日本語教育能力検定試験の勉強をしていると「フィードバック」が登場します。
明示的・暗示的フィードバックの違いは?
どうしよう….なかなか覚えられない….
このように感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
本記事は「フィードバック」についてどこよりもわかりやすく解説。
日本語教育能力検定試験を受験予定の方は、ぜひ最後までお読みください。
本メディア日本語教師キャリア マガジンを運営している「日本語教師キャリア」は20,000名以上の日本語教師が登録している業界最大規模の求人情報サービスです。非公開求人や企業求人など、一般には出回らないレアな求人も多数掲載しております。
フィードバックを理解しよう
日本語教育能力検定試験の出題範囲において、フィードバックは「言語と心理」の「習得過程(第一言語・第二言語)」に該当します。
| 区分 | 主要項目 |
| 社会・文化・地域 | 世界と日本の社会と文化/日本の在留外国人施策/多文化共生(地域社会における共生)/日本語教育史/言語政策/日本語の試験/世界と日本の日本語教育事情 |
| 言語と社会 | 社会言語学/言語政策と「ことば」/コミュニケーションストラテジー/待遇・敬意表現/言語・非言語行動/多文化・多言語主義 |
| 言語と心理 | 談話理解/言語学習/習得過程(第一言語・第二言語)/学習ストラテジー/異文化受容・適応/日本語の学習・教育の情意的側面 |
| 言語と教育 | 日本語教師の資質・能力/日本語教育プログラムの理解と実践/教室・言語環境の設定/コースデザイン/教授法/教材分析・作成・開発/評価法/授業計画/教育実習/中間言語分析/授業分析・自己点検能力/目的・対象別日本語教育法/異文化間教育/異文化コミュニケーション/コミュニケーション教育/日本語教育とICT/著作権 |
| 言語 | 一般言語学/対照言語学/日本語教育のための日本語分析/日本語教育のための音韻・音声体系/日本語教育のための文字と表記/日本語教育のための形態・語彙体系/日本語教育のための文法体系/日本語教育のための意味体系/日本語教育のための語用論的規範/受容・理解能力/言語運用能力/社会文化能力/対人関係能力/異文化調整能力 |
「フィードバック」は、学習者の発話に対し、それが合っているのか、それとも間違っているのかを学習者に伝えることを指します。
学習者の発言が合っている時に使うのが「肯定的フィードバック」、学習者の発言が間違っている時に使うのが「否定的フィードバック」です。
フィードバックは単に学習者の発話の正誤を伝えるだけに留まらず、学習者自身のモチベーション、その学習者のフィードバックを見ている他の学習者にも影響を与えます。
教室内における学習者へのフィードバックは教師が行うことが多いと思いますが、教師がフィードバックを行う際は、文型、語彙、話すスピードをコントロールするなど、学習者視点に立ったティーチャートークを心がけるとよいでしょう。
フィードバックを分類しよう
フィードバックには、肯定的フィードバック、否定的フィードバックがあることをお話しました。
肯定的フィードバックには「いいですね」「上手ですね」などのように学習者の発言を褒めたり、「そうです」「その通りです」などのように学習者の発言が正しいことを伝えたりします。
否定的フィードバックは、学習者の発言に対し間違いを直接的に伝えるフィードバック、間違いを遠回しで伝えるフィードバックがあります。
明示的フィードバック
「明示的フィードバック」は、学習者の発言の間違いを直接的に訂正する方法です。
学習者が間違っていることを直接的に伝えるので「直接訂正」「明示的訂正」とも呼ばれます。
| 【明示的フィードバック(直接訂正、明示的訂正)の例】 学習者:「このTシャツは高いないです。」 教師:「違います。 “このTシャツは高くないです” と言います。」 学習者:「はい、このTシャツは高くないです。」 |
この例では教師が「違います。 “このTシャツは高くないです” と言います。」というように、学習者の発言の間違いを示すかたちで明示的フィードバックを行っています。
