目次
文法「~た弾みに/~た拍子に」の概要
記号の見方:品詞 V(Verb)…動詞 いA(i-Adjective)…い形容詞 なA(na-Adjective)…な形容詞 N(Noun)…名詞 Adv(Adverb)…副詞
意味
「~た弾みに」「~た拍子に」は、前半で言うことがきっかけで、後半で言うことが「たまたま」「偶然」起こった、という意味です。「弾み」と「拍子」は、一瞬の勢いやきっかけを意味します。
人の不注意で起きたこと、意識せずに起きたことをいうときによく使います。
接続
Vた形+弾みに
Vた形+拍子に
JLPTレベル
日本語能力試験JLPT N1
文法「~た弾みに/~た拍子に」とよく一緒に使われる単語
動詞
- 転ぶ
- ぶつかる
- 押す
- 滑る
- する
文法「~た弾みに/~た拍子に」を使った例文
- ぶつかった弾みに、棚にあった花瓶が落ちてしまった。
- 転んだ弾みに、足首をひねってしまった。
- 笑った弾みに、歯が抜けているところが見えてしまった。
- 後から押された弾みで、靴が脱げてしまった。
- 手が滑った弾みで、変なボタンを押してしまった。
- よろけた拍子に、隣の人の足を踏んでしまった。
- 昔のことを、ふとした拍子に思い出す。
- 高いところで作業をするときは気を付けてください。気を抜いた拍子に、落ちてしまうかもしれませんからね。
- あの人は口が軽い。酒に酔った拍子に、人の秘密をほかの人にばらしてしまう。
- 手に止まった蚊をたたいた拍子に、買ったばかりのグラスを落としてしまった。
文法「~た弾みに/~た拍子に」を使った使用例
使用例1
美香:優子、どうしたの? 優子:すっごく気に入って、ずっと使ってた花瓶があったんだけど… 美香:うん。 優子:昨日、疲れてて。よろけてテーブルにぶつかっちゃって。それで、ぶつかった弾みに、花瓶が落ちて割れちゃったの。 美香:うわぁ。怪我はしなかったの? 優子:怪我はしなかったんだけど…すごくかわいい花瓶だったのに。本当にショック。
使用例2
坂本:あれ、おかしいな。 木村:ん?どうかした? 坂本:なんか、突然数字が入力できなくなっちゃったのよ。 木村:どれどれ…ちょっと見せて。…はい。 坂本:あ!直った!ありがとう。でも、どうしてできなかったんだろう… 木村:たぶん、このボタン、押しちゃったんだと思うよ。 坂本:ええ?そんなところ、押したつもりないけど。 木村:ふとした弾みに、指がぶつかることってあるから。 坂本:ふ~んそうなんだ。覚えておくね。ありがとう。
生徒:ふとした弾みに、指がぶつかってしまったからです。 生徒:ふとした弾みに、指で押してしまったんだと思います。
学習者からよく聞かれる質問
「何かの弾みに」「何かの拍子に」
「~の弾みに」は、基本的には動詞と使いますが、「何かの弾みに/で」という慣用的な表現もあります。
- 何かの弾みに、指がぶつかって、ボタンを押してしまったのかもしれない。
- これは大切なものです。何かの弾みで、壊れてしまったら大変ですので、丁寧に梱包してください。
日本語教師キャリア マガジン編集部
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