日本語教師は就職・転職先をどう選ぶ?転職する理由は?313人へ調査してみた!

日本語教師の就職/転職事情

本記事では、私たち日本語教師キャリアが実施した「日本語教師の就職/転職」に関するアンケート調査結果を公開しています。

  • 日本語教師の理想の雇用形態は?
  • ほかの日本語教師は就職/転職先をどうやって選んでいるの?
  • 転職するきっかけにはどんな理由がある?
  • 就職先とのミスマッチを防ぐためにできることは?
  • 就職/転職をする際に困ること/大変なことは何?

などなど、日本語教師として初めて就職する人や転職を考えている人が気になることについて、日本語教師313名へ調査した結果をまとめています!

日本語教師として理想のキャリアを積むための参考に、ぜひご一読ください。

調査概要
調査対象:Reboot Japan株式会社が運営する日本語教師キャリア登録者を対象
調査期間:2023年4月10日~17日
調査機関:自社調査
調査方法:メールによる任意回答
有効回答数:313人(女性217人/男性91人/回答しない5人)
回答者の年代:20代 5.1%/30代 11.2%/40代 21.1%/50代 36.1%/60代以上 26.5%

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【日本語教師の就職/転職事情】理想としている雇用形態は?

まずは、日本語教師が理想としている雇用形態についてです。

日本語教師は専任教師(正社員)として働く人は少なく、パート・アルバイトや業務委託等の非正規雇用として働いている人がかなり多いという業界です。

専任教師(正社員)の割合は本当に少ないのか?本当は正社員を希望しているという人が多いのでは?など気になる人はいるでしょう。

まずはアンケート回答者313人の現在の雇用形態について結果を公開します。

現在の雇用形態を教えて下さい。

現在の雇用形態グラフ

この結果を見ると正社員として働いている日本語教師は全体の約4分の1を占めていることがわかりますね。

ボランティアと就職活動中/無職をのぞくと有給で働いている日本語教師のうち、非正規雇用者(正社員以外)の割合はなんと約7割以上に上っています。

つづいて、「あなたの理想とする雇用形態を教えて下さい」という質問に対する回答結果をみてみましょう。

あなたの理想とする雇用形態を教えて下さい。

理想の雇用形態

理想の雇用形態としてもっとも多かったのは、「正社員(46.6%)」でした。

この結果からみると「現在は正社員ではないけれど、理想は正社員として働きたい」と考えている人はやはり多いようですね。

一方で日本語教師の求人は多くが非常勤講師の募集で、「正社員である専任教師の枠は少ない」という現状がこの数字に表れているとも言えます。

中には、理想の働き方の詳細として以下のような回答も寄せられました。

  • 副業ができる正社員がいい。
  • 福利厚生がきちんとしているなら契約社員でよい。
  • 希望の働き方ができるなら雇用形態にこだわりはない。
  • 本業は看護師で副業として日本語教師をしたい。
  • 期間によって形態を変えられる働き方が理想。

「副業がしたい」「雇用形態が柔軟に変えられるのが理想」など、より自由な働き方で複数の収入源を得たいと考えている人も少なくないようです。

【日本語教師の就職/転職事情】就職/転職先選びで重要視する点は?

こちらでは、就職/転職先を選ぶ際に重視する点について調査結果をみてみましょう!

こちらでは「1番重視するポイント」「2番目に重視するポイント」「3番目に重視するポイント」という3つの質問に対する回答を順にみていきましょう。

あなたが就職/転職先選びで1番重視するポイントは何ですか?

就職先選びのポイント グラフ1

もっとも重視するポイントとして1番多かったのが「給与待遇・福利厚生(87名)」、続いて「職場の雰囲気が合っている(53名)」との回答が2番目に多くありました

多くの人は収入面や職場での居心地のよさを最優先に就職先を探しているようです。

続いて、「あなたが就職/転職先選びで2番目に重視するポイントは何ですか?」という質問に対する回答結果はこちら!

あなたが就職/転職先選びで2番目に重視するポイントは何ですか?

就職先選びのポイント グラフ2

こちらも「給与待遇・福利厚生(71名)」がもっとも多く、続いて「勤務時間・残業有無等の労働環境(52名)」が2番目に多い回答となりました。

日本語教師はもともと高収入が得られる職業ではないことや、「授業準備・事務処理といった授業外業務に対して残業代が支払われない」という声も聞かれることから、収入面や労働環境に対して不安に感じる人が多いのかもしれません。

最後に、「あなたが就職/転職先選びで3番目に重視するポイントは何ですか?」という質問に対する回答結果をみてみましょう。

あなたが就職/転職先選びで3番目に重視するポイントは何ですか?

