・日本語教育能力検定試験の受験を考えている方
・受験するかは分からないけれど、まずはどんな試験か知りたい!という方
このような方に向けて、こちらの記事では「日本語教育能力検定試験」とはどのような試験なのか、また、試験の概要や受験準備についてまで”知りたい情報”を一挙に解説します!
目次
【日本語教育能力検定試験とは①】運営団体や試験目的・対象者について
日本語教育能力検定試験とは、「公益財団法人日本国際教育支援協会(JAPAN EDUCATIONAL EXCHANGES and SERVICES)」によって主催されている試験です。
この検定試験は1986年から開始し、国家資格や公的試験ではなく民間の試験となります。
公式HPの記載によると、本試験の目的は「日本語教員となるために学習している者、日本語教員として教育に携わっている者を対象として、日本語教育の実践につながる体系的な知識が基礎的な水準に達しているかどうか、状況に応じてそれらの知識を関連づけ多様な現場に対応する能力が基礎的な水準に達しているかどうかを検定すること」となっています。
試験の対象を「日本語教員となるために学習している者、日本語教員として教育に携わっている者」としているものの、受験資格に制限はなく、申し込めば誰でも受験できる試験となっています!
【日本語教育能力検定試験とは②】日程・試験会場・受験料・申込方法は?
試験日程は、年に一度、毎年10月に開催されています。
試験会場は、通年は「札幌・仙台・福島・東京・愛知・大阪・兵庫・広島・福岡」で、全国各地から受験することが可能です!
受験料は、10,800円(税込)となっています。※令和3年度から受験料が値上がりし、14,500円(税込)に変更になりました。
出願期間は、毎年6月下旬から8月下旬ごろで、令和3年の場合は7月5日(月)から 8月2日(月)までの予定です。
申込方法は、出願書類付きの「受験案内」(定価税込400円)を購入し、出願書類の提出と振込用紙での振込をし、申し込みをします。
この「受験案内」は、株式会社凡人社のHPにて販売されており、一部書店でも購入ができます!
合否結果通知は12月中旬に発送され、合格者には合格証書が送付されます。
【日本語教育能力検定試験とは③】試験構成・内容と出題形式
気になる試験内容についてですが、まず試験構成は以下の通りとなります!
試験は大きく3つのパートに分かれています。
パートごとの試験概要は、公式HPより参照しています。
試験Ⅰ(90分)配点100点
原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
試験Ⅱ(30分)配点40点
試験Ⅰで求められる「基礎的な知識」および試験Ⅲで求められる「基礎的な問題解決能力」について、音声を媒体とした出題形式で測定 する。
試験Ⅲ(120分)配点100点
原則として出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。
出題形式は、ほぼ全てがマーク形式で、試験Ⅲの最後の問題のみ記述式となっています。
この試験の特徴として、以下3点をおさえておきましょう!
・ほぼマークシート形式のため、知識が頭に入っていれば時間をかけずに解くことができる。
・聴解問題がある(音声を聞いて回答していく)。
・最後に個人の見解から意見を述べる「記述式」問題がある。
出題内容については、日本語・日本の社会や文化、歴史、日本語教育の歴史まで、非常に幅広い分野から出題されます。
詳しい出題範囲については、こちらの公式HP内で確認することができます!
過去の試験問題例なども閲覧できるようになっていますので、ぜひ見てみてください。
【日本語教育能力検定試験とは④】どんな人が受験する?
冒頭で、この検定試験は「日本語教員となるために学習している者、日本語教員として教育に携わっている者を対象」としていましたが、さらに具体的にみていくと、実際はどのような人たちが受験しているのでしょうか?
大きく分けて、この2つの目的で受験している人がいます。
目的パターン① 日本語教員となるために学習している者=試験合格をし、日本語教師を目指す人
現在、日本語教師になるために必ず必要となる試験はありません。
しかしながら、多くの場合で以下3つの条件のいずれかを満たしていることが求められます。
・大学で日本語教育の主専攻または副専攻として学び、修了する。
・ 学士の学位を有し、かつ、日本語教師養成講座420時間コースを受講し、修了する。
・日本語教育能力検定試験に合格する。
この3つの方法の中で、「検定に合格する方法で日本語教師になりたい」と考えている人がこの試験を受験するパターンが非常に多くいます!
