【文法解説】日本語能力試験JLPT N4「~てある」例文・導入・誤用例・よく聞かれる質問も!

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N4の文法「~てある」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~てある」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~てある」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

誰かが何か目的があってその行為を行い、その行為の結果が残っていることを表す文型

〈英訳〉somebody has done something intentionally and that state continues.

接続

V(て形) + ある

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N4

該当文法が使わているテキスト

文法「~てある」とよく一緒に使われる単語

動詞

  • 書きます
  • 置きます
  • 貼ります
  • 敷きます
  • 飾ります
  • 用意します

文法「~てある」を使った例文

  • ノートに名前が書いてあります。
  • 封筒に宛名が書いてありませんでした。
  • テーブルにお菓子が置いてあります。
  • 机の上に本が置いてあります。
  • 商品にシールが貼ってあります。
  • 壁にカレンダーが貼ってありました。
  • 部屋に布団が敷いてあります。
  • 床に絨毯が敷いてあります。
  • 部屋に花が飾ってありました。
  • おいしい料理が用意してあります。
  • 温かいお茶が用意してあります。
  • ホテルの予約がしてありますか。

文法「~てある」を使った導入例

導入例1

先生
先生が机の上のノートを手に取って、誰のものか尋ねるという場面を提示します。

先生:机の上にノートがあります。これは誰のノートですか。

先生
ここで先生がノートの裏を見て、名前を読みます。

先生:マリア。マリアさんのノートですね。マリアさんはノートを買った時、名前を書きました。ここに名前が書いてあります。

導入例2

先生
先生が教室に物を置いたり、貼ったりして、その後の状態を描写するという場面を提示します。(授業前に実際に物を置いたり、貼ったりしておくとよい)

先生:私は今朝9時に教室に来ました。机の上に本を置きました。壁に地図を貼りました。黒板に今日の日付を書きました。

先生
ここで先生が今の教室の状態を描写します。

先生:机の上に本が置いてあります。壁に地図が貼ってあります。黒板に今日の日付が書いてあります。

学習者がよく間違う似た文法

先生
「~ている」と混同する学習者が多いです。「~ている」も「~てある」も物の状態を表す文法なので、混同しやすいのだと思います。「~ている」は物の状態変化を表す自動詞が使われ、物の状態変化の結果としての現在の様子を表します。一方、「~てある」は人の動作を表す他動詞が使われ、人が何らかの目的を持って行った行為の結果としての物の現在の状態を表します。

学習者がよくする文法「~てある」の誤用例

先生
て形の接続を間違える学習者がいるので、変換練習をしっかり行ってから、接続練習に進んだ方がいいでしょう。

Vます形  →  Vて形   → V(て形)+ある

書きます →  書いて   →  書いてある

貼ります →  貼って     →    貼ってある

飾ります →  飾って     →    飾ってある

用意します→   用意して   →    用意してあります 

学習者からよく聞かれる質問

先生

「ドアが開いています」と「ドアが開けてあります」の違いについて聞かれることが多いです。次のような例を挙げて説明するとよいでしょう。

A:ドアが開いていますね。閉めましょうか。
B:暑いので、開けてあるんです。ありがとうございます。

 

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。