【日本語教師の海外就職】短期or長期?国は?求人情報について解説!

「海外で日本語教師として働きたい!」と考えている方に向けて、「短期/長期での働き方」や「地域ごとの求人情報の特徴」など、”海外日本語教師”の就職情報をお届けします!

海外で日本語教師として働くには?どのような働き方がある?

海外で日本語教師として働く際に求められる条件は、基本的には日本国内で働く際と同様のものとなります。

《日本語教師になるには、以下のいずれか一つを満たしていることが必要》

  1. 大学で日本語教育の主専攻または副専攻として学び、修了
  2. 学士の学位を有し、かつ、日本語教師養成講座420時間コースを修了
  3. 日本語教育能力検定試験に合格

それに加えて、海外で働く際には「ビザの取得」も必ず必要となります。

多くの求人情報をみると、雇用主が就労するためのビザを支給してくれますが、求人の中には「既に現地で働くビザを取得している人」が対象となっている場合もあります。

海外で働くということで、「語学力が求められるのでは?」と思うかもしれません。

しかし、現地では、日本語で日本語を教える「直接法」で授業を行うことが多いです。

そのため、採用の際に現地の高い語学力を求められることはあまりありません。

つぎに、海外で日本語教師と働く際にはどのような働き方があるのでしょうか。

以下に働き方の主な例を挙げました。

  • 現地の日本語学校で日本語教師として働く
  • 現地の大学や大学院で日本語教師として働く
  • 現地の日本語学校などで、ティーチャーアシスタントとして働く
  • 小学校・中学校で日本語教師として働く
  • インターンシップとして、現地の日本語学校などで働く

この中では、「現地の日本語学校で日本語教師として働く」求人が多く見られます。

日本語教師の需要はある?海外での求人はどれくらい?

日本語教師の国内需要は、外国人労働者が増えていることもあり年々高まっています。

アニメなどの日本文化への興味や留学を目指す人など、日本語学習者は世界各地におり、海外でも日本語教師は必要とされる存在です。

海外での日本語教師の需要は、地域によって異なってきます。

アジアでの求人数が一番多く、欧米では比較的少なくなっています。

学習者の数が多いほどより多くの日本語教師が求められますし、その逆もあります。

また、そのときの国と国の関係やビザの規制によっても学習者数は変動することがあります。

【海外で日本語教師になるための第一歩】短期or長期?地域や働き方は?

海外で日本語教師として働きたいなと思ったら、まずは自分が「どこで・どのように働きたいのか」を明確化しましょう。

「どこの地域が良いのか?どの国で働きたいのか?」

「どのような働き方がしたいのか?」

「どれくらいの期間働きたいのか?」

「日本を出て、ある一定の期間を海外で働く」ということは、大きな決断です。

あとで後悔することがないように、「自分は何をしたいのか?」「目的は何なのか」をじっくりと考えてみましょう。

そして、自分の希望が定まったら、その中で優先順位も決めておきましょう!

例えば、「自分は、1年間〇〇で日本語教師として働きたい!」と思っても、その通りの求人があるとは限りません。

自分の希望により近い求人が出てくるのを待つのも良いですが、一方で「働く国」「働く期間」「お給料」など、自分は何を優先させたいのかを整理しておくことも大切です。

【海外で日本語教師求人を探そう!①】地域ごとの求人状況

① 中国・韓国・台湾など

これらは、日本語の学習者が多い国々です。

韓国は近年、減少傾向にありますが、中国では学習者数が非常に多く「最も日本語教師の求人数が多い国」と言えます。

学習者数だけではなく、ビザの取得がしやすいのも求人数が多い要因の一つです。

働き方としては、日本語学校や大学などの機関が多いです。

国内では、修士号がないと大学・大学院で日本語教師をすることは厳しいです。

しかし、中国や韓国の大学の求人では、修士号取得を必須としていないところが多く、修士号がなくても大学・大学院で教えることができるチャンスもあります!

