【文法解説】日本語能力試験JLPT N3「~ことから」例文・導入・誤用例も!

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N3の文法「~ことから」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~ことから」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~ことから」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

~ので

※経緯や理由を説明する文型です。
※日常発生すること(寝坊した理由や宿題を忘れた理由など)には使いません。

〈英訳〉because
〈中国語訳〉因为

接続

V/いA/なA/N 普通形 + ことから
(※ただし、「なA~」と「N~」)
(なA/N である + ことから)の形もあります。

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N3

該当文法が使わているテキスト

文法「~ことから」とよく一緒に使われる単語

動詞

  • します
  • とれます
  • なります
  • 似ています
  • 発見します

な形容詞

  • 危険な

文法「~ことから」を使った例文

  • あの山は低いことから、山登りが初めての人に人気があります。
  • あの店は毎日たくさんの人が買いに来ていることから、人気があるとわかります。
  • この土地はリンゴがたくさんとれることから、「リンゴ村」という名前になりました。
  • 山田さんの家は電気がついていないことから、今日は留守だと考えられる。
  • あの島はパウエルさんが発見したことから、パウエル島と呼ばれています。
  • 窓が割れていることから、犯人はそこから家に入ったと思われます。
  • 彼はハンサムでやさしいことから、クラスのみんなから人気があります。
  • 大きな車がたくさん通って危険なことから、この道路は人が歩いてはいけないことになっています。
  • 田中さんの机がいつもきれいなことから、掃除をよくする人だとわかる。
  • このお菓子は限定品であることから、毎朝多くの人が並んでいる。

文法「~ことから」を使った導入例

導入例1

先生
山手線の路線図とヱビスビールの缶または写真を準備しておきましょう。

T:東京の電車はどうですか?便利ですか?複雑ですか?

(電車の話をするなど、雰囲気作りをします。)

 

(路線図を見せながら、)

T:これは山手線です。東京で便利な電車です。

ここは恵比寿です。みなさん、この場所はどうして「恵比寿」と言うか分かりますか?

S:わかりません。

(ヱビスビールの缶/写真を見せて、Sに渡します。)

T:これはビールです。ビールの名前は・・・Sさん読んでください。

S:ヱビスビールです。

T:はい、このビールはヱビスビールです。そして、この場所も「恵比寿」です。

(路線図をさしながら)

ここでヱビスビールが造られていましたから、「恵比寿」という名前になりました。

ここでエビスビールが造られていたことから、「恵比寿」という名前になりました。

(ホワイトボードに板書します。)

 

T:「ことから」は「どうしてですか?」理由を説明するときに使います。

導入例2

先生
学習者が知っていそうな俳優の写真を準備しておきましょう。

T:みなさんは日本の俳優を知っていますか?

S:はい、知っています。/いいえ、知りません。

(「俳優」の語彙確認をしたり、どんな俳優を知っているかを話して雰囲気作りをしましす。)

 

(写真を見せながら)

T:この人を知っていますか?

S:はい、知っています。

T:この人はとても人気があります。どうしてですか?

S:ハンサムだし、歌も上手ですから。

T:そうですね、

彼はハンサムだし、歌も上手ですから、人気があります。

彼はハンサムだし、歌も上手なことから、人気があります。

(ホワイトボードに板書します。)

 

T:「ことから」は「どうしてですか?」理由を説明するときに使います。

学習者がよくする文法「~ことから」の誤用例

先生

日常発生すること(寝坊した理由や宿題を忘れた理由など)には使いませんので、学習者にしっかり伝えましょう。

例:私は今日、寝坊したことから遅刻しました。 ×

➔私は今日、寝坊したので遅刻しました。○

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。