【文法解説】日本語能力試験 JLPT N2「~をはじめ」例文・導入例・誤用例も!

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!
  • 日本語能力試験 JLPT N2の文法「~をはじめ」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~をはじめ」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~をはじめ」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

~を代表例として

〈英訳〉things such as ~

接続

N+をはじめ

JLPTレベル

日本語能力試験 JLPT N2

該当文法が使わているテキスト

文法「~をはじめ」とよく一緒に使われる単語

名詞

「~をはじめ」は代表的な例を表すので、~の部分には、固有名詞や特定の名前などが入ります。

文法「~をはじめ」を使った例文

  • ネパールにはエベレストをはじめ、数々の山がある。
  • この動物園には、象をはじめ、いろいろな動物がいます。
  • ここでは、中国人留学生をはじめ、世界各国からの留学生が学んでいます。
  • この居酒屋は、さしみをはじめ、様々な魚料理が自慢です。
  • このスーパーでは、ベトナムをはじめ、東南アジアの国々の食材が売られています。
  • 先月、バターをはじめ、多くの乳製品が値上げされました。
  • 日本は、肉をはじめ、多くの食品を輸入に頼っています。
  • 日本へ来てから、唐揚げをはじめ、いろいろな日本料理を作ってみました。
  • 国民は、消費税をはじめ、いろいろな税金を払っています。
  • 北海道をはじめ、日本各地を旅行したいと思っています。

文法「~をはじめ」を使った導入例

導入例1

先生
2人が出身地について話しているという場面を提示します。

中村:松本さんのご出身はどちらですか。

松本:私の出身は福岡です。

中村:福岡ですか。福岡はラーメンをはじめ、いろいろなおいしい食べ物がありますね。

松本:そうですね。ラーメンのほかにも、もつ鍋や明太子が人気があります。

中村さんのご出身はどちらですか。

中村:私は長崎です。

松本:長崎は、昔からポルトガルをはじめ、いろいろな国と貿易をしていましたよね。

中村:だから、食事や食べ物の文化も他の地域とは少し違います。

小さい中華街もありますよ。

松本:長崎はゆっくり行ったことがないので、一度行ってみたいです。

先生
ここで学習者に福岡と長崎がどんな所か質問します。

生徒:福岡は、ラーメンをはじめ、おいしい食べ物がいろいろあります。

生徒:長崎は、ポルトガルをはじめ、昔からいろいろな国と貿易をしていました。

導入例2

先生
2人が旅行について話している場面を提示します。

パク:松田さんは、これまで海外旅行に行ったことがありますか。

松田:ええ、アメリカやヨーロッパをはじめ、10か国くらい行ったことがあります。

パク:10か国!すごいですね。どこへ行ったんですか。

松田:アメリカでは、ニューヨークをはじめ、4つの都市へ行ったことがあります。。

パク:ヨーロッパでは?

松田:フランスをはじめ、イタリアやドイツなど、6か国行きました。

パク:いいですね。私もヨーロッパへ行ってみたいです。

先生
ここで会話の中で「~をはじめ」が使われている部分を確認します。

教師:松田さんは、ヨーロッパをはじめ、いろいろな国へ行ったことがあります。

教師:松田さんは、アメリカでニューヨークをはじめ、4つの都市へ行ったことがあります。

教師:松田さんは、ヨーロッパでは、フランスをはじめ、6か国行ったことがあります。

学習者がよくする文法「~をはじめ」の誤用例

先生
「~をはじめ」は、後件で表される名詞の代表的なを表すので、①後件には~で表される名詞のカテゴリを表す名詞が必要です。また、②後件には「いろいろある」という意味の文が続かなくてはなりません。

①後件の名詞の誤用例

×私はうどんをはじめ、いろいろな食べ物が好きです。(うどんは食べ物の代表例ではない)

→ ○私はうどんをはじめ麺類が好きです。(麺類、例えば「うどん」)

②後件が不自然な例

×富士山をはじめ山に登ったことがあります。(いくつかの山に登ったと解釈できない)

→ ○富士山をはじめいろいろな山に登ったことがあります。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。