【文法解説】日本語能力試験JLPT N2「~(んだ)もん」例文・導入・誤用例も!

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!
  • 日本語能力試験JLPT N2の文法「~(んだ)もん」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~(んだ)もん」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~(んだ)もん」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

~だから

〈英訳〉because~

※会話で、主に女性や子どもが使う表現です。
※単なる理由というよりも、個人的な理由や言い訳に用いられ、自分の正当性を主張する表現です。

接続

V/いA/なA/N-普通形+(んだ)もん

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N2

該当文法が使わているテキスト

文法「~(んだ)もん」とよく一緒に使われる単語

動詞

  • できます
  • わかります
  • 知ります

形容詞

  • おいしい
  • まずい
  • 難しい
  • 嫌い
  • 苦手

文法「~(んだ)もん」を使った例文

  • 食べたくない。嫌いなんだもん
  • A:またゲームしてるの?
  • B:暇なんだもん
  • 高校生だもの。一人で行けるわよ。
  • 人間だもん。間違えることもあるよ。
  • 初めてだもの、失敗して当然よ。
  • その番組は見ない。おもしろくないんだもん
  • A:もうあきらめちゃったの?
  • B:だって、わからないんだもん
  • 大丈夫。僕一人でできるもん
  • ダイエットは、明日からするもん
  • A:なんで昨日のセミナー来なかったの?
  • B:だって、セミナーがあること、知らなかったんだもの

※「~もん」の方が「~もの」よりカジュアルな言い方。
※「~もの」は女性的な印象。

文法「~(んだ)もん」を使った導入例

導入例1

先生
母と子供が話している場面を提示します。

母:ほら、野菜も食べないとだめよ。

子:え~、これ、嫌いなんだもん

母:嫌いでも食べなきゃ。

子:だって、おいしくないもん

母:おいしくないものも食べないと大きくなれないよ。

子:大きくなれなくてもいいもん・・・。

母:いいから、早く食べなさい(怒)!

先生
ここで「~(んだ)もん」が使われた箇所を確認し、子供が野菜を食べたくない理由、言い訳であることを説明します。

導入例2

先生
妻と夫が話している場面を提示します。

妻:このケーキ、おいしい~。

夫:・・・。ダイエット始めるんじゃなかったの?

妻:だって、今日はとても疲れたから、甘いものが食べたいんだもの

夫:でも、それ、3個目だよね・・・?

妻:しょうがないじゃない。だって、おいしいんだもん

夫:ダイエットは・・・?

妻:ダイエットは、明日からすることにしたんだもん

先生
ここで学習者に妻がどうしてケーキを食べているか質問します。

生徒:疲れていて、甘いものが食べたいからです。

生徒:ケーキがおいしいからです。

生徒:ダイエットは明日から始めるからです。

※「~(んだ)もん」が個人的な理由、言い訳をするために使われているという点をしっかり伝えましょう。

学習者がよくする文法「~(んだ)もん」の誤用例

先生
な形容詞の接続に誤用が生じることがあるので注意が必要です。

<例>

×嫌いんもん → ○嫌いだもん/嫌いなんだもん

×好きもん → ○好きだもん/好きなんだもん

×大丈夫もん → ○大丈夫だもん/大丈夫なんだもん

「~んだもん」=「~んです」+「~もん」ということがわかれば、誤用は少なくなるはずです。

プラスアルファ

「~んだもん」と「~もん」

説明や理由を表す「~んです」と合わさった「~んだもん」を使うと、「~もん」より

やや婉曲的な、柔らかい表現になります。

<例1>

  • 嫌いだもん。(直接的に強く拒否する印象)
  • 嫌いなんだもん。(やんわりと拒否する印象)

<例2>

  • わからないもん。(投げやりな印象)
  • わからないんだもん。(甘えている、困っているという印象)

「だって~(んだ)もん」

「~(んだ)もん」はしばしば、理由を表す「だって」と共に用いられ、文頭に「だって」が来たら、文末は「~(んだ)もん」の形になるということもしっかり押さえておきましょう。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。