目的パターン② 日本語教員として教育に携わっている人=すでに日本語教員として日本語教育関係に携わっているが、更に日本語教育の知識を深めたい人、日本語教育の知識があることの証明がほしい人
「日本語教育の知識がまだ足りていない」と感じている場合には、試験合格を目指して勉強する段階で知識の定着を測ることができます。
また、すでに養成講座修了者でも、プラスで検定に合格することで就職時でアピールできる要素にもなります!
この検定試験に合格をしていると、基本給の他に「資格手当」としてプラスで手当がもらえるような日本語教育機関もありますので、既に日本語教師になっている人でも取っていて損はなく、得をすることは数多くあるといえます。
このように「すでに日本語教育関係に携わっている人たちが受験する」、という場合もみられます!
受験者の年齢層と男女比は?
最後に、受験者の年齢層と男女比については、令和1年度の試験を参考にすると以下の通りになります!
受験者の年齢層は比較的高めで、圧倒的に女性の受験者が多いことが分かります。
【年代別比】 【男女比】 ※日本国際教育支援協会のHPより参照
20~29才(20%)30~39才(15%)40~49才(20%)50~59才(25%)60才以上(20%)
男性(30%)女性(70%)
※%はおおよその割合です
【日本語教育能力検定試験とは⑤】難易度・合格率は?
非常に幅広い分野が出題範囲とされている試験ですが、実際の難易度はどれほどなのでしょうか?
実施年にもよりますが、ずばり合格率は約23~28%ほどになります。
(こちらの数字は、応募者ではなく「実際の全科目受験者」から合格者の割合を出しています)
実際に令和元年度のデータを見ると、応募者11,699人、全科目受験者9,380人のうち合格したのは2,659人となっています。
4人に1人合格するようなイメージなので、確かに難しい試験ではありますが、超難関で「何年もかけて勉強準備をしないと合格できない」とまでは言えない位の試験でしょうか!
【日本語教育能力検定試験とは⑥】学習期間と勉強方法について
最後に、この試験を受験するにあたって必要な学習期間と勉強方法についてお話します!
まず、必要な学習期間ですが、平均で6ヶ月間ほどです。
人によって一日に確保できる勉強時間、必要な学習量は異なりますので、あくまでも目安として考えてみてください!
中には、「1年前から試験準備を始めて合格した」、「3ヶ月間だけ集中して勉強したら合格した」という例もあります。
次に、勉強方法についてです。方法としては大きく分けて2パターンあり、独学で学習する方法と試験対策講座を受講する方法です。
「出来るだけお金をかけずに自分のペースで学習したい」という人は独学で勉強をするのが良いでしょう。
筆者である私自身は実は独学で検定に合格したのですが、その時の体験を書いてみたので良ければ参考にしてみてください◎
逆に、年1回開催で合格率20%台の試験に1人で挑むのは不安だという人は、民間のスクールで「日本語教育能力検定試験対策講座」を開講しているところがあるので、対策講座の受講をおすすめします!
主要な対策講座を下記に2つほど紹介しておきますので、気になる方は参考にしてみてください◎
【日本語教育能力検定試験とは】まとめ
・日本語教育の知識・能力があることを証明するための試験
・受験資格に制限はなく、誰でも受験可能
・毎年10月、全国の主要9都市で開催
・合格すると日本語教師として働くことができる
・合格率は約23~28%
・必要な学習期間は6ヶ月ほど
またここまで読んだ上で、「落ちる可能性のある検定試験でなく確実に日本語教師になれる方が良い」「知識だけでなく日本語を教える実践力も身につけたい!」という方は、420時間日本語教師養成講座の受講をおすすめします!
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日本語教師キャリア マガジン編集部
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