「外国人はどんなプロセスで、どんな風に日本語を勉強するの?」
「日本語を外国人に教えることになったけど、何から教えていいか分からない!」
このようなギモンやお悩みをもっている方はいませんか?
こちらの記事では、現役日本語教師が「外国人がどのようなプロセスで日本語を勉強するのか」について、5つのステップに分けてご紹介します!
もちろん学習者一人ひとりの学び方や、誰が教えるかによって、勉強する順序は変わってきますが、参考にぜひご一読いただければと思います。
目次
【外国人が日本語を学ぶプロセス①】文字と発音
日本語の表記は3種類「ひらがな・カタカナ・漢字」がありますが、まずは「ひらがな」と「カタカナ」から学習します。
はじめは「漢字」は習わず、ある程度学習が進んでから学びはじめることが多いです。
英語はアルファベットから、韓国語はハングルからといったように、「まずは表記から始める」という点は、すべての言語に共通していることではないでしょうか◎
「ひらがな」と「カタカナ」を学ぶ際には、文字だけではなく発音も同時に学びます。
ひらがなの読み方はもちろん、日本語ならではの「長音」や「拗音」の存在についても触れます。
【外国人が日本語を学ぶプロセス②】文法
ひらがな・カタカナの学習がおわったら、次は簡単な文法について学びます。
自己紹介で使えるような、簡単な文型からはじめます。
:わたしは、マイクです。わたしは、ちゅうごくじんです。これは、本です。
:わたしは、アメリカ人じゃありません。あれは、わたしの靴じゃありません。
:ビルさんは、教師ですか。それは、キムさんの携帯ですか。
上記のような文型を学ぶと同時に、「こんにちは」「はじめまして」などの挨拶も勉強します。
【外国人が日本語を学ぶプロセス③】数字・時間・曜日
簡単な自己紹介ができるくらいのレベルになったら、つぎは「数字・時間・曜日」を覚えます。
特に「時間」を表す日本語については、「覚えるのが難しい」とよく言われています。
その理由は、数字と時間で読み方が異なるあものがあるからです。
たとえば、以下のような例があります。
【外国人が日本語を学ぶプロセス④】形容詞
つぎに、「美しい」「きれいだ」「おいしい」といった形容詞を勉強します。
外国人が日本語を学ぶ際、「形容詞には、2つの種類『い形容詞』と『な形容詞』がある」というように習います。
「い形容詞」は、名詞の前につくときに「い」で終わる形容詞。
(美味しいご飯、寒い日、おもしろい人)
「な形容詞」は、名詞の前につくときに「な」で終わる形容詞。
(きれいな街、穏やかな時間、静かな場所)
なぜこのように分類されるのかというと、「い形容詞」か「な形容詞」かによって、活用が異なるからです。
い形容詞 | な形容詞 |
否定形:〜くない (例:おいしくない) |
否定形:〜じゃない (例:しずかじゃない) |
過去形:〜かった (例:おいしかった) |
過去形:〜だった (例:しずかだった) |
【外国人が日本語を学ぶプロセス⑤】動詞の活用
つづいては、動詞の活用についてです。
動詞の形には、「行く」「行きます」「行った」といったようにさまざまな形がありますが、扱うテキストにもよりますが、一般的に「行きます」という「ます形」と呼ばれる形から勉強します。
そしては、外国人の学習者は、まず最初に「動詞には大きく3つのグループがある」ことを学びます。
グループによって否定形や過去形などの活用の仕方が変わってくるため、まず動詞の分類について習う必要があります。
:「〜ない」という形にしたときに、「ない」の直前が「あ段」になる動詞。
例:話す(話さない)、行く(行かない)、書く(書かない)
:「〜ない」という形にしたときに、「ない」の直前が「い段/え段」になる動詞。
例:見る(見ない)、寝る(寝ない)、食べる(食べない)
:「来る」と「する」の2つの動詞。
日本語ネイティヴなら、「〜ない」という形にしたときに、その動詞がどのような形になるかが判断できますが、外国人学習者は、もちろん分かりません。
そのため、外国人学習者が「どの動詞がどのグループに属するかどうか」は、以下のように学びます。
(※教え方はさまざまですが、一例はこちらです)
「い段」「え段」と言われても、瞬時に判断できないため、 50音図を見ながら、い段なのか、え段なのかを確認していきます。
(例:行きます、書きます、作ります)
(例:食べます、寝ます)※例外あり「見ます」「起きます」など
動詞のグループ分けについて勉強したら、つぎは、さまざまな活用形を覚えていきます。
Iグループ | IIグループ | Ⅲグループ | |
ます形 | 行きます、書きます 使います、作ります |
見ます、寝ます 読みます、 |
来ます、します |
辞書形 |
行く、書く 使う、作る |
見る、寝る 読む |
来る、する |
ない形 | 行かない、書かない 使わない、作らない |
見ない、寝ない 読まない |
来ない、しない |
た形 | 行った、書いた 使った、作った |
見た、寝た 読んだ |
来た、した |
て形 | 行って、書いて 使って、作って |
見て、寝て 読んで |
来て、して |
さらに、動詞を学んでいく過程で、さまざまな助詞の使い方についても勉強します。
【外国人が日本語を学ぶプロセス】まとめ
いかがでしたか?外国人が日本語を勉強するプロセスについて解説しました!
わたしたち日本語ネイティヴは、文法のルールについて何も考えることなく、日々思うままに日本語を話したり書いたりしています。
こちらの記事を通して、日本語を勉強する外国人学習者が、動詞のグループ分けや活用の仕方など、どのように日本語を理解していくのかについて、少しは分かっていただけたのではないでしょうか!
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日本語教師キャリア マガジン編集部
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