② 東南アジア(ベトナム・タイなど)

近年、ベトナムやタイでの求人も多くみかけられます。

学習者が他の国と比べると多いのと、ビザの取得がしやすいのは、上記①の理由と同様です。

大学や大学院よりは、日本語学校での求人が多いです。

日本と比べると物価がかなり低いため、お給料もその分低くなってしまうのは注意しておきたいところです。

③ 欧米諸国

欧米諸国は、働きたい地域として非常に人気がありますが、求人数は多くはありません。

学習者がアジアに比べると少ないことや、ビザの取得が難しいことが要因です。

求人があったとしても、採用条件に「すでに現地で働くためのビザがある方」と記載されていることがほとんどです。

つまり、その国の人と結婚した人やすでに移住している人が対象となります。

わざわざ日本にいる人にビザを発給して現地へ送るより、すでに現地にいる日本人に求人を出しているという形になっています。

しかし、欧米諸国で働く機会が全くない訳ではなく、有給のインターンシップやその他様々なプログラムを通じて、日本語教師として働くことはできます!

【海外で日本語教師求人を探そう!②】長期/短期の求人状況

◯短期(3か月〜1年未満)

短期の場合は、無給のボランティア、あるいは有給インターンシップとしての働き方が一般的です。

「とりあえず海外で働く経験をしてみたい!」という方におすすめです。

また、求人が少ない欧米諸国ですが、インターンシップとしてでも構わなければ、オーストラリアなどで有給インターンシップのプログラムもあります。

◯長期(1〜2年)

「1年以上海外で日本語を教えたい!」と思う方は、アジアでの求人を探してみると良いでしょう。

アジアでは、長期間での求人数が非常に多いです。

しかし、初めから2、3年間という求人はあまりなく、1年間の契約で、その後1年ずつ更新していくという形が取られていることが多いです。

【日本語教師の仕事を探そう】おすすめ海外求人サイト3選はこちら!

地域や期間ごとの働き方のイメージができたら、実際に求人情報を調べてみましょう!

海外求人が豊富に載っているサイトを、以下にて挙げてみました。

JEGS

海外求人が特に多いサイトです。欧米での有給インターンシップなどの情報もあります!

日本語教師の集い

こちらは、アジアでの求人情報、特に中国の求人が豊富です!

カモメアジア転職

ベトナムやフィリピンなど、東南アジアの求人に特化しています。

日本語教師以外の職種でも、求人を探すことができます。

日本語教師として海外で働く前に準備しておきたいこと

① 言語学習

現地で生活していくための、必要最低限の語学を勉強しておくと良いでしょう。

直接法で教える場合は、授業中では現地の言語は使用しませんが、職場の同僚とのコミュニケーションを円滑にするためにも事前に学習をしておくことをおすすめします!

② ある程度の貯金

海外に移り住むには、ある程度まとまったお金が必要になりますので、前もって貯金をしておくと良いでしょう。

また、新たな環境に慣れるまでは、なかなか心に余裕が持てない日々が続くこともあります。

そういったときに、経済的に余裕を持っていると精神面の負担を少しでも軽減することに繋がります。

③ 健康管理

日本と海外では、医療体制が異なります。

日本で治療するとこんなに高くないのに、海外だと高額な治療費がかかってしまった!なんてことも起こりえます。

事前に持病の治療や、自分の健康に関する不安な要素をなくした上で、海外へ出発するようにしましょう!

【日本語教師の海外就職(短期長期/地域ごとの求人情報)】まとめ

  • 海外で日本語教師になるには、国内で就職の際と同様の条件が求められる
  • まずは自分の希望を明確化(国、働き方、期間)
  • アジアでの求人は多いが、欧米諸国での求人は少ない
  • 短期間では、ボランティアや有給インターンシップが多い
  • 長期間では、アジアでの求人がおすすめ
  • 海外へ行く前に準備すること「語学学習・貯金・健康管理」
The following two tabs change content below.

伊藤えり子

運営情報
関東在住の現役日本語教師。日本語教育能力検定試験、日本語教師養成講座を保持。実際の指導はもちろんのことオンライン事業立ち上げや教材の開発、また一般企業で経験を活かした独自の視点で情報を発信中。日本語教師キャリア マガジンのライター