【文法解説】日本語能力試験JLPT N2「~ものがある」例文・導入・似た文法も!

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!
  • 日本語能力試験JLPT N2の文法「~ものがある」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~ものがある」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~ものがある」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

~という感じや特徴がある
〈英訳〉something makes you feel~

接続

V-辞書形/ない形+ものがある
いA-い+ものがある
なA-な+ものがある

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N2

該当文法が使わているテキスト

文法「~ものがある」とよく一緒に使われる単語

動詞

  • 感動させます
  • 引きつけます
  • 目を見張ります

形容詞

  • すばらしい
  • つらい
  • 寂しい
  • 感慨深い
  • 不適切

文法「~ものがある」を使った例文

  • 彼女の演奏は、聞く人を感動させるものがあります
  • 彼のスピーチには、人の心を引きつけるものがあります
  • 子どもの日々の成長には、目を見張るものがあります
  • その話には、納得できないものがあります
  • この映画は人の心を打つものがあります
  • その実験の効果にはすばらしいものがあります
  • 社員にリストラを伝えるのは、社長としてもつらいものがあります
  • 長年住んできた家を取り壊すのは、寂しいものがあります
  • 赤ちゃんだった娘が成人式を迎えたなんて、感慨深いものがあります
  • 大臣のその発言には、不適切なものがあります

文法「~ものがある」を使った導入例

導入例1

先生
絵画を見ながら、二人が話している場面を提示します。

A:この絵は、すばらしいですね。

B:ええ、本当に。人の目を引きつけるものがありますよね。

A:あの絵もいいですね。

B:本当ですね。絵なのに、見ているだけで、人を感動させるものがありますね。

先生
ここで「~ものがある」は「~という感じがある」という意味であるということを説明し、当該文型が使われている箇所を確認します。

教師:人の目を引きつけるものがあります

教師:人を感動させるものがあります

導入例2

先生
二人が家の前で話している場面を提示します。

A:この家、来月、取り壊して、新しい家を建て直すんですよ。

B:そうですか。それは、新しい家ができるのは楽しみですね。

A:ええ、でも、長年住んできた家がなくなるのは寂しいものがありますね

B:それもそうですね。

A:いろいろなことを思い出して、感慨深いものがあります

B:そうですね。でも、また新しい家でたくさん思い出がができますよ。

A:ええ、そうですね。

先生
ここで学習者にAさんが家を壊すことについて、何と言ったか質問します。

生徒:寂しいものがあると言いました。

生徒:感慨深いものがあると言いました。

学習者がよく間違う似た文法

「~ものがある」の文法自体は難しくありませんが、「もの」を使った文法表現は多くあるので、混乱させないように、絵や写真を使って印象付けるなどすることが大切です。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。