【文法解説】日本語能力試験JLPT N3「~てはいけないから/〜といけないから」例文・導入例も!

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N3の文法「~てはいけないから/〜といけないから」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~てはいけないから/〜といけないから」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「〜てはいけないから/〜といけないから」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

よくない状況にならないようにするため〜すると言いたいときに使う表現
よくない状況にならないようにするために、してはいけないことを伝えるときに使う表現

〈英訳〉

An expression to use when you want to say you will do something to prevent a bad situation from happening.
An expression used when you want to tell someone what not to do in order to avoid a bad situation.

接続

V(て)+てはいけないから
V(辞)+といけないから

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N3

該当文法が使わているテキスト

文法「~てはいけないから/〜といけないから」とよく一緒に使われる単語

動詞

  • 降ります
  • 転びます
  • なります
  • します

文法「~てはいけないから/〜といけないから」を使った例文

  • 雨が降るといけないから、傘を持って行きなさい。
  • 転ぶといけないから、坂道をゆっくりと下る。
  • 運転中に眠くなってはいけないから、ガムを噛む。
  • 明日忘れ物をしてはいけないから鞄の中を何度も確認する。
  • これ以上太ってはいけないから、しばらくお菓子を食べないようにする。
  • 携帯の充電がなくなってはいけないから、充電器を持ち歩いている。
  • 買ったアイスが溶けてはいけないから、帰宅後すぐ冷凍庫に入れた。
  • 風邪をひくといけないから、暖かい上着を持っていってください。
  • 目が悪くなるといけないから、テレビゲームやスマートフォンを長い間使うのはやめた方がいい。
  • 寝坊するといけないから、夜は早く寝た方がいい。

文法「~てはいけないから/〜といけないから」を使った導入例

導入例1

先生
目覚まし時計がなってもまだ寝ている男の子の絵を見せます。

T=教師、S=学習者

T:見てください。この男の子は何をしていますか?
S:寝ています。
T:そうですね、寝ています。いいですか?
S:だめです。
S:もう時間ですから。寝坊です。
T:そうですね。目覚まし時計がなっています。もう時間だから起きなければいけないですね
T:寝坊すると学校に遅刻します。この男の子は前の夜、ずっと起きていました。遅くまで起きていました。だから寝坊しました。でも、よくないですね。夜は早く寝た方がいいです。
T:寝坊するといけないから、夜は早く寝た方がいい。(リピートを促す)
S:寝坊するといけないから、夜は早く寝た方がいい。(リピート)

導入例2

先生
ケーキが食べたいと思っている女性の絵を見せます。

T:見てください。この人は何を考えていますか?
S:お腹が空きました。
S:ケーキが食べたいです。
T:そうですね、この女性はケーキが食べたいです。
T:この女性は、太りたくないです。ケーキを食べてもいいですか?
S:いいえ。
S:食べない方がいいです。
T:そうですね、この女性はもうこれ以上太りたくないですから、ケーキを食べない方がいいですね。
T:太るといけないから、ケーキを食べない方がいい。(リピートを促す)
S:太るといけないから、ケーキを食べない方がいい。(リピート)

学習者がよく間違う似た文法

「~なければならない/なくてはならない/ないといけない/ねばならぬ」(意味:義務、必要性、必然性を表す)

例:太るといけないから、ケーキを食べない方がいい。

「太る」という状態を避けたいのでケーキを食べないことを表現する場合は、「〜てはいけないから/といけないから」を使用する。
「痩せる」ことを必要とするのであれば、「痩せなければならないから、ケーキを食べない方がいい」となる。

【文法解説】日本語能力試験 JLPT N5「~なければならない」例文・導入例・誤用例も!

2021/4/9

学習者がよくする文法「~てはいけないから/〜といけないから」の誤用例

先生
「〜なければならない」との混同しないよう注意しましょう。

 

誤)痩せるといけないから、ケーキを食べない方がいい。→「〜なければならない
正)太るといけないから、ケーキを食べない方がいい。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。