【文法解説】日本語能力試験JLPT N2「~あまり」例文・導入・誤用例も!

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N2の文法「~あまり」を初めて教える事になった日本語教
  • 久しぶりに「~あまり」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~あまり」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

〜すぎるので、…。
【とても〜なので、…という普通ではない状態やよくない結果になる】

〈英訳〉so〜that…
〈中国語訳〉過於…

接続

V(普通形 肯定形)  + あまり
いA(普通形 肯定形) + あまり
なAな +  あまり
Nの + あまり
※「いAを名詞化+の」という形もよく使われます。

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N2

該当文法が使わているテキスト

文法「~あまり」とよく一緒に使われる単語

感情のことば

  • 悲しみ
  • 嬉しさ
  • 寂しさ
  • 緊張
  • 驚き

文法「~あまり」を使った例文

  • 恋人に振られて、悲しみのあまり会社を休んで泣き続けてしまった。
  • 大学の合格通知が届いて、陳さんはうれしさのあまり授業中に叫んだ。
  • 娘がかわいいあまり、ついつい甘やかして育ててしまった。
  • 留学中、母は心配のあまり毎日のように電話をかけてきた。
  • はじめてのデートで、緊張のあまりうまく喋れなかった。
  • 寒さのあまり、手が動かずうまくスマートフォンが操作できない。
  • アニメが大好きなあまり、国での仕事をやめて日本に留学に来ました。
  • ゆうべ、たくさんお酒を飲んだあまりに、今朝は頭痛がひどかった。
  • 寝坊して、急いだあまりに財布を忘れてきてしまった。
  • いつも仕事を優先するあまり、彼女に愛想を尽かされてしまった。

文法「~あまり」を使った導入例

導入例1

先生
とても悲しいことを経験した、という場面を提示します。

とても悲しいことがあったんです。
恋人と別れてしまいました。悲しくて悲しくて…
とても悲しかったので、次の日会社を休んでしまいました。
→恋人と別れてしまって、悲しみのあまり、次の日会社を休んでしまいました。

「〜あまり」という文法は、「とても〜ので…」と「程度がとてもすごいので、…という結果になった」という原因を表す文型です。

先生
い形容詞の場合、名詞化することも多いです。

例)

かなし→かなしのあまり、会社を休んでしまった。
うれし→うれしのあまり、飛び上がって喜んだ。
もちろん、「かなしいあまり」「うれしいあまり」もOKです。

学習者がよくする文法「~あまり」の誤用例

先生
いAの名詞化について、難しい場合は確認したほうがいいでしょう。

〜さ 〜み
・程度をあらわす
・数値であらわすことができる
・客観的例)明るさ、広さ、長さ
・感覚をあらわす
・五感で感じられる
・主観的例)かなしみ、いたみ、うまみ

 

先生
また、「あまりのNに/で」という言い方もあります。

骨が折れたとき、あまりの痛さに思わず叫び声をあげた。(○)
骨が折れたとき、痛さのあまりに思わず叫び声をあげた。(○)

留学中、母はあまりの心配で毎日のように電話をかけてきた。(○)
留学中、母は心配のあまり毎日のように電話をかけてきた。(○)

ただし、「あまりのNに/で」は名詞のみなので、表現に注意しましょう。

ゆうべ、あまりのお酒を飲んだで、今朝は頭痛がひどかった。(×)
→ゆうべ、あまりの飲酒量で今朝は頭痛がひどかった。(○)
ゆうべ、たくさんお酒を飲んだあまりに、今朝は頭痛がひどかった。(○)

【文法解説】日本語能力試験JLPT N2「あまりの〜に/で」例文・導入・類似文法も!

2021/4/30
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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。