2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されており、世界的にも人気・注目を集めている「和食」。
本記事では、日本の和食文化について理解を深めたいという方向けに、日本の伝統的・有名な食べ物10選と和食の特徴・歴史について解説します。
自国文化への理解を深めたり、外国人に和食文化について説明する際などにぜひお役立てください。
//日本語を教えることを仕事に!お住まいの近くの日本語教師資格講座を一括資料請求!//
目次
日本の伝統的・有名な食べ物10選
まずは、和食を代表する伝統的・有名な食べ物10選をご紹介します。
寿司
「寿司」は、米と魚介類を組み合わせた和食。
シャリの上に生魚をのせて食べる握り寿司やちらし寿司、手巻き寿司、いなり寿司などさまざまな種類があります。
実は寿司の起源となったのは、東南アジア発祥の発酵食品「なれずし(熟鮓)」であったとされています。
お寿司の定番「握り寿司」ができたのは江戸時代の末期で、ネタに生魚が使われるようになったのは明治時代と言われています。
天ぷら
「天ぷら」は、魚介類や野菜、肉などを小麦粉の衣で包み油で揚げた日本料理。
天ぷらは室町時代にポルトガルから伝わったとされており、諸説ありますが”四季の斎日”を意味するポルトガル語「テンポーラ(temporas)」が語源になったとも言われています。
油の生産量が増えはじめた江戸時代初期に屋台で売られるようになり、庶民の間にも広まっていったとされています。
そば
「そば(蕎麦)」は、穀物のソバの実を原料とする蕎麦粉を使った麺料理。
実はそばの歴史は長く、日本では米よりも前からソバの実が食べられていたそうです。
ソバの栽培が始まったのは縄文時代。
しかし、当時は麺として食べられていたわけではなく、ソバの実をそのままお粥にしたりソバの実を練ってお餅のような形にしたりして調理されていました。
現代のように麺料理としてソバが食べられるようになったのは、江戸時代です。
うどん
「うどん」は、小麦粉を練って麺状にした麺料理。
うどんと言えば、香川の讃岐うどんが有名ですよね。
うどんの発祥には諸説ありますが、奈良時代に中国から伝来したワンタンのような料理「混飩(こんとん)」が起源になっているという話もあります。
いずれにしても、現代のような形でうどんが食べられるようになったのは江戸時代前期以降と言われています。
現代では、お昼ご飯などにささっと気軽に食べられる料理として親しまれていますね。
鰻
「鰻」と言えば、蒲焼をご飯のうえにのせて食べる「うな重」や「うな丼」、「ひまつぶし」などが有名ですね。
鰻はそばと同じく歴史が古く、縄文時代から食べられるようになり、市民の間に定着し始めたのは江戸時代以降と言われています。
江戸時代当時から「蒲焼」としてうなぎが食べられていたそう。
当時もけっして気軽に食べられる食材ではなかったようですが、現代でも「鰻」は高級食材として位置づけられていますね。
味噌汁
「味噌汁」は、味噌をだしとして使い野菜や豆腐などを煮た汁物。
日本の家庭の食卓には欠かせない料理のひとつですね。
味噌汁が誕生したのは鎌倉時代で、中国から日本にやってきた僧侶が味噌をすりつぶして調味料として使う調理法を発見したことから始まったとされています。
室町時代では大豆の生産量が増えたことから、庶民の間でさまざまな味噌料理が作られ広まるようになりました。
すき焼き
「すき焼き」は、醤油、砂糖、酒を使った甘辛いタレに牛肉、野菜、豆腐などの具材を加えて煮た料理。
食べる際に「溶き卵」をつけて食べるのが特徴です。
今回紹介する和食の中では比較的歴史が浅く、明治になってから牛肉を使った現代のようなすき焼きが食べられるようになりました。
それ以前の江戸時代は牛肉を食べるのが禁止されていたため、「魚(うお)すき」といった魚を用いたすき焼きが食べられていたようです。
しゃぶしゃぶ
「しゃぶしゃぶ」は、薄く切った牛肉や野菜を煮立った湯にくぐらせタレにつけて食べる料理。
しゃぶしゃぶの起源の一説として、ラム肉をスープに入れてさっと火を通す中国料理「涮羊肉」がもとになったと言われています。
また「しゃぶしゃぶ」という独特な名前の由来は、1952年に大阪の料理店「スエヒロ」を当時の社長である三宅忠一が出店するときに名付けたとされています。
