!

【日本語教育で使う教材の種類】③生教材

他には、生教材と呼ばれる実際に現実社会で日本人が見たり聞いたりしているものを教材と使う場合もあります。

生教材は技能ごとによって使い分けたり、総合的に使ったりすることができます。

例えば、生教材として新聞を使う場合、読解用の教材として使うこともできます。

総合的に使う場合、まずは読解、次にクラスでそのニュースについての意見交換・グループで話し合い、最後はそのニュースについて自分の意見を作文で提出させるということができますよね。

こうすると、読む・話す・書くの3技能を新聞という教材を使って鍛えることができます。

また、内容もリアルタイムに近いことを選べば、教科書の世界だけではない、よりリアルな日本について学生に考えさせることができます。

「生教材」としては、新聞の他にもパンフレット・ちらし・ラジオ・ドラマなど様々なものがあります。

教科書ばかりで飽きてきた頃に使うと効果抜群です。

ですが、「生教材」は使用用途や目的をよく考えて選ばないと予想外の問題が起きたり、うまく授業に活かせなかったりするので注意しましょう。

【日本語教育で使う教材の種類】④ICT・デジタル教材

最後にオンラインで使える日本語教育のICT・デジタル教材についてご紹介します!

オンラインの場合、ICT教材を活用するというのが一番のポイントです!

従来の教室での授業と同じように、絵カードを見せたりホワイトボードに多くの文字を記入すると、学生にとっては見にくかったり読めなかったりします。

そのため、PPTで絵カードを作ったり、オンライン用のスライドを準備することをお勧めします。

Jamboardについて

オンラインだと、学生に動きを見せるのが難しいという場合、グーグルのJamboardというシステムが便利です!

学生とリンクを共有すれば、学生も教員が見ているものと同じものを動かすことができるようになります。(こちらについては学生にも事前の説明が必要なので、少し準備が大変ですが…)

以下の写真は「あります」の導入の際に使用しましたが、学生に椅子や本などを動かしてもらって「あります」の文を作ってもらいました。

これを使うと、教室のように学生に教員が見ているものと同じものを、オンラインでも動かしてもらうことができます!

日本語教育で使う教材の選び方

そして、教材を選ぶ際に最も重要なのは、学生のレベルと学習目的にあったものを選ぶことです。

教科書は主に初級向け・中級向け・上級向けの教科書があり、物によっては初中級、中上級といったレベル分けが曖昧なものもあります。

日本語学校に勤めている非常勤の先生などの場合、すでに各レベルで決められた教科書があることが多いです。

しかし、専任やレベル担当になると、よりよい教科書はないか他の教科書を見て教材研究を行い、新たに教科書を選定することもあります。

また、プライベートレッスンでは教師が学生に合わせたレベルの教科書を選ぶ場合もありますから、どんな先生でも、ある程度教科書選定に関わる知識は必要です。

学生の目標やレベルなどからシラバスデザインを行い、教材を考えられるよう準備しておきましょう!

まとめ

  • 日本語の教材とは、外国人学習が日本語の勉強で使う材料の事だ
  • 日本語の教材には、教科書・補助教材・生教材・デジタル教材など様々なものがある
  • 学生に合わせた教材選びは非常に大切だ

 

このように一口に教材と言っても様々であり、教科書だけではありません!

また、各教材についてしっかり分析していないと授業でうまく使いこなせないことがあります!

日本語を教えるという際は、どんな教材を使うのか、教科書以外にもどんな教材が学生に合っているのがをよく考察して選ぶようにしましょう!

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すーみん

すーみん

関西在住の現役日本語教師。日本語教育主専攻卒の新卒非常勤。日本語学校、中・高等学校、企業向けセミナー、オンラインレッスンなど、経験値を上げるため様々な場所で修行中… 若手日本語教師の目線で様々なことを発信します! 日本語情報バンクのライター