- 日本語能力試験JLPT N2の文法「~んだから」を初めて教える事になった日本語教師
- 久しぶりに「~んだから」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
- 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方
目次
文法「~んだから/のだから」の概要
記号の見方:品詞
V(Verb)…動詞
いA(i-Adjective)…い形容詞
なA(na-Adjective)…な形容詞
N(Noun)…名詞
Adv(Adverb)…副詞
意味
~だから
〈英訳〉because~
接続
V-普通形/いA+んだから(のだから)
なA/N+な+んだから(のだから)
JLPTレベル
日本語能力試験JLPT N2
該当文法が使わているテキスト
文法「~んだから/のだから」を使った例文
- 初心者なのだから、失敗するのは当たり前です。
- 病気なんだから、寝てなきゃだめでしょう。
- 子供じゃないんだから、自分のことは自分でやりなさい。
- まだ小さいんだから、わからなくても仕方がありません。
- 忙しいんだから、そんな話ならあとにしてください。
- こっちも大変なんだから、手伝ってよ!
- 彼女はおしゃべりなんだから、秘密は言わない方がいいですよ。
- 誰もやったことがないのだから、不安になるのは当然です。
- 勉強しているんだから、静かにしてください。
- 結婚したんだから、何でも夫婦で話し合うべきです。
文法「~んだから/のだから」を使った導入例
導入例1
A:この間、アルバイト先で、店長に叱られたよ。
B:どうして?
A:同じアルバイトの田中さんとけんかになって、店の物を壊しちゃったんだ。
B:そりゃ、店の物を壊したんだから、叱られて当然ね。
A:まぁ…ね。でも、先に悪口を言ってきたのは田中さんなんだよ?
B:子供じゃないんだから、アルバイト先でけんかなんてしたらだめよ。
教師:店の物を壊したんだから、叱られて当然だと言いました。
教師:子供じゃないんだから、アルバイト先でけんかをしてはいけないと言いました。
導入例2
妻:あなた、起きちゃだめよ。病気なんだから寝てないと。
夫:仕事がこんなにたくさんあるんだから、寝てばかりいられないよ。
妻:仕事と自分の体とどっちが大事なの?!
夫:・・・。
妻:体は一つしかないんだから、大事にしないとだめよ!
生徒:妻は夫に、病気なんだから寝てないといけないと言いました。
生徒:夫は妻に、仕事がたくさんあるんだから、寝てばかりいられないと言いました。
生徒:妻は夫に、体は一つしかないんだから、大事にしないとだめだと言いました。
ポイント
「~んだから」を使うとき、~は話し手、聞き手双方にとって明らかであること
でなければなりません。
<導入例1>の「店の物を壊した」こと、「Aさん(と田中さん)が子供でない」こと
は、AさんもBさんもわかっていること、
<導入例2>の「病気である」こと、「仕事がたくさんある」こと、「体は一つである」こと
は、夫も妻もわかっていることだという点を、学習者にしっかりと伝えましょう。
学習者がよくする文法「~んだから/のだから」の誤用例
単に理由を表す場合には使用不可
<例1>×たくさん歩いたんだから疲れました。(→ 〇たくさん歩いたから)
<例2>×しっかり勉強したんだから、明日の試験はいい成績が取れるだろう。
(→ 〇しっかり勉強したから)
※相手に言う場合には使用可
→ 〇今までしっかり勉強したんだから、きっといい成績が取れるはずですよ。
(「しっかり勉強した」という事実を話し手も聞き手も知っている)
プラスアルファ
「~んだから」には、聞き手を同意、同調させたいという話し手の意図が含まれています。
<例1>
病気なんだから、寝てなきゃだめでしょう。
(寝ていない相手を説得して、寝るように促している)
<例2>
勉強しているんだから、静かにしてください。
(静かにしてほしいという話し手の気持ちに同意を求めている)
日本語教師キャリア マガジン編集部
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