日本語教師は国内外問わず仕事が出来るので、海外で働きたいと思っている人が多い職業です。
また日本語教師に転職して、海外に移住したいという人も増えてきています。
世界中に日本語教育が行われていますが中でもモンゴルでは日本語教育熱が上がってきていることに伴って、日本語学習者数も日本語教師数も増加の傾向にあります。
モンゴルというと日本では相撲の朝青龍選手のイメージが強いと思います。また大草原や自然が多い国ですね。
一方で詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
そんな知らないことが多いモンゴルは日本から近くて遠い国と言われることもあります。
本記事ではモンゴルの日本語教育事情はどうなっているのか、現地でのネイティブ日本語教師の役割、採用条件や待遇など、モンゴルで日本語教師になるために知っておきたい情報を紹介します。
目次
【モンゴルで日本語教師】モンゴルでの日本語教育事情
まずモンゴルの日本語教育事情についてまとめます。
国際交流基金による2018年度「海外日本語教育機関調査」結果によるとモンゴルは機関数が76(2015年)から128(2018年)で+52機関増えています(増加率は+68.4%)。
モンゴルで働く日本語教師の数はというと、253人(2015)から363人(2018)で+110人と機関数と同じく増えています。
モンゴルでは2007年10月にモンゴル日本センター主催の「日本語教育シンポジウム」が開催されてから、その後も2008年6月、2009年10月、2010年10月、2011年9月、2013年3月、2014年3月にモンゴル日本語教師会主催、モンゴル日本センター共催、国際交流基金等の後援による「日本語教育シンポジウム」が開催されました。
2015年からは国際交流基金が同シンポジウムを主催することとなり2016年3月も開催されました。
シンポジウムには毎回モンゴル全国から日本語教師が集まることから、日本語教師ネットワークの形成・拡充に大きく貢献しているようです。
【モンゴルで日本語教師】モンゴルでの日本語学習者
モンゴルの学習者数は、今回の速報で順位を1つ下げて23位になりましたが、9,924人(2015)から11,755人(2018)と+1,831人増えています。(増加率+18.6%)
学習者の内訳(2015年)は、中等教育機関が最も多く3,845人で、続いて初等教育機関が2,755人、高等教育機関(大学や大学院相当レベル)が2,738人となっています。
人口10万人あたりの学習者数でみると444人で、学習者数の多い東南アジアの国々よりも高い割合で学習者がいることがわかります。
(東南アジアの国々の人口10万人あたりの学習者数は200人前後)
モンゴルの日本語教育の特徴は様々な教育機関で広く日本語学習の機会が提供されていることだそうです。
例えば初等・中東教育から日本語教育が導入されているところがあったり、大学で日本語を主専攻で学ぶことができたりします。
これは近年の私立大学の減少と、大学入試の際の外国語の選択科目となっていた日本語が2005年から除外されたことが影響していたようです。
教師の専門性が指摘されることもあったようですが現在は特に大きな変化はなく、現状を維持しています。
【モンゴルで日本語教師】モンゴルでの日本語人気
言語学習はその国同士の関係に影響を受けることも多いです。
近くて遠い国と呼ばれる通り、モンゴルと日本はそれほど接点が多いわけではありません。
一番大きな出来事は「日清日露戦争の際に、日本がモンゴルに侵入したこと」です。(ノモンハン事件)
日本軍はモンゴルと親密な関係だったソ連軍に大敗することになりますが、侵略されたことから、モンゴルは日本に対し、憎悪や嫌悪感を抱くことになりました。
しかしその後のモンゴル経済の発展の援助などを通して、現在は歴史についても過去のことだと思っている人が多く、良好な関係が築けています。
モンゴル語には助詞や助動詞と同じような働きをする語があり、日本語と語順も近いため、モンゴル人にとって日本語は比較的学びやすい言語のようです。
外務省がモンゴル国立大学社会調査研究所にて行った対日世論調査では「好きな国」「行きたい国」「親しくすべき国」のすべてが高順位であり、「親しみを感じる」という回答が7割を超えるなど日本へのイメージはかなりいいです。
日本語の学習経験がある人は14.2%、学習経験のない人でも日本語学習意欲があると答えた人は57.5%であり、日本語に対する高い関心が示されていました。
