日本と外国の学校教育の違いは?欧米・アジア諸国との教育制度を比較

日本と外国の学校教育の違い

教育に携わっていたり、海外文化に触れる機会が多いという場合に、ふと「日本と外国の学校教育にはどのような違いがあるの?」といった疑問を持つ方もいるでしょう。

学校教育のあり方や教育制度は、国によって実にさまざまな違いがあります。

そこで今回は、日本の学校教育の特徴欧米・アジア諸国との教育制度の違いを解説します。

また、世界から日本の教育はどのように見られているのか?についても最後にお話しします。

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日本の学校教育の特徴

日本の学校教育の特徴

まずは、日本の学校教育の特徴を6つご紹介します。

義務教育は中学校(15歳)まで

日本は小学校6年間、中学校3年間の合計9年間が義務教育になっており、義務教育の授業料はすべて無償です。

高校に関しては、2010年度の「高等学校等就学支援金制度」によって、公立高校の授業料を無償化、私立高校の授業料を軽減する制度がはじまっています。

両親の所得額など一定の条件をクリアすれば、利用できる制度となっています。

 

全員が同じレベルを目指す

日本の学校教育の方針として、全員が同じレベルを目指すような仕組みになっているのが特徴。

一人ひとりの個性や得意を伸ばすのではなく、各教科においてペーパーテストを実施し、主にテストの点数によって成績がつけられます。

各教科をまんべんなく伸ばしていこうとする教育のため、「赤点をとると追試試験がある」という点にも、その特徴がよく表れていますね。

 

団体行動が多い

クラス分けによって所属する教室が決められていたり、運動会や文化際などの行事を通して、みんなで力を合わせて何かを成し遂げるといったように、団体行動が多く協調性を育むことを重視した教育も大きな特徴のひとつ。

外国人からは「日本人は協調性がある」「人と違う行動はせず、周りに合わせる」などといったイメージを持たれることが多いのですが、日本人の特性の背景には、こういった学校教育の特徴が関係しているのかもしれません。

 

部活動がある

学校の中で部活動があり、全員が何かしらの部活動に所属しなければならないといった風潮があるのも、日本ならではの特徴です。

海外では”部活動”といった概念はなく、学校外で個人的にサッカーチームに所属したり、ダンスチームに入ったりなど、どちらかというと日本でいう「習い事」のようなシステムになっています。

日本では、部活動の指導をするのも学校教師の役割となっており、近年では教師の過酷な労働環境が問題になっていますね。

 

給食文化がある

海外では各家庭で昼食を持ってきたり、カフェテリアで食事を済ませることも多い一方で、日本には「給食文化」があるのが珍しいといわれることも。

文化庁の「学校給食摂取基準」があるなど、栄養バランスが考えられた内容になっていることや、給食当番があったり自分たちで後片付けをするといった点が、海外から高く評価されています。

 

教室を自分たちで掃除する

「自分たちで使った教室を、自分たちで掃除する」といった文化も、日本の学校ならでは。

世界の多くの国々では、専門の清掃員に掃除を任せるといったことが一般的です。

一方で、子どもたちが自分で掃除する日本の文化は「責任感や自立心を育てることにつながるので、素晴らしい」と海外から称賛されることも。

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日本と外国の教育制度の違い

日本と外国の教育制度の違い

ここからは、日本と外国の教育制度の違いについて見ていきましょう!

アメリカ

アメリカの教育制度は、各州によって大きく異なるのが特徴の一つ。

アメリカでは、義務教育である幼稚園〜高校を「K-12」と呼んでいます。

義務教育期間は原則無料となっています。

Elementary school(小学校) 幼稚園(年長) 5〜6才
1年 6〜7才
2年 7〜8才
3年 8〜9才
4年 9〜10才
5年 10〜11才
Middle school(中学校) 6年 11〜12才
7年 12〜13才
8年 13〜14才
High school(高校) 9年 14〜15才
10年 15〜16才
11年 16〜17才
12年 17〜18才

アメリカの教育制度の特徴としては、飛び級が許されていることや、家庭で教育をおこなうホームスクーリングが認められているなど、より自由な学びの機会があるという点です。

また協調性を重視する日本とは異なり、一人ひとりの個性を伸ばしたり、自分の考えを発言する積極性をより大切にしているのがアメリカの教育。

 

ヨーロッパ(イギリス)

イギリスの義務教育は、5~16歳の11年となっています。

義務教育は、Primary schol(5〜11歳)とSecandary school(11〜16歳)の2段階に分かれており、16歳になるとGCSEという義務教育修了試験を受けます

これが、進学時の合否、就職の際の判断材料のひとつになっています。

イギリスでは、ホームスクーリングが認められており、大学が3年制・大学院が1年制であることも、日本とは異なる点。

 

ヨーロッパ(フィンランド)

