【文法解説】日本語能力試験 JLPT N3「~おきに」例文・導入例・類似文法も!

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験 JLPT N3の文法「~おきに」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~おきに」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~おきに」の概要

意味

~の時間/間隔をあけて

〈英訳〉every (number) minutes/days/weeks/months etc…

接続

数量詞+おきに

JLPTレベル

日本語能力試験 JLPT N3

該当文法が使わているテキスト

文法「~おきに」とよく一緒に使われる単語

「~おきに」は数量詞と接続します。

文法「~おきに」を使った例文

  • オリンピックは3年おきに開かれます。
  • 船は30分おきに来ます。
  • 1つおきに座ってください。
  • 今度のマラソン大会では、1キロおきに、係員が立っています。
  • 生まれたばかりの赤ちゃんは、3時間おきにミルクを飲みます。
  • この学校では2か月おきにテストをして、クラスを分けます。
  • 車のタイヤは3年おきに、替えた方が安全でしょう。
  • 最近、眠れなくて、2時間おきに目が覚めてしまいます。
  • 2週間おきに、病院へ行かなければなりません。
  • 10分おきに目覚まし時計がなっても起きられません。

文法「~おきに」を使った導入例

導入例1

 

先生
先生が学生に入学後のオリエンテーションで話している場面を提示します。

教師:みなさん、入学おめでとうございます。今から、この学校のルールなどを説明します。

学生:はい。

教師:まず、この学校では2か月おきにテストをして、レベルに合わせてクラスをわけます。

学生:では次のテストはいつですか?

教師:昨日、4月4日に一度、テストをしたので、次のテストは、6月の初めの予定です。

学生:わかりました。

教師:それから、テストの時、座席は1つおきに座ってください。

学生:はい、わかりました。

 

先生
ここで学習者に先生がどんな説明をしたか質問します。

生徒:先生は、2か月おきにテストをすると言いました。

生徒:先生は、テストの時は1つおきに座るように言いました。

導入例2

 

先生
近所に住んでいる人に、家の前で偶然会って話している場面を提示します。

A:あ、Bさん、おはようございます。お出かけですか?

B:ええ、ちょっと病院まで。

A:どこか悪いんですか?

B:たいしたことじゃないんですが、この間、ちょっとやけどをしてしまって、

2日おきに病院で診てもらっているんですよ。

A:そうですか。やけどは大丈夫ですか?

B:ええ、だんだん良くなっています。

A:病院まではバスで?

B:ええ、病院もバス停から近いし、一番近いバス停から10分おきにバスも出ているので、便利なんです。

A:そうですか。気をつけて行ってらっしゃい。

 

先生
ここで学習者にBさんはいつ病院へ行くか、バスはどのくらいの時間で来るか質問します。

生徒:Bさん2日おきに、病院へ行きます。

生徒:バスは10分おきに来ます。

学習者がよく間違う似た文法

「~おきに」「~ごとに」はほとんど置き換え可能ですが、若干ニュアンスに違いがあるので、注意が必要です。(下記「学習者からよく聞かれる質問」参照)

学習者からよく聞かれる質問

「~ごとに」との違い

一般的には「~おきに」「~ごとに」は同じ意味で使われていることが多いようです。

ただし、下記のような若干の違いがあるので、注意が必要です。

1)焦点の違い

  • 「~おきに」・・・間隔があいていることに焦点があります。
  • 「~ごとに」・・・二つの時点そのものに焦点があります。

<例>

  • 2週間おきに病院へ行きます。(次に病院へ行くまでに2週間あける)
  • 2週間ごとに病院へ行きます。(2週間目に病院へ行く。月曜日病院へ行ったら、翌々週の月曜日に病院へ行く。)

 

※特に「1」に接続する場合は、違いが明確なので、例文などの提示の際には注意が必要です。

<例>

  • 1年おきに、点検をする。(2年に1回)
  • 1年ごとに、点検をする。(毎年)

 

2)単位による違い

  • 短い単位(秒/分/時間)では、「~おきに」と「~ごとに」は意味の差異はありません。
  • 長い単位(日/週間/月/年)では、「~おきに」と「~ごとに」でニュアンスが少し異なります

<例1>

  • 10分おきにアラームが鳴ります。
  • 10分ごとにアラームが鳴ります。

→どちらも「10分に1回アラームが鳴る」ことを意味しています。

<例2>

  • 3日おきに電話をかけます。(月曜日に電話をかけたら、次は金曜日にかける。)
  • 3日ごとに電話をかけます。(月曜日に電話をかけたら、次は木曜日にかける。)

<例3>

オリンピックは(○3年おきに/○4年ごとに/×4年おきに)開催されます。

 

3)「ごとに」は数量詞以外も接続可能

<例1>

○日ごとに秋が深まります。(→○1日ごとに秋が深まります。)

×日おきに秋が深まります。(→×1日おきに秋が深まります。)※秋が深まるのに、1日間隔をあけるということがない。

<例2>

○グループごとに、リーダーを選んでください。

×グループおきに、リーダーを選んでください。

<例3>

○練習を重ねるごとに、上達してきましたね。

×練習を重ねるおきに、上達してきましたね。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。