【文法解説】日本語能力試験JLPT N4「~て(理由・原因)」例文・導入・誤用例・よく聞かれる質問も!

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N4の文法「~て(理由・原因)」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~て(理由・原因)」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~て(理由・原因)」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

理由や原因を表す
〈英訳〉because

接続

V(て形)+て
V(ない形)+なくて
いA(-い)+くて
なA+で
N+で 

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N4

該当文法が使わているテキスト

文法「~て(理由・原因)」とよく一緒に使われる単語

動詞

  • 聞きます
  • 見ます
  • 知ります

い形容詞

  • 難しいです
  • 忙しいです
  • うるさいです

な形容詞

  • 不便です
  • 下手です
  • 苦手です

名詞

  • 地震
  • 火事
  • 風邪

文法「~て(理由・原因)」を使った例文

  • 地震のニュースを見、びっくりしました。
  • あなたに会え、嬉しいです。
  • あなたに会えなく、残念です。
  • 昨日の試験は難しく、全然解けませんでした。
  • 忙しく、勉強できませんでした。
  • 交通が不便、通学に時間がかかります。
  • 字が下手、恥ずかしいです。
  • 地震ビルが倒れました。
  • 火事家が焼けてしまいました。
  • 風邪学校を休みました。

文法「~て(理由・原因)」を使った導入例

導入例1

先生
昨日が誕生日で、誕生日について話しているという場面を提示します。

先生:昨日は私の誕生日でした。友達にネックレスをもらいました。嬉しかったです。友達にネックレスをもらっ、嬉しかったです。

先生
ここで両親には会えなかったという話をします。

先生:でも、両親には会えませんでした。残念でした。両親に会えなく、残念でした。

導入例2

先生
地震や津波の写真を見せ、災害について話しているという場面を提示します。

先生:地震がありました。ビルが壊れました。地震ビルが壊れました。

先生
ここで学習者に質問します。

先生:火事もありましたね。火事家はどうなりましたか。

学生:火事家が焼けました。

先生:津波もありましたね。津波家はどうなりましたか。

学生:津波家が流されました。

学習者がよくする文法「~て(理由・原因)」の誤用例

先生
い形容詞の接続が難しいので、しっかり接続を確認した方がいいでしょう。

いAます形  →  いA(-い)+くて

難しいです →   難しくて

忙しいです →   忙しくて 

うるさいです→   うるさくて     

痛いです  →     痛くて

先生
「~て」の後に意志を含んだ表現を使う間違いが多いです。「~て」は、自分の意志とは関係なく、ある状態になったことを表します。意志的表現を使わないよう、注意を促す必要があります。

誤用例     →  訂正例

「暑くて、寝ません」     → 「暑くて、眠れません」

「うるさくて、集中しません」 → 「うるさくて、集中できません」

「小さくて、見ません」          → 「小さくて、見えません」

「重くて、持ちません」        →   「重くて、持てません」

学習者からよく聞かれる質問

先生
「『N+で』は、『病気で学校を休む』など悪い結果が起きる時に使うことが多いですが、いい結果が起きる時にも使えますか?」という質問がよく聞かれます。「『薬で風邪が治りました』など、いい結果が起きる時に使う場合もあります」と答えましょう。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。