【文法解説】日本語能力試験JLPT N3「~て済む」例文・導入・類似文法も!

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N3の文法「〜て済む」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「〜て済む」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「〜て済む」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

〜で十分だ、〜で問題ない
〈英訳〉~ is enough, ~ is no problem

接続

V(て形) + 済む
いAくて + 済む
Nで + 済む

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N3

文法「~て済む」とよく一緒に使われる単語

動詞

  • 謝ります

い形容詞

  • 少ない
  • 軽い

名詞

  • 軽症
  • オンライン
  • 電話
  • 数分

文法「~て済む」を使った例文

  • 受験の申し込みは、オンラインで済むので便利だ。
  • コンサートのチケットの予約は電話一本で済む
  • すみません、ちょっとお時間よろしいですか。ほんの数分で済みますので。
  • 明日行くレストラン、予約しておこうよ。待ち時間が少なくて済むから。
  • 交通事故にあったが、足を少し擦りむいただけで済んだのでよかった。
  • 現代の生活は便利だ。掃除も洗濯もボタンを押すだけで済む
  • カップラーメンを作るのはとても簡単だ。お湯を注いで3分待つだけで済む
  • 髪が短いとシャンプーが少なくて済むので経済的だ。
  • 地震が来たが、少し揺れただけで済んだのでよかった。
  • 今回の件は、謝って済む問題じゃない。

文法「~て済む」を使った導入例

導入例1

先生
自転車に乗っていて転んだ男の子の絵を見せます。

T=教師、S=学習者

T:見てください。この男の子、どうしましたか?
S:自転車に乗っています。
S:転びました。
T:そうですね、この男の子は自転車に乗っています。乗っていて転びました。大丈夫ですか?
T:(足を擦りむいている男の子の絵を見せる)
S:足を怪我しました。
T:そうですね、男の子は転んで足を怪我しました。でも少し怪我をしただけです。「擦りむいた」と言います。病院に行かなくても大丈夫です。よかったですね。
T:自転車で転んだが、足を擦りむいただけで済んだ。(リピートを促す)
S:自転車で転んだが、足を擦りむいただけで済んだ。(リピート)

導入例2

先生
惣菜コーナーで買い物をしている絵を見せます。

T:見てください。この人は何ですか?
S:買い物をしています。
T:そうですね、買い物をしています。
T:見てください。商品にシールがついています。「割引」のシールです。もうすぐお店が閉まりますから、いつもより安くなっています。
T:この人は、唐揚げとコロッケと焼き鳥と枝豆とサラダを買いました。たくさん買いました。
T:(レジで会計をしている絵を見せる。値段は「500円」と表示されている。)
T:見てください。レジでお金を払っています。いくらですか?
S:500円です。
T:そうです、500円ですね。たくさん買いました。でも安くなっていたので500円だけ払います。よかったですね。
T:「スーパーで買い物をしたが、500円で済んだ。」(リピートを促す)
S:「スーパーで買い物をしたが、500円で済んだ。」(リピート)

学習者がよく間違う似た文法

「〜ずに済む」(意味:〜で十分だ、〜で問題ない)

意味は同じだが、接続方法が違うので注意。今回の「〜て済む」は「て形」で接続する。

 

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。