就職先選びのポイント グラフ3

3番目に重視するポイントもやはり「勤務時間・残業有無等の労働環境(56名)」「給与待遇・福利厚生(50名)」「職場の雰囲気が合っている(43名)」と回答した人が多くを占めました。

それ以外で回答が多かったのは「学校/会社の経営方針・教育理念(31名)」「教師として成長できる環境がある(29名)」「自分の能力が発揮できる環境がある(29名)」といった項目でした。

この結果をまとめると、待遇、労働環境、職場での居心地の良さがもっとも重要視されるポイントで、そのつぎに自分と学校の価値観・考え方が合うか?自分の能力が発揮でき成長できる環境か?といったことも注目されるポイントになっていることがわかりました!

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【日本語教師の就職/転職事情】転職経験者が転職に至った理由とは?

こちらでは、転職経験者が転職をすることになった理由についてみていきましょう!

転職経験者は前職のどのようなところに不満やきっかけを感じ、新たな職場を探すに至ったのでしょうか?

これまで日本語教師職を退職した経験がある場合、転職を決断した理由は何でしたか?(3つまで回答可)

転職理由の関するグラフ

結果として「日本語教師として経験を積みたいから(49名)」という転職理由がトップとなり、「待遇が希望に合わないから(46名)」「人間関係が合わなかったから(42名)」が2番目と3番目につづきました。

待遇や職場の雰囲気など職場に不満があったという人も多くいますが、もっとも大きな要因として「経験を積みキャリアアップしたい」というポジティブな転職理由がきっかけになっていることがわかりましたね!

また、一般的な転職理由として多い「仕事内容がつまらなかったから」や「やりがいを感じられなかったから」といった理由は比較的少ないのも印象的ですね。

さらに日本語教育業界はコロナによる影響を大きく受けたことから、「学校/会社側の事情により転職せざるを得なかった」と回答した人もみられました。

以上のことから、「仕事自体はやりがいがあるけれど、より良い労働条件のもと、同僚と良好な関係を保てる+新たな経験が積める場で働きたい!」といった理由で転職する日本語教師が多いことがわかりました。

【日本語教師の就職/転職事情】就職/転職先とのミスマッチを防ぐには?

就職/転職活動の際にもっとも避けたいのは「働き始めたあとに思っていた職場と違った・・」といった自分のイメージと就職先とのミスマッチ。

「この業務もやらなきゃいけないの?」「職場の雰囲気がどうしても合わない、、」と後悔することのないよう、ほかの日本語教師の人たちがどういった対策をしているのか調査結果を参考にしてみましょう!

「就職/転職先を決める際、自分の希望と就職/転職先の間にミスマッチが起きないために、事前に取り組んだ対策があれば教えてください(自由回答)」との質問に対して、多く集まった回答はこちら。

特に多かった回答

  • 面接で気になることは臆せずに聞いておく。
  • HPやSNSなどネットで情報収集をしておく。
  • 学校見学をして授業や職場の雰囲気をみる。
  • その職場を知っている知人や同業者に聞いてみる。
  • 就職セミナーや集団説明会に参加する。

上記のなかでもっとも多かったのは「面接で気になることは臆せずに聞いておく」という回答

具体的にどのような点を質問すべきなのか?回答の中に挙げられた質問事項はこちらです!

面接時に確認した質問事項

  • 残業
  • 待遇/福利厚生
  • 社会保険の有無
  • 教育設備
  • 業務内容
  • 勤務時間
  • 有給の日数
  • 学生の質
  • JLPTの合格率
  • 授業のやり方
  • 使用する教材
  • 学生の国籍比
  • 経営方針・経営理念
  • 学校設立の目的・目標
  • 自分の目標と企業が求めるものとの間にどれだけの違いがあるか

そのほかには、「学校見学は必ずすべき」「学校へ出向き、職場の生の雰囲気は確認しておくべき!」といった根強い意見が多くありました!

そのほか、ミスマッチを防ぐための対策として回答数は多くなかったものの、ぜひ参考にしたい回答を以下にピックアップしました!

