【文法解説】日本語能力試験JLPT N2「あまりの〜に/で」例文・導入・類似文法も!

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N2の文法「あまりの〜に/で」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「あまりの〜に/で」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「あまりの〜に/で」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

Nすぎるので、…になる/なった。
Nが原因で普通ではない結果になる、という意味。

〈英訳〉so〜that…
〈中国語訳〉由於太〜才…

接続

あまりのNに
あまりのNで

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N2

該当文法が使わているテキスト

文法「あまりの〜に/で」とよく一緒に使われる単語

感覚・感情などの名詞

  • 暑さ
  • 恥ずかしさ
  • 大変さ
  • 難しさ
  • 忙しさ

文法「あまりの〜に/で」を使った例文

  • あまりの暑さ、食欲がなくなってしまった。
  • 父はあまりの忙しさ、病気になって入院することになってしまった。
  • N1の勉強を始めようとおもったが、あまりの難しさギブアップしてしまった。
  • 試合に負けて、あまりの悔しさ涙が止まらなかった。
  • ウエディングドレスを着た彼女を見て、あまりの綺麗さ声を失ってしまった。
  • 転んで骨折したとき、あまりの激痛、思わず叫び声をあげた。
  • 妻が作ってくれた料理のあまりのおいしさ、ついつい食べ過ぎた。
  • 熱っぽいと思ったが、無理して出勤したところ、あまりの具合の悪さ倒れてしまった。
  • 夜道、知らない男の人に追いかけられて、あまりの恐怖声も出なかった。
  • 帰宅時、あまりの寒さつい暖かそうなカフェに立ち寄った。

文法「あまりの〜に/で」を使った導入例

導入例

先生
「とても〜だ」と感覚や感情が強くあらわれた場面を提示します。

わたしは骨折したことがあります。

サッカーの練習をしているときに、ゴールの前で転んでしまったんです。

骨が折れたとき、とても痛くて、思わずギャー!!と叫び声をあげてしまいました。

→骨が折れたとき、とても痛くて、思わず叫び声をあげた。

骨がおれたとき、あまりの痛さ、思わず叫び声をあげた。

「あまりの〜に/で」という文法は、「とても〜(感覚・感情・状態)なので…という結果になった」という意味です。

「前件の状態がひどくて、後件の結果になった」ということですので、後件はよくない結果が多いです。

先生
練習してみましょう。

先生: サッカーの試合に負けてしまいました。とても悔しくて、涙が止まりませんでした…。

生徒: サッカーの試合に負けて、あまりの悔しさに、涙が止まりませんでした。

先生: 授業中、とても眠くて、ぐっすり寝てしまいました。

生徒: 授業中、あまりの眠さに、ぐっすり寝てしまいました。

先生: とても忙しくて、病院に行く時間もありません。

生徒: あまりの忙しさに、病院に行く時間もありません。

学習者がよく間違う似た文法

〜のあまり

同じ意味の文法に「〜のあまり」という言い方もあります。

骨が折れたとき、あまりの痛さに思わず叫び声をあげた。(○)
骨が折れたとき、痛さのあまりに思わず叫び声をあげた。(○)

留学中、母はあまりの心配で毎日のように電話をかけてきた。(○)
留学中、母は心配のあまり毎日のように電話をかけてきた。(○)

ただし、「あまりのNに/で」は名詞のみなので、表現に注意しましょう。

ゆうべ、あまりのお酒を飲んだで、今朝は頭痛がひどかった。(×)
→ゆうべ、あまりの飲酒量で今朝は頭痛がひどかった。(○)
ゆうべ、たくさんお酒を飲んだあまりに、今朝は頭痛がひどかった。(○) 

【文法解説】日本語能力試験JLPT N2「~あまり」例文・導入・誤用例も!

2021/5/1
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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。