外国人が葬儀を営む際の言葉や文化の壁、高額な費用負担を解消しようと、石川県加賀市のインド人、ラビンダー・シングさん(38)が葬儀支援に特化したNPO法人の立ち上げを計画している。手続きの代行や相談のほか、全国の外国人や外国人を雇用する企業などから寄付を募り、困窮者の代わりに葬儀費用を支払う仕組みを検討している。
「一人で来日し、お金がない外国人がいっぱいいる。友達が亡くなっても、葬儀さえできない」と話すシングさんは、病気や事故で亡くなった技能実習生たち、仲間を送り出す人たちを思い、有志で100人以上の葬儀を手伝ってきた。葬儀には火葬だけでもひつぎや搬送費用などで20万〜30万円かかる。宗教上の理由で、土葬を選ぶ人もいる。遺体を母国に搬送すれば、さらに数百万円かかる。「業者とのやりとりは大変。相場以上の支払いになることもある」とシングさんは指摘する。
国内では約290万人の外国人が暮らし、年間約7500人が亡くなっている。にもかかわらず、外国人の葬儀の問題に対応するNPO法人は全国にほとんどないという。新型コロナウイルス禍で困窮する外国人は増えており、シングさんは妻や県内外の友人らに呼び掛け、NPO法人の設立を決めた。自らのニックネーム「ハムザ」にちなんで「863(ハチロクサン)」と名付け、県に法人の認可を申請した。シングさんは「全国の外国人が月百円ずつ寄付してくれるだけで、貧しい外国人の葬儀代を出せる」と話す。企業や大学などにも寄付を呼び掛け、5月にも活動を始めたいという。
参照:中日新聞
The following two tabs change content below.
日本語教師キャリア マガジン編集部
運営情報日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。
最新記事 by 日本語教師キャリア マガジン編集部 (全て見る)
- 2024年度 日本語教師のためのオンライン採用合同説明会 - 2024/6/20
- 【教師研修】日本語教育の参照枠 × 鳥・虫・魚の目 – 新しいものの見方をインプットしよう!- / 7/20~8/3(土) 10:00~12:00 - 2024/6/10
- 【教師研修】「フリーランス日本語教師として働くための初めの一歩」研修 2024年6月18日~7月11日 - 2024/5/20