【文法解説】日本語能力試験 JLPT N2「~がきっかけで」「~をきっかけに」例文・誤用例も!

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!
  • 日本語能力試験 JLPT N2の文法「~がきっかけで」「~をきっかけに」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~がきっかけで」「~をきっかけに」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~がきっかけで」「~をきっかけに」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

~が機会になって・~が何かの始まりになった・~のときから

〈英訳〉~ makes/brings you to start doing something

接続

N+がきかっけで/をきっかけに

JLPTレベル

日本語能力試験 JLPT N2

該当文法が使わているテキスト

文法「~がきっかけで」「~をきっかけに」とよく一緒に使われる単語

特によく使われる単語というものはありませんが、名詞と接続するので、動詞を接続する場合は「~こと」と変換する必要があります。

(例)

  • アニメを見たこと
  • 料理を習ったこと
  • 本を読んだこと
  • 一人暮らしをはじめたこと

 

文法「~がきっかけで」「~をきっかけに」を使った例文

  • 入院がきっかけで、たばこをやめました。
  • 共通の趣味がきっかけで、彼と親しくなりました。
  • 一人暮らしがきっかけで、料理をするようになりました。
  • 子どもが生まれたことがきっかけで、幼児教育に興味を持ち始めました。
  • その映画を見たことがきっかけで、彼のファンになりました。
  • リストラをきっかけに、自分の会社を作ることにしました。
  • オープンキャンパスへの参加をきっかけに、その大学を志望しました。
  • 失恋をきっかけに、ジムに通い始めました。
  • あるテレビ番組を見たことをきっかけに、ボランティアを始めました。
  • イタリアに旅行したことをきっかけに、イタリア料理を勉強し始めました。

文法「~がきっかけで」を使った導入例

導入例1

先生
就職面接の場面を提示します。

面接官:弊社を志望された理由を教えてください。

応募者:はい、御社のホテルを利用した際、サービスの良さに感動したことがきっかけで

御社を志望しました。

面接官:わかりました。大学では、学業以外にどんな活動をされましたか。

応募者:はい、フードロスをなくすためのボランティア活動をしてきました。

面接官:そのボランティア活動を始められたきっかけは何ですか。。

応募者:日本で捨てられる食品が多くある一方で、世界では食べ物に困っている地域もあり、そのようなニュースなどを見たことをきっかけに、このボランティア活動を始めました。

面接官:わかりました。では、今日の面接はこれで終わります。ありがとうございました。

応募者:ありがとうございました。失礼します。

先生
ここで学習者に応募者がその会社を選んだ理由と、ボランティア活動を始めた理由を質問します。

生徒:応募者は、その会社のホテルを利用したことがきっかけで、その会社を志望しました。

生徒:応募者は、フードロスなどのニュースを見たことをきっかけに、ボランティア活動を始めました。

導入例2

先生
日本人と留学生がアルバイト先で話している場面を提示します。

松田:サラさんが日本に興味を持ったきっかけは何ですか。

サラ:国で日本のマンガを読んだことがきっかけで、日本に興味を持ち始めたんです。

松田:その前に日本語を勉強していたんですか。

サラ:いいえ、はじめは英語でマンガを読んでいました。

それから、日本語を勉強したいと思ったんです。

松田:そうなんですか。日本へ留学に来たのは、日本語の勉強のためですか。

サラ:それもありますが、一度、両親と日本へ旅行に来たことをきっかけに

日本で生活してみたいと思ったんです。

松田:そうですか。

先生
ここで学習者に留学生がどうして興味を持ったか、どうして日本へ留学に来たか質問します。

生徒:留学生は日本のマンガを読んだことがきっかけで日本に興味を持ちました。

生徒:留学生は、日本に旅行に来たことをきっかけに、日本へ留学したいと思いました。

文法「~がきっかけで」と似ている文法

先生

「~を契機に」と置き換え可能です。

ただし、「~を契機に」は文語的で学習者自身が使用する頻度は多くないので、「きっかけ」を中心に学習し、類似文法として「~を契機に」を付随的に学習した方が実用的でしょう。

【文法解説】日本語能力試験JLPT N2「~を契機に/契機として」例文・導入・よく聞かれる質問も!

2021/4/22

学習者がよくする文法「~がきっかけで」の誤用例

先生
「きっかけ」の前には名詞を接続させないといけないため、動詞を用いる場合は「~こと」と名詞化することをきちんと指導することが大切です。

プラスアルファ

「~がきっかけで」「~をきっかけに」は、日常会話、面接など発話場面でもよく使われる表現なので、使えるようになるまで、練習を重ねた方がいいでしょう。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。