【文法解説】日本語能力試験JLPT N1「~いかんに関わらず/~いかんによらず/~いかんを問わず」

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N1の文法「~いかんに関わらず/~いかんによらず/~いかんを問わず」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~いかんに関わらず/~いかんによらず/~いかんを問わず」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~いかんに関わらず/~いかんによらず/~いかんを問わず」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

「~かどうかに関係なく/~の内容・中身に関係なく」

後文で示されている内容に前文の内容が影響しない、どのような事柄も考慮しない、例外を認めないということを強調します。

接続

N(の)+いかんに関わらず/いかんによらず/いかんを問わず

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N1

文法「~いかんに関わらず/~いかんによらず/~いかんを問わず」とよく一緒に使われる単語

名詞

  • 理由
  • 結果
  • 内容
  • 成績
  • 経験

文法「~いかんに関わらず/~いかんによらず/~いかんを問わず」を使った例文

  • 結果いかんに関わらず、選挙権は行使しなければならない。
  • 理由のいかんに関わらず、暴力行為は許されてはいけない。
  • この授業は専攻のいかんに関わらず、1年生全員の必修科目となっています。
  • この件に関する質問については内容のいかんに関わらず、お答えできかねます。
  • 市民ホールは、イベントの形式いかんに関わらず、市民の皆様にご利用いただけます。
  • 筆記試験の結果いかんによらず、面接試験は全員受けることになっています。
  • プロジェクト失敗の原因いかんによらず、責任を取り、彼は次のプロジェクトメンバーから外されることになった。
  • 経験のいかんによらず、仕事を始める前に作業の説明を受けてください。
  • 弊社では、国籍のいかんを問わず、優秀な人材を採用する方針です。
  • 種類のいかんを問わず、自己の得意なことで力を発揮できることが、本当の幸福である。

文法「~いかんに関わらず/~いかんによらず/~いかんを問わず」を使った使用例

使用例1

先生
社内会議で社員の田中さんが社員向け英語研修を社長に提案しています。

田中:社長、わが社でも社員向けの英語研修を取り入れてはどうでしょうか。

社長:ほう。君がそう思う理由は?

田中:海外営業部の努力により、海外の取引先も増えてきています。今後、事業を拡大していくためには、社員全員が海外との取引に対応できるべきだと思うんです。

社長:なるほど。英語が苦手な社員向けの研修を取り入れるべきだ、ということかな。

田中:いえ、恥ずかしながら海外との取引に力を入れはじめたばかりの我が社では、海外営業部の人間でさえ現場でのコミュニケーションに苦労していると聞きます。英語の能力いかんに関わらず、希望者が誰でも受けられる英語研修を導入してはどうかと思うのですが。

田中:そうか。君の言いたいことはわかった。検討してみよう。

先生
学習者に、田中さんが提案している英語研修はどのようなものか確認します。

学習者:能力いかんに関わらず、勉強したい人が受けられる英語研修です。

学習者:英語能力のいかんに関わらず、誰でも受けられる英語研修です。

導入例2

先生
大学生が大学のホームページを見ながら、履修登録をしている場面を設定します。 ある授業の説明を読んでいます。

経営学の講義について

この授業は、学部いかんを問わず、誰でも受講することができます。成績は、課題レポートと期末試験によって評価します。また、講義を5回以上欠席した者は、理由のいかんにかかわらず、評価はD評価となり単位の認定はしません。

学習者からよく聞かれる質問

どんな時に使うのか

「~いかんに関わらず/~いかんによらず/~いかんを問わず」は、ビジネス場面や、公式のお知らせなどでよく使用される表現です。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。