その他の意見

  • 契約書をきちんとチェックして相手方に確認した。
  • 即決せずに、納得のいくまで数回面談した。
  • 小さい子供がいることを隠すことなく履歴書に書き、面接の時はいざとなった時に家族のサポートが得られることを話した。
  • 面接時に自分の目標(例:週X時間以上働きたい。)と譲れない点(例:月曜日と水曜日は授業ができない。)を話しておいた。

「自分は採用してもらう側だ」という立場をとりすぎずに、自分の希望やできること・できないことを素直に伝えることもミスマッチを防ぐために大切なのですね!

【日本語教師の就職/転職事情】就職・転職をする際に困った事は?

最後に「日本語教師の就職・転職で、今まで困ったことや不便だと思ったことがあれば教えてください」という質問に対して寄せられた回答を公開します。

日本語教師の就職/転職ならではの大変なポイント・気をつけるべきポイントはどんなところにあるのでしょうか?

こちらでは多く寄せられた回答をいくつかのカテゴリーに分けてご紹介します!

給与待遇について

  • 給与がはっきりわからず、具体的に知りたいが聞きにくい。
  • そもそも給与や時間給が低すぎる。
  • 転職時に給与や待遇が下がる。
  • 求人票に給与が記載されていない。
  • 求人に記載されていた待遇と実際の待遇がちがった。

応募条件を満たすのが難しい

  • 学士の資格がないので応募条件を満たせずボランティアどまり。
  • 大卒ではないため、就職口がかなり狭くなる。
  • 年齢を見て、面接もせず書類だけで落とされたことがあった。
  • 年齢制限があり70歳以上は不可としている。経験をみてほしい。
  • 英語力または日本語以外の言葉を話せることが必須だった。
  • 採用側が想定している教師像(例えば女性四十代)が求人票に明記されないので、無駄な就職活動が多い。
  • 未経験者は非常勤からというのが相場で、そうすると現実的には生活できないので大変。

情報収集が難しい

  • 学校ごとの違いや特徴がわかりにくい。
  • 日本語教師求人情報サイトが少ない。
  • その学校の学生の質がわからない。
  • 一般企業と違って面接前に口コミなどを調べても見つかるケースは少ない。
  • 複数の学校から内定をいただけたがどの学校を選ぶか迷い、相談できるところがあればよかった。

就職後にギャップを感じる

  • 非常勤教師の場合は持てるコマ数が希望通りにいかない。
  • 就業した後になってから、最初は試用期間扱いで給与が半額だと知らされた。
  • 知識や日本語教育の経験のない人にマネージメントされることで、自分の力が発揮できないことがある。
  • 学校によって用語やシステムが違うので、それに慣れるのが大変。
  • 業務内容が事前に聞いていたものよりも多く、また聞いていない業務のほうがメイン業務だった。

希望の求人が見つからない

  • 残業を理由に副業可能な正社員の募集がない。
  • 募集人数が少ない。
  • 日本語教師に特化した求人サイトなどを見ないと、「日本語教師 求人」と検索しただけでは普通に求人が出てきにくい。
  • 転職サイトに登録しても紹介がない。
  • そもそも正規雇用の仕事が少ない。
  • 住んでいる地域の近くで求人がない。

採用時の面接・模擬面接の大変さ

  • 模擬授業の課題が各学校によって異なるので準備に時間がかかる。
  • 大抵不採用の理由を教えてもらえないので、それも今後に活かせないのが困る。
  • 採用されるまえに授業見学ができず、学生の様子やクラスの雰囲気がわからなかった。
  • 2校同時進行で求人に応募した際の面接で、他も受けているかと聞かれた時の対応の仕方が難しい。
  • 模擬授業で面接するが、学校ごとにどんな雰囲気や内容を求められているか全くわからない。フィードバックもない。
  • 事前研修が平日昼間に開催されるため、仕事を持っている場合スケジュール調整ができない。

上記のなかで特に多かった意見は「給与待遇が不明確で業界全体的に低い」、そして「年齢・経験・学歴などから自分に合う条件の求人が見つからない」という声でした。

【日本語教師の就職/転職事情】まとめ

以上が日本語教師の就職/転職に関するアンケート調査の結果でした!

これから日本語教師のキャリアをスタートさせるという方、転職をかんがえている方の参考になれば嬉しいです。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

運営情報
日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。
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