日本語教師についてTwitterやインターネットで調べてみると、「日本語教師はやめたほうがいい」「日本語教師は薄給でハードワーク」などマイナスワードが目立ちます。
しかし、それだけなのでしょうか。
私は、実際に日本語教師として働いていますが、この仕事は大変なだけではなく、それと同じくらい楽しさややりがいがたくさんあります。
最近では特定技能や技能実習などで日本に来る留学生が増えていることもあり、日本語教師になることを検討している方も多いと思います。
本記事ではそんな方達に向けて現役日本語教師の立場から見た日本語教師のやりがいについてお話します。

日本語教師のやりがいとは?
日本語教師の仕事のやりがいについては、学生との関わりと教師自身の変化から感じることができると思います。
そこで、以下では2つの方向から日本語教師としての喜びや楽しさについて紹介していこうと思います。
学生との関わり
まず、日本語教師として働くなら切っても切り離せない、学生の存在です。
日本に興味を持って、日本語を学びたいと思ってくれている学生と話していると、私たち日本語教師も、しっかり伝えたい日本語ができるようにしてあげたいと思います。
そんな学生との関わりの中でも特に喜びや嬉しさを感じる場面を紹介します。


学生の成長
学生の成長は何よりの喜びです。
片言でしか話せなかった学生たちが、漢字が読めるようになったり、教えた文法を使って話しかけてくれたりするととても成長を感じます。
また、自分の授業を一生懸命聞いてくれたり、授業後も残って勉強していたりする学生がいると、自分ももっと頑張らなくてはと思いますし、そんな学生が進路希望を叶えたときは、教師も自分のことのように嬉しくなります。
笑顔で報告しに来た学生に対して、教師の方が嬉しくて泣いてしまうなんてこともありました笑
教員は他の職業よりも、人の成長を感じることができる職業かもしれませんが、まったく日本語で話せなかった学生が、日本語で冗談を言ってくるなど、成長が目に見えてわかりやすいので、教師のモチベーションも維持されやすいと思います。
学生からの言葉
どんなに授業準備が大変でも、給料が高くなくても
学生からの
「先生の授業が大好きです」
「日本語を教えてくれてありがとうございます」
(これを聞いたとき「Vてくれる」がちゃんと使えている…!涙 と嬉しくなりました)
「もっと先生と勉強したいです」
という言葉を聞くと、大変だったことなど全部忘れるくらい嬉しくなります。
どんな仕事でもそうだと思いますが、自分のしたことが役に立った!喜んでもらえた!と目に見えてわかったとき、とてもやりがいを感じます。
日本語学校の学生は、感謝の言葉などを素直に伝えてくれる人も多いので、他の学校よりも、こう言った言葉を聞くことが多いのかもしれませんね。
このような特別な言葉でなくても、学生と会って話したり、声を聞いたりするだけで、元気が出てくるので、本当に学生の言葉は偉大です。
学校や教室を超えたつながり
何年も日本語教師をしていると、その分卒業生も増えていきます。
卒業後も連絡してくれる学生がいたり、「ここで働いているので、先生もぜひ来てください。」と言ってくれる学生がいたりすることも、日本語教師を続けられる一つの理由だと思います。
教室、そして学校を超えた学生とのつながりは、教師の人生にも関わってきますし、また、自分自身が学生の人生に関わる仕事をしているのだと感じられ、仕事へのやる気と責任感に繋がります。
学校以外では学生に会いたくない!という先生もいらっしゃるかもしれませんが、私は学生に誘われて休日に、学生がアルバイトをしているラーメン屋さんに食べに行った際、一生懸命働いている学生の姿を見て嬉しくなりましたし、笑顔で私のところに来て接客をしてくれたことに感動しました。
こんな経験も日本語教師のやりがいの一つだと思います。
教師の成長
学生の成長を感じられることも、もちろんやりがいに繋がりますが、教師自身が自らの成長を感じられるところも同じくやりがいに繋がると思います。


教師自身も学び続けられる
同じ内容の授業をするときでも、1度やった内容があまりウケなかったとき、教師は色々な原因を考えます。
例えば、レベルや学生の国籍、教室の空気感などです。
授業結果を踏まえて、次はどんな反応が返ってくるのか想像しながら授業案を考えます。
そして、考えた内容で学生が盛り上がってくれたら、自分の努力が認められたと感じますし、自分自身の授業がよくなっていることに気がつくと思います。
また、何度も教えていると、自分の教え方が前より学生に伝わるようになったり、よりよい例文で導入できたりするので、その度に教師自身も自分の成長を感じることができるのではないでしょうか。
教師として当たり前のことかもしれませんが、このように、教師も常に学びの環境にあり、自分自身の成長を感じることができることは、日本語教師として働く上でのやる気にも繋がると思います。
日々新たな発見や気づきがある
日本語学校の教室は常に、異文化間交流が行われている場所と言っても過言ではありません。
授業の中で、学生に言われて初めて気がつくこと、自分は今まで疑問に思っていなかったが、質問されて確かにそういう捉え方も出来る…!と感じることが多々有ります。
例えば、「どうして日本のタクシーは自動で扉が開きますか?」「日本人はなぜ『あいしてる』とあまり言わないのですか?」などなど
これらは私が実際に学生に質問されたことですが、確かに…!と気がついたことでした。
きっとベテランの先生になればなるほど、学生からこう言った質問にも慣れてくるのだとは思います。
しかし、それでも学生によって興味を持つポイントが違ったり、日本人の若者言葉についての質問をされたりもするようで、ベテランになっても新鮮な驚きの機会が多いことは、長く続けていても仕事を楽しむことができるポイントだと思います。
このようなことは、普通に日本で生活している日本人にとっては当たり前のことで、自分自身では中々気づけないことが多いです。
日本に留学に来ている学生にとっては、日本の生活や町、店、行動など、一歩外に出ると不思議なことでいっぱいです。
その不思議を教師も一緒に共有できることは、この仕事の醍醐味の一つではないでしょうか。
様々な働き方ができる
ここでは、仕事のやりがい+生きがいについてもお伝えしたいと思います。
日本語教師という仕事は本当に様々な働き方ができる仕事です。
国内国外問わず働けて、働き方も非常勤、専任があり、働く場所も、日本語学校から大学、企業やプライベートまで、様々な場所で働けます。
これは、つまり自分の理想の働き方を追求できるということです。
日本語教師はやめたほうがいい?と言われることもありますが(詳しくはこちらの記事)
うまく働き方を考えれば、自分の理想とする働き方、そして、やりがいと生きがいの両方を満たすことができる仕事だと思います。
【日本語教師のやりがい】まとめ
以上、現役日本語教師が、日本語教師の仕事のやりがいについて紹介しました。
まとめると日本語教師のやりがいは
- 学生の成長を見守りながら、教師自身も成長を感じられる
- 学生からの感謝の言葉や学校を超えた繋がりを持てる
- 教員の生活に刺激を与えてくれて、教師が理想とする働き方を追求できる
このようなことが挙げられると思います。
日本語教師を目指している皆さんは、今の勉強の先にはこんな楽しいことややりがいのある仕事が待っていると思って頑張って下さい。






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