今回は東京都新宿区、新大久保駅から徒歩3分の場所にある「行知学園日本語学校」に潜入して取材をしてきました!(※取材日: 2020年6月18日)
今回インタビューにご協力いただいたのは理事長の楊 舸さん、校長の萩野さん、副校長の粕谷さんです。学校や教育の特徴について聞いてきました。
また楊 理事長は中国人留学生向け進学予備校を運営する行知学園株式会社の代表取締役でもあるので、特別に予備校のことや中国人の留学事情、留学需要の予測などについても話してもらいました!
※2021年1月22日更新
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目次
行知学園について教えてください!
まず、行知学園日本語学校の母体、行知学園についてお話を伺いたいです。元々は留学生向けの進学予備校としてスタートしたんですよね?
そうですね。行知学園は、中国の学生向け進学予備校としてスタートしています。首都圏を中心に京都、大阪など日本全国で展開していて、中国人留学生の国内シェア率で言うと50%以上です。
50%以上!進学予備校に通う中国人学生の2人に1人が行知学園の学生さんなんですね!
高度成長期の日本がそうだったと思いますが、今中国は激しい学歴社会なんですよ。そのため、うちがこだわりを持っている「日本の一流大学への進学」というブランディングや実績がうまく学生の心に響いているんだと思います。
なるほど。たしかに私の知り合いの中国人留学生も進学への力の入れ方がすごかった気がします。それでは進学予備校とは別に日本語学校を運営しているのはどうしてなんですか?
それもやはり「日本の一流大学への進学」という目標によりコミットするためです。行知学園日本語学校に通う学生は全員進学予備校にも通っています。まさにダブルスクールですね。
日本語学校と予備校両方に通っているんですね。
日本語学校では進学のために必要な日本語能力の向上、予備校では受験テクニック習得と棲み分けて学習することで効率的に、より強く学生の進学目標にコミットしています。
では、行知学園日本語学校の詳しい話を聞きたいのですが、他の学校と比べてどんな特徴がありますか?
行知学園日本語学校について教えてください!
うちの日本語学校の特徴ですよね。大きく他の学校と違うと思うのは「学生の心理的サポート」「法遵守、コンプライアンスの学習」「道徳の授業」の3つです。
日本語学校でなかなか聞かない取り組みです。詳しく教えていただけますでしょうか!
当校は、100%進学のための学校ですが、進学の先にあるのは、長期的に日本で、世界で活躍できる人材になることです。そこで日本語学習だけでなく、人間力を磨き日本へのスムーズな適応を促進するという意味で「カウンセラーを常駐させ、心理的なサポート体制を整えること」「法律やコンプライアンスを守り、ひいては自分の身を守ることにも通じる六法の授業を行うこと」「日本的な礼儀や作法、価値観を理解するための道徳の授業を行うこと」。この3本柱が、当校の特徴と言えます。
進学にコミットしつつも人間育成という観点も大切にしてるんですね!学生からは好評なんですか?
そう思っています。例えば、私はカウンセリングを通して心理的な側面からも学生をサポートしていますが、勉強に身が入らない学生の話にじっくり耳を傾けると、実は精神的な問題を抱えていた、ということも少なくないんですよ。
たしかに私が1人で言葉の通じない海外に留学して、受験もするって考えても精神を病んじゃいそうです。
ただ、私がカウンセラーとして多くの学生と接する中で気づいたのは、意外なことに、中国にいる時よりも日本にいる方がリラックスして勉強できている学生が少なくないという事なんです。
え、どういうことですか?
中国にいた時は教育熱心な親のもとで、一日中張り詰めた気持ちで勉強していたという学生も、日本では親の監視が無くなったからか、いい意味でリラックスして勉強できているみたいですね(笑) とはいえ、勉強時間は驚くほど長いですから、脳の緊張とリラックスを上手に利用して、モチベーションのキープと集中力のアップに繋げてほしいです。
そんな学生事情初めて聞きました。カウンセラーの粕谷さんだからこそ分かる学生の心情ですね!
行知学園日本語学校の特徴というところに話は戻りますが、在籍する学生の国籍はやはり中国人留学生が中心ですか?
そうですね。当校は学生の99%が中国からの学生です。さらに言うと100%が進学を目指しています。進学意識が非常に高い漢字圏の学生が集まっているので、授業のスピードはかなり早い方だと思います。
そうすると勤務する先生にも高いレベルを求めるということですね。学校として教育の質を向上させるために行っている取り組み等はありますか?
時々勉強会も行い、常勤・非常勤関係なく、日本語教育のノウハウと知識を共有するようにしています。また講師の方にオリジナリティをもって授業をしていただくことで、先生方の経歴と知識を存分に発揮していただけるように考えています。日本の企業でビジネスマナーを教えていた経験のある講師には、日本でのビジネスの考え方やマナーも授業の中に取り込んでいただいています。
また、給料が良いことも優秀な先生が来てくださる理由の1つかなと思います(笑)
また、給料が良いことも優秀な先生が来てくださる理由の1つかなと思います(笑)
楊 理事長・萩野 校長・粕谷 副校長について教えてください!
次にお三方のこれまでの経歴や日本語教育に対する思いなど、パーソナルなところを伺えればと思います。楊 理事長はそもそもなぜ、進学予備校や日本語学校を始められたんですか?
実は私が日本に留学した当時、大学進学を希望しても、何をすべきかを知るすべもない状況でした。インターネットにも情報はないし、あったとしてもすごく偏っていました。そこで大学に在籍していた私たちは、後輩のためにボランティアで大学受験の指導を開始しました。それがこの事業を立ち上げるきっかけになったんです。
ちなみに「行知」という名前にはどんな意味が込められていますか?