ゆえに、明示的フィードバックには、学習者が発言の間違いにすぐに気づける、学習者がすぐに気づけるので間違いを修正しやすいというメリットがあります。
暗示的フィードバック(リキャスト)
「暗示的フィードバック」は、学習者の発言の間違いを正しい文にして訂正する方法です。
英語の “recast” には「文章などを作り直す」という意味があり、学習者の発言の間違いを正しい文にして言い直すことから、暗示的フィードバックは「リキャスト」とも呼ばれています。
| 【暗示的フィードバック(リキャスト)の例】 学習者:「きのうかったTシャツはやすいかったです。」 教師:「そうですか。 “きのうかったTシャツはやすかった” んですね。」 |
この例では、学習者の「やすいかった」に対し教師が「そうですか。 “きのうかったTシャツはやすかった” んですね。」というように、正しい文に訂正し暗示的フィードバックを行っています。
暗示的フィードバックは、明示的フィードバックのように間違いをピンポイントで指摘されるわけではないので、学習者によっては自分の間違いにすぐに気づける人もいれば、訂正されたこと自体になかなか気づけない人もいます。
明示的フィードバックも、暗示的フィードバックも、教師が正答を提示してくれるという点では共通しています。
次に紹介するのは、教師が正答を提示しないフィードバックの例です。
プロンプト
「プロンプト」は、正答を提示せず、学習者自身に発言の間違いを気づかせ修正を促す方法です。
英語の “prompt” は「行動などを促す」という意味で、プロンプトには、誘導、繰り返し、明確化要求などがあります。
誘導
「誘導」は、学習者の発言を途中まで言うことで修正を促す方法です。
| 【プロンプト「誘導」の例】 学習者:「きのうかったTシャツはやすいかったです。」 教師:「きのうかったTシャツはやす…. ?」 学習者:「あ、やすかったです。」 |
この例では、教師が「きのうかったTシャツはやす…. ?」というように、学習者の発言で間違っている部分を途中まで言うことで学習者に修正を促しています。
繰り返し
「繰り返し」は、学習者の発言を全文言うことで修正を促す方法です。
| 【プロンプト「繰り返し」の例】 学習者:「きのうかったTシャツはやすいかったです。」 教師:「きのうかったTシャツはやすいかったです?」 学習者:「あ、やすかったです。」 |
この例では、教師が「きのうかったTシャツはやすいかったです?」というように、学習者の発言を全て繰り返し、上がり口調の疑問形で伝えるかたちで学習者に修正を促しています。
明確化要求
「明確化要求」は、学習者の発言を聞き返すことで修正を促す方法です。
| 【プロンプト「明確化要求」の例】 学習者:「きのうかったTシャツはやすいかったです。」 教師:「えっ?もう一度言ってください。」 「ん?何ですか?」 学習者:「あ、きのうかったTシャツはやすかったです。」 |
この例では、教師が「えっ?もう一度言ってください。」「ん?何ですか?」というように、学習者に発言を言い直すよう修正を促しています。明確化要求は、誘導や繰り返しよりも一段階上のフィードバックです。
まとめ
本記事は「フィードバック」について解説してきました。
内容をまとめると….
- 「フィードバック」:学習者の発話に対し、それが合っているのか間違っているのかを学習者に伝えること。肯定的フィードバック、否定的フィードバックがある
- 「明示的フィードバック」:学習者の発言の間違いを直接的に訂正する方法。直接訂正、明示的訂正とも呼ばれる
- 「暗示的フィードバック」:学習者の発言の間違いを正しい文にして訂正する方法。リキャストとも呼ばれる
- 「プロンプト」:正答を提示せず、学習者自身に発言の間違いを気づかせ修正を促す方法。誘導、繰り返し、明確化要求などがある
池田早織
運営情報最新記事 by 池田早織 (全て見る)
- ブラジルで日本語教師を目指す方必見!求人探しや資格を解説 - 2024/5/16
- オーストラリアで日本語教師を目指す方必見!求人探しや資格を解説 - 2024/5/16
- アメリカで日本語教師を目指す方必見!求人探しや資格を解説 - 2024/5/16

-150x150.jpg)




-34-486x290.png)

