【文法解説】日本語能力試験JLPT N1「~だの~だの」例文・使用例・よく聞かれる質問も!

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N1の文法「~だの~だの」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~だの~だの」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~だの~だの」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

「~とか~とか」。物事を並べて、例を挙げる表現。

接続

V普通形+だの
イ形普通形+だの
ナ形+だの
N+だの

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N1

文法「~だの~だの」とよく一緒に使われる単語

動詞

  • つまらない
  • 疲れた
  • まずい
  • 味が薄い
  • 安い
  • 少ない

文法「~だの~だの」を使った例文

  • だの、習い事だの、子どもにストレスを与えすぎなのではないかと思う。
  • 揚げ物だのおかしだの、カロリーの高いものばかり食べているから太るんだよ。
  • 彼女は男の人に甘えるのがうまい。いつも年上の恋人に靴だのバッグだの買ってもらっている。
  • 息子が大学に進学すると、1人暮らしの家賃だの学費だのと、お金がかかる。
  • 友人は酒だの、たばこだのが好きなので、健康が心配だ。
  • 大学生の娘は、サークルに入るだの旅行をするだのと、遊んでいるようにしか見えない。
  • 夫はいつも帰ってくるなり、疲れただの、腹が減っただの、不満しか言わない。
  • 恋人を作れだの、見合いをしろだの、母はいつもうるさい。
  • 新入社員のくせに、給料が安いだの、仕事がつまらないだの、文句ばかり言っている。
  • あの客は、まずいだの、値段が高すぎるだの、何かとクレームばかり言ってくる。

文法「~だの~だの」を使った使用例

使用例1

先生
大学生の子どもを持つ母親同士が話している、という場面を提示します。

鈴木:金子さんの娘さん、大学に進学したんですよね。

金子:ええ。でも、サークルだの、バイトだのと、いつ勉強してるのか…

鈴木:あら、でもバイトしてるのね。自分でお金稼いでるんだから偉いわ。うちの息子なんか、教科書を買うだの、ゼミ合宿に行くだのって、言いに来るのよ。バイトしなさいって言いたくなっちゃう。
金子:でも、教科書とか、ゼミ合宿とか、勉強のためでしょう?いいじゃない。

鈴木:本当に勉強してるんならいいんだけどねぇ…。

先生
ここで金子さんと鈴木さんは、それぞれの息子さんと娘さんの何に不満を感じているのか、学習者に質問します。

学習者:金子は、娘さんがサークルだの、バイトだのしていて、勉強していないんじゃないか、と不満に思っています。

学習者:鈴木さんは、息子さんが教科書を買うだの、ゼミ合宿に行くだのとお金をもらいに来るので、不満に思っています。

先生
「~とか~とか」は感情とは関係なく、どのような場面でも使用できますが、「~だの~だの」は、不満があるときに使用されるのだということを確認します。

使用例2

先生
居酒屋で会社員の田中さんが同僚に、上司の愚痴を言っている、という場面を提示します。

田中:いやぁ、今日も疲れた。もう、部長が本当、うるさくて。

同僚:おお、どうした。

田中:資料のフォントが小さすぎるだの、表の位置がずれてるだの、細かいことばっかり注意するんだよ。

同僚:まあまあ。それだけ仕事が丁寧ってことだよ。

学習者からよく聞かれる質問

「~とか~とか」と「~だの~だの」

「~とか~とか」は、同じような例を挙げる表現です。感情の要素がないので、多くの場面で使われます。

「~だの~だの」は、話し手の不満や非難の感情が込められているときに使われます。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。