社名は「留学という長い旅をしてできる家族」を意味しています。「行知」は、日本に「行って」様々な人や知識を「知る」機会を得ること、そして「学園」は中国語で「家族」を意味することから名付けました。
会社の名前も一貫して留学を意識しているんですね。それでは萩野校長はどうして、日本語教育に携わろうと思ったのでしょうか?
私は「言葉の力」を強く信じています。大学卒業後、放送局に勤務していたこともあり、言葉は諸刃の剣で、扱い次第では人をひどく傷つけてしまうこともあれば、逆に上手に使うことで人を動かしたり、元気にすることもできます。言葉のパワーをどのように使えるかを考えていた時に日本語教育に出会ったことがきっかけですね。
萩野校長も理事長と同じようにご自身の元となる経験や気づきがあって、今に至るのですね。では粕谷先生は、日本語教師としてやりがいを感じる時や日本語教師の意義ってどういうところにあるとお考えですか?
はい、留学生の場合は特にそうなのですが常に成長するために、何かを吸収していて、、、例えるならばスポンジのような吸収力を持っているんですよね。乾いたスポンジが水をぐんぐん吸収していくように、学生が成長したり経験したりしていく課程に携われることが私は幸せなんです。また、大学に送り出す時には、飽和状態になってしまったスポンジをもっと大きなスポンジに変えなくちゃいけないとアドバイスしたり、悪い水を吸っていたら絞り出してあげたりすることも日本語教師としての意義とかやりがいなのかなと感じています。
今後の日本語教育についてどう思われますか?
それでは業界全体に関する話しをお伺いできればと思います。今後中国から日本へ来る留学生の流れは、どうなると考えていますか?
留学生が増えるかどうかは日本社会がそもそも留学生を歓迎するかどうかに影響されると思っています。というのは、これまで日本はアメリカやイギリスのように留学を教育サービスとして捉え、しっかりとした受け入れ体制を構築することが出来ていなかったように思うからです。しかし今後は、日本の労働人口の減少や、少子高齢化の影響はさらに大きくなりますので、日本の受け入れ体制も変わらざるを得ないと思っています。また今回のコロナウイルスの影響ですが、
入国制限解除後は、日本に来る留学生の波は一気に押し寄せるだろうと考えています。というのも民間での相互支援の様子がメディアに取り上げられ、中国全体の雰囲気としても日本への印象が良くなったこと、さらに、米中の関係悪化や依然アメリカでのコロナの終息が見えないことで、アメリカへ留学予定だった学生が日本への留学に切り替える流れが出てきていることも日本への留学生が増える要因と考えています。
入国制限解除後は、日本に来る留学生の波は一気に押し寄せるだろうと考えています。というのも民間での相互支援の様子がメディアに取り上げられ、中国全体の雰囲気としても日本への印象が良くなったこと、さらに、米中の関係悪化や依然アメリカでのコロナの終息が見えないことで、アメリカへ留学予定だった学生が日本への留学に切り替える流れが出てきていることも日本への留学生が増える要因と考えています。
ありがとうございます。では萩野校長は今後の日本語教育はどの様に変わっていくと思いますか?
日本語教育はオンラインとオフラインでやることが二分化する流れが加速すると思っています。翻訳や初級の反復練習、漢字練習などはオンラインやAIの方が効率的に学習できるでしょうし、どこにいても、どんな時間でも自分の都合で何度でも学習することができますからね。逆に、人間が体温を持って教えたほうがいいインタラクティブな授業は、やはり対面での指導が有効です。指導内容や学生のレベル、ニーズに合わせた教育方法の選択が、これからの日本語教育の決め手になると思います。そういった意味でも、日本語教育は進化、成長していく可能性が高い、楽しみな分野です。
一緒に働きたい先生について教えてください!
ありがとうございます。では最後に今後、どんな先生と一緒に働きたいと思っておりますでしょうか?
様々なバックグラウンドを持っている方と働きたいと思っています。当校は進学を主眼に置いた日本語学校ですが、希望の進学先に合格して終わりではなく、学校を卒業した後でも活躍できる人材の育成が本来の目的です。そのため、日本語教師としてのスキルだけではなく、学生を本質的に育てられる器がある方を必要とし、積極的に採用を行なっています。
そういう思いがあるのですね。今はどんな先生方が働かれていますか?
粕谷先生は心理カウンセラーのバックグラウンドがありますし、航空会社客室乗務員、マナー講師、外資系金融機関、英語翻訳、中国語翻訳、フランス語通訳の経験者など日本語教師プラスαのスキルの高い先生が多いですね。
すごいですね。もし私が留学生の立場であると想像すると、やはり社会人経験のある先生方から教えてもらえることは貴重だなと思いますし、仮に在学中に感じなくても社会に出てから「あのとき先生が言っていたことはこういうことだったのか」と気付ける環境が大変素晴らしいなと思います。
//行知学園日本語学校の求人情報//
行知学園日本語学校 まとめ
教育理念:世界の架け橋になろう
住所:〒169-0073 東京都新宿区百人町1丁目6−21 行知学園 ビル
アクセス:新大久保駅から徒歩3分。西武新宿線「西武新宿駅」から徒歩5分
在籍学生:中国が99%
HP:http://coach-ac.co.jp/
取材させていただきました、楊 理事長・萩野 校長・粕谷 副校長、またご関係者のみなさま、本当にありがとうございました!
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日本語教師キャリア マガジン編集部
運営情報日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。
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