「学習到達度に関する国際調査(PISA)」にて、度々上位にランクインするなど、「世界一の教育」とも言われているのが、フィンランド。

フィンランドの義務教育期間は日本と同じく、小学校6年間、中学校3年間ですが、現在は小学校〜中学校の9年間をまとめて「基礎教育学校」としています。

ヨーロッパではそこまで珍しくはありませんが、なんと義務教育~大学院まで授業料が無料です。

教員になるには修士が必要であるといった「教員の質の高さ」や、個々の可能性を効率よく最大限に伸ばす教育システムの在り方が、世界トップ水準といわれる背景に。

 

ヨーロッパ(オランダ)

オランダも、フィンランドと並び、世界トップクラスの学校教育といわれています。

義務教育は5歳から18歳までで、12歳までの初等教育(7~8年間)修了後は、中等教育から進路別に分かれるのが特徴。

初等教育修了後は、大学準備教育(6年間)、一般中等教育(5年間)、中等職業教育(4年間)のいずれかに進学します。

義務教育期間は、公立・私立ともに無償となっています。

中学校から職業訓練のカリキュラムを取り入れているなど、職業訓練にも力を入れていることや、子どもの特性を活かした教育が実施されているのが特徴です。

 

オーストラリア

オーストラリアは、アメリカのように州によって教育制度が少しずつ異なります。

義務教育は、5あるいは6歳から15歳までの10~11年間です。

クイーンズランド州を例にすると、義務教育期間は「幼稚園年長にあたるPrechool」が1年間、「小学校(Primary school)」が6年間、「中学校(Secondary school)」が4年間となっています。

2年間の「高校(Senior Secondary school)」を終えると、専門学校や大学、大学院へと進みます。

オーストラリアの大学は3年制、大学院は一般的に1年半で修了します。

オーストラリアの教育の特徴は、高等職業教育が充実していること。

日本では「職業教育」と聞くと専門学校が中心となりますが、オーストラリアでは専門学校のほかに、「TAFE」や私立の「VET」といった政府に認可されたコースのあるカレッジもあります。

 

アジア(中国)

中国は近年、「学習到達度に関する国際調査(PISA)」において全分野で1位を獲得するなど、高い教育制度が注目を集めています

中国の義務教育期間は、日本と同じく小学校6年間、中学校3年間の合計9年間となっています。

中国では「より良い大学へ行き、大企業に就職/公務員になる」といったルートを目指す人が多く、大学受験はかなり競争が激しいことで知られています。

大学受験の際には、「高考(ガオカオ)」と呼ばれる、日本の「大学入学共通テスト」のような試験があります。

 

アジア(韓国)

韓国は、世界的にも学歴社会であることが知られており、大学進学にあたっては、激しい受験戦争がくり広げられています。

義務教育は、初等学校から高等学校まで(6歳〜17歳)の合計12年間となっています。

教育課程は日本と同じく、小学校6年間、中学校3年間、高校3年間、大学4年間となっています。

そして、公立の小中高等学校の学費はすべて無償

”戦争”とも言われるほどの競争が激しい大学入試では、「修能(スヌン)」と呼ばれる日本の「大学入学共通テスト」と同じような入試試験があります。

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世界から見た日本の学校教育

最後に、世界から見た日本の学校教育について、良い点とマイナスな点をまとめました。

 

ポジティブな面

高く評価されているのは、学問の側面よりも生活面に関する教育の在り方

栄養バランスを考えられた給食の文化が、子どもたちの健康に良いと考えられていたり、給食の準備・後片付けと掃除をする習慣など、「自分たちのことは自分たちで責任を持って行動すること」や「礼儀やマナーを大切にすること」が教育されています。

また、運動会や合唱コンクールなど学校内での集団行動が多いことで、自然と協調性をもって社会で生きていく術を身につけられるような教育も、高く称賛されています。

 

ネガティブな面

マイナスなイメージを持たれているのは、多様性に対する配慮がされていなかったり、生活指導において厳しすぎるルールが存在していること。

たとえば、もともと髪の毛が茶色の学生が頭髪チェックで引っかかってしまったり、下着の色を指定されたりなど、多様性に対応しきれておらず、中にはセクハラ・パワハラとも批判される規則がいまだに存在しています

さらに、欧米諸国と比較すると、「性教育」に関してかなり遅れをとっている点も指摘されています。

 

日本と外国の学校教育の違い【まとめ】

こちらの記事では「日本と外国の学校教育の違い」をテーマに、日本の学校教育の特徴や、諸外国との教育制度の違いを解説しました。

全体の傾向としては、やはり欧米諸国とアジア諸国の各地域内では、国が違っても、比較的似ている教育制度が取り入れられていましたね。

教育の質でいうと、やはりヨーロッパの教育水準がかなり高い傾向にあることも分かりました。

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伊藤えり子

関東在住の現役日本語教師。日本語教育能力検定試験、日本語教師養成講座を保持。実際の指導はもちろんのことオンライン事業立ち上げや教材の開発、また一般企業で経験を活かした独自の視点で情報を発信中。日本語情報バンクのライター
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