文法「~だに」の概要
記号の見方:品詞 V(Verb)…動詞 いA(i-Adjective)…い形容詞 なA(na-Adjective)…な形容詞 N(Noun)…名詞 Adv(Adverb)…副詞
意味
~するだけでも。~さえ。~すら。
①「N+だに」は、「そのような状況は/状況でも、~すら…ない」という意味を表します。
②「V辞書形+だに」は、「それは、~だけで、…という気持ちになる/感じがする」という意味を表します。「恐ろしい」「辛い」「難しい」などの否定的な気持ちや戸惑いの気持ちを表すときによく使います。
接続
①N+だに
②V辞書形+だに
JLPTレベル
日本語能力試験JLPT N1
文法「~だに」とよく一緒に使われる単語
名詞
- 予想
- 想像
- 微動
- 一顧
動詞
- 考える
- 想像する
- 思う
- 見る
- 聞く
文法「~だに」を使った例文
- ドラマで共演していたあの二人が本当に結婚するとは、想像だにしなかった。
- 誰もがテレビ電話をする時代が本当に来るなんて、想像だにしなかった。
- ワールドカップで日本がここまで勝ち進むとは、予想だにしなかった。
- 彼は寝るとまったく起きない。大きな地震が起きても、微動だにしない。
- その王は、貧困にあえぐ国民を一顧だにせず、贅沢な生活をしていた。
- あんなところから飛び降りるなんて、想像するだに恐ろしい。
- 不景気で仕事も見つからず、大学卒業後のことを考えるだに気が重くなる。
- その館は見るだに不気味な雰囲気に包まれていた。
- 1歳になったばかりの子どもを失うなんて、聞くだに辛い。
- 悪質な業者のもとで、犬や猫がこんなに劣悪な環境で飼育されていたのだと思うだに、その業者に対して怒りがこみ上げる
文法「~だに」を使った使用例
使用例1
アナウンサー:陸上で金メダルを期待されていた田中選手が昨日、練習中にケガをして、来週予定されている大会への出場が絶望的となってしまいました。今はとにかく静養して早く良くなることを祈るばかりですが、これは、田中選手は辛いでしょうね。 コメンテーター:ええ、田中選手とは、私も親しくさせていただいていて、実は、先日、ある雑誌のインタビューをしたんですよ。そこで彼は今季は本当に調子がいいと言っていてね。次の大会での金メダル獲得を信じているといった様子でしたから、彼の心境を思うだに、本当に辛いですね。
使用例2
アナウンサー:今日行われた陸上競技大会。日本からはベテランの渡辺選手と、今年シニアの大会にデビューしたばかりの16歳の坂本選手が出場しました。渡辺選手のメダル獲得が期待されていたこの大会ですが、なんと、シニア大会にデビューしたばかりの坂本選手が金メダルを獲得しました。 コメンテーター:坂本選手は確かに期待の若手でしたが、まさかこんなに早く金メダルを獲得するとは、想像だにしませんでしたね。
日本語教師キャリア マガジン編集部
運営情報最新記事 by 日本語教師キャリア マガジン編集部 (全て見る)
- 2024年度 日本語教師のためのオンライン採用合同説明会 - 2024/6/20
- 【教師研修】日本語教育の参照枠 × 鳥・虫・魚の目 – 新しいものの見方をインプットしよう!- / 7/20~8/3(土) 10:00~12:00 - 2024/6/10
- 【教師研修】「フリーランス日本語教師として働くための初めの一歩」研修 2024年6月18日~7月11日 - 2024/5/20