仲居さんがおしぼりをすすぐ様子が、肉を湯のなかにくずらせている様子と似ていおり、その様子を音で表現し「しゃぶしゃぶ」と呼ぶようになったそう。
ラーメン
「ラーメン」は、中華麺とスープに肉や野菜などさまざまな具材をトッピングした麺料理。
中国語の「拉麺(=麺を引っ張る)」が由来になっており、江戸時代はじめに中国から伝わったのが起源とされています。
ラーメンを和食として良いのか?という声もありますが、江戸時代以降、味噌味や塩味、豚骨醤油味などさまざまな種類が開発され、日本国内で独自に発展していきました。
今ではラーメンは日本人だけではなく、外国人の間でも人気の高い和食となっています。
餃子
「餃子」は小麦粉から作った薄い皮に肉、野菜などの餡をつつみ、焼いたり茹でたりして作られる料理。
餃子は中華料理の一種ですが、日本で食べられるようになったのは満州にいた日本兵が、帰国後に中国で食べていた餃子を懐かしんで作ったのが広まったとも言われています。
中国の餃子と日本の餃子のもっとも大きな違いは、中国では茹でて調理する「水餃子」が主流なのに対して、日本では焼いて調理する「焼き餃子」が定着していること。
また、中国の水餃子はそれ自体を主食として食べるのに対して、日本は焼き餃子をご飯のおかずとして食べるのが一般的です。
和食の歴史
和食は、「和食;日本人の伝統的な食文化」として2013年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されるなど、日本を代表する文化のひとつになっています。
そんな現代の和食のもととなる食文化が発祥したのは、平安時代からと言われています。
当時、中国から仏教の一派として「禅宗」が伝えられ、日本でも流行していたのがこの時代です。
禅宗の僧が味噌汁をはじめとした出汁の調理法を発明したことや、僧が食べていた精進料理が時代とともに変化していき、現在の和食文化が出来上がったと言われています。
和食の特徴
こちらでは、「和食」ならではの特徴を4つのポイントに分けて解説します。
新鮮な素材と本来の味を活かした料理
日本は海や山に囲まれている自然豊かな国であり、各地域で新鮮な食材を手に入れることができます。
さらに、濃い味付けの料理は比較的少なく、素材本来の味を活かした調理方法が発達しているのが特徴。
一汁三菜で栄養バランスが整っている
ご飯に汁物、3つのおかずを組み合わせた「一汁三菜」で構成された和食は、栄養バランスが非常に整っているとされています。
また肉ではなく魚中心の食事であるのも特徴で、肥満を避けることができると同時にバランスのとれた食事は日本人の長寿の秘訣とも言われています。
自然や四季の美しさを表現している
自然や四季の移ろいを表現するという点も、和食ならではの特徴。
季節に合わせた器を選んだり、葉や花などで料理を飾りつけたりして目で食事を楽しむ場面が多くみられますよね。
年中行事との深い関わりがある
お正月はおせちやお餅を食べるなど、季節の行事と深い関わりがあるのも和食ならでは。
四季がある日本ではそのときどきの食材を使って食を楽しむことで、食自体が家族や地域内での絆を深める役割も果たしていました。
日本文化を世界に伝える”日本語教師”をしてみませんか?
いかがでしたか?
本記事では日本の和食について、歴史、特徴や伝統的・有名な食べ物について解説しました。
「日本の文化に興味がある」「日本の魅力を世界の人たちに知ってもらいたい!」という方は、”日本語教師”という仕事を目指してみませんか?
外国人に日本語や日本文化を教えることを仕事にしているのが「日本語教師」。
「日本語教師に興味があるな…」「日本語教師の資格を取ってみたい!」と思った方は、以下にて日本語教師になるための日本語教師養成講座の資料を無料請求できますので、ぜひ活用してみてくださいね◎
日本語教師キャリア マガジン編集部
運営情報最新記事 by 日本語教師キャリア マガジン編集部 (全て見る)
- 2024年度 日本語教師のためのオンライン採用合同説明会 - 2024/6/20
- 【教師研修】日本語教育の参照枠 × 鳥・虫・魚の目 – 新しいものの見方をインプットしよう!- / 7/20~8/3(土) 10:00~12:00 - 2024/6/10
- 【教師研修】「フリーランス日本語教師として働くための初めの一歩」研修 2024年6月18日~7月11日 - 2024/5/20