【文法解説】日本語能力試験JLPT N1「~いかんだ/~いかんでは/~いかんによっては」

 

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!

  • 日本語能力試験JLPT N1の文法「~いかんだ/~いかんでは/~いかんによっては」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~いかんだ/~いかんでは/~いかんによっては」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~いかんだ/~いかんでは/~いかんによっては」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

  • ~いかんだ

「~かどうかが問題だ、~の内容・中身が問題だ、重要だ」

前文で示したものが原因・問題となって、何かが決まることを表します。後文には、判断や評価、意思や見方・感じ方、物事の展開などが来ます。

  • ~いかんでは/~いかんによっては

「~の内容・中身が理由となって」

全文で提示したもの・ことの内容が理由となって、後文の事象が決まる、そうなる可能性がある、ということを表します。

接続

N(の)+いかんだ/いかんでは/いかんによっては

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N1

文法「~いかんだ/~いかんでは/~いかんによっては」とよく一緒に使われる単語

名詞

  • 結果
  • 成績
  • 判断
  • 気持ち

文法「~いかんだ/~いかんでは/~いかんによっては」を使った例文

  • 幸せな人生かどうかは、結局、その人の考え方いかんです
  • 怪我の治療は終わっています。あとはリハビリだけですが、本人のやる気いかんだ
  • 今回の選挙結果いかんでは、政権が変わる可能性もある、」
  • 奨学金を得られるかどうかは、あなたたちのこれからの努力いかんにかかっています。
  • 特別やりたい仕事というわけでもないけど、報酬いかんでは、その仕事をやってもいい。
  • A社との話し合いいかんでは、このプロジェクトは白紙に戻る可能性もある。
  • 彼はこの大会の成績いかんで、引退を考えているらしい。
  • 経営者の判断は重要である。経営判断いかんによって企業の存続を左右しかねない。
  • インフルエンザによる欠席者数の増加いかんによっては、来週の遠足は中止になるかもしれません。
  • こちらの商品は数に限りがあります。販売状況いかんにより、予定より早く販売終了となることもあります。ご了承ください。

文法「~いかんだ/~いかんでは/~いかんによっては」を使った使用例

使用例1

先生
学校で、受験生の鈴木君が、志望校について先生と相談している場面を提示します。

先生:鈴木、今回の試験はよく頑張ったな。

先生:ありがとうございます。

先生:鈴木は、A大学に行きたいんだったな。この結果なら、問題ないだろう。

鈴木:あ、先生、実は僕、B大学も受けてみようかと思って。難しいでしょうか。

先生:B大学か。A大学よりレベルが高いが、それに挑戦するかどうかは、君のやる気いかんだよ。頑張りなさい。

鈴木:はい。がんばります。

先生
ここで学習者に、先生はレベルの高い大学を受けようとしている学生に、どのようにアドバイスしたかを確認します。

生徒:それに挑戦するかどうかは、学生のやる気いかんだと言っています。

生徒:試験に挑戦するかどうかは、やる気いかんだと言っています。

使用例2

先生
あるアニメ制作会社の会議で、新しくスタートしたアニメについて話している場面を提示します。

社員:昨日、当社が制作したアニメの放送が開始しました。1話目の視聴率もよく、好調なスタートを切れました。

部長:そうか。今後も期待できそうかね。

社員:はい。きっと人気作になると信じています。そこで、さっそく続編についてですが…

部長: 続編?2話目、3話目の視聴率いかんによっては、続編の話はなくなるかもしれないからなぁ。1話目の視聴率だけで、続編の話はできないよ。それについては、次回の会議で話そう。

社員:そうですか。わかりました。

先生
ここで学習者に部長はなぜ、続編については次回の会議で話すことにしたのかを確認します。

生徒:視聴率いかんによっては、続編の話はなくなるかもしれないからです。。

生徒:2話目、3話目の視聴率いかんによっては続編しないかもしれないからです。

学習者からよく聞かれる質問

「~次第」との違い

「~次第」は、「~いかんだ」と同じ意味・用法ですが、「~いかんだ」のほうが硬く、あらたまった印象があります。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。