このことから今後も日本語学習者の増加が続く可能性があるといえます。
【モンゴルで日本語教師】求人から見る教師事情
では実際にモンゴルの日本語教育機関で募集されている日本語教師にはどのような要件が求められているのでしょうか。
ネイティブ日本語教師の役割と応募条件
学習者が多い初等・中等教育機関においても日本語ネイティブ教師を採用している学校の割合は4分の1程度とのことです。
高等教育機関においては常勤講師を雇用できる大学は少数であり、モンゴル在留邦人を非常勤講師として活用するケースが多いようです。
日本語ネイティブ教師が担当する授業についてはネイティブ日本語教師が海外で求められる、会話(発音指導を含む)や作文、漢字、日本事情の授業などが多いようです。
現在、モンゴルでの日本語教師募集の求人は見つかりませんでしたが過去の求人を参考に考えてみようと思います。
モンゴルの日本語学校では大学卒の資格は必須ではないようです。
しかし、日本の告示校と同様に日本語教師養成講座420時間、もしくは日本語教育能力試験に合格しているということが求められるようです。
高等教育機関においては修士の資格、または大学で日本語教育を専攻したことが求められる場合が多いようです。
教授経験については未経験可の学校もあるので必須はないです。しかし経験によって変化すると書かれている募集もありました。
モンゴルでの日本語教師の待遇
モンゴルでは日本語学校でのネイティブ日本語教師の求人はあまり見つからなかったため、大学で教える場合を考えたいと思います。
モンゴル科学技術大学の専任募集のお仕事は週40時間の勤務で20万円から23万円とのことです。
モンゴル、ウランバトールの平均月収は4万円(80万MNT)なので、モンゴルで生活するには十分な金額であることがわかります。
他にも海外保険は自己負担なのか、住居の提供はあるか、航空運賃は出るかなどに注目してみてください。
【モンゴルで日本語教師】求人を探す
実際に日本語教師の求人を探す場合は
求人サイトに様々な募集が載っていますので、調べてみましょう。
大学関係の求人をお探しでしたら、日本語教育学会がオススメです。
また、こちらの「国際日本語研修協会」でも海外の日本語教師の求人について掲載されています。
そのほかにも、日本語教師の求人についてはこちらの記事にまとめていますので、ご覧ください。
日本語教師の求人サイトまとめ
また、求人サイトに載っている求人は色々ありますが時にはもう締め切りを過ぎているものや、すでに採用者が決まり受付を終了しているものが載っていることもありますので、注意してください。
せっかく見つけた求人も応募できなければ意味がありません。
求人サイトから学校HPを探して直接問い合わせるということもできますが一つ一つ求人サイトを確認して募集を調べるのはかなり面倒ですし、骨が折れる作業です。
そこでオススメなのが日本語教師キャリアに登録することです。
現在募集している求人で、登録者の皆様が興味のある求人を探すことができるよう、スタッフがサポートいたします。
日本語教師キャリアでは海外の求人もご紹介していますので、ぜひ登録してみてください。
【モンゴルで日本語教師】まとめ
モンゴルで日本語教師になるために必要な情報をまとめると
- モンゴルでは中等教育段階の学習者が一番多いが、ネイティブの日本語教師は少ない
- 求人の応募条件は、日本の告示校で募集している日本語教師ガイドラインとあまり変わらない
- 給与は大学勤務であれば、現地で十分暮らしていける給与がもらえる
- 日本語学校の求人は少なめ
近くて遠い国と言われていますがモンゴル語と日本語は文法的にも近い部分が多く、今後日本語教育の需要が高まっていくことも予想されます。
日本語教師キャリアでは皆さんが理想とする日本語教師としての働き方を一緒に探すお手伝いをしています。
気になった方はぜひ、日本語教師キャリアに登録しましょう!
参考
国際交流基金 HP https://www.jpf.go.jp/j/index.html
『海外の日本語教育の現状 2018年度日本語教育機関調査より』
https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/dl/survey2018/text.pdf
すーみん
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