日本語教師になるために必要な資格・試験はある?日本語教師の国家資格って?

新しい在留資格である「特定技能」が新設され、これから日本で働く外国人の増加が予想されます。

それに伴い、外国人に日本語を教える日本語教師の資格や制度も変化するという動きが出てきました。

それが、日本語教師の国家資格化です。

以下では、現在、そしてこれから日本語教師として働くためにどんな資格が必要なのか、受けなければならない試験があるのかなどについて解説していきます。

日本語教師として働くために資格は必要?

現在、日本語教師には、公立中高の学校の先生などが持つ教員免許のような国が認めた資格や国家試験などはありません。

しかし、日本語教師として働くために必要とされている条件があり、それはどこで働くかによって異なります。

国内で働くための資格

国内の日本語学校の多くは、法務省が認めた告示校です。(告示校とは留学ビザで来日する学生を受け入れられる学校のことです。)

そして、告示校で働くためには、以下の3つの内のいずれかの条件に当てはまらなければなりません。

①大学または大学院で日本語教育を主専攻または副専攻として修了
②日本語教育能力検定試験合格
③学士の学位を有し文化庁に届出が受理されている日本語教師養成講座の420時間単位時間修了

この条件に当てはまらなければ日本語教師として就職できないわけではありませんが、募集は少ないです。

それぞれについては下記に情報がまとまっているので参考にしてみてください。

大学の専攻で日本語教師になる

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日本語教育能力検定試験合格して日本語教師になる

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海外で働くための資格

海外の日本語学校では、特別な資格もなく、先に挙げた条件が必ずしも必要というわけではないので日本よりも条件が緩い場合もあります。

しかし、資格はなくても、英語圏で働く場合英語力を示すものが必要であったり、現地の言葉が出来ないと採用されないという場合もあります。

国内海外共通して言えることは、どちらにしても大学で日本語を教えたいと考えている場合、日本語学などの修士の学位(大学院卒)が必要とされることが多いということです。

 

では、以上を踏まえた上で、今後正式に発表されるであろう「公認日本語教師」の資格について考えていきたいと思います。

日本語教師が国家資格に?「公認日本語教師」

2020年2月14日、国の文化審議会、国語分科会日本語教育小委員会は14日、外国人に日本語を教える国家資格「公認日本語教師」の創設を求める報告書案を了承しました。

そして、文化審議会は3月10日に提出した「日本語教師の資格の在り方について(報告)」の中で、「日本語教師の資格の仕組みイメージ」を以下の表のようにまとめています。

「日本語教師の資格の在り方について(報告)」より

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/nihongo/nihongo_96/pdf/r1421544_05.pdf

この表の、左三つの矢印が、これから公認日本語教師を目指す人たちの資格取得までの過程を示しています。

つまり、公認日本語教師になるためには、大学の日本語教師養成課程を修了するか、文化庁届出受理されている420単位時間日本語教師養成講座を修了する中で、

①日本語教育能力を判定する何かしらの試験に合格し

②45コマ以上、1コマ(45分以上)の教壇実習を含む教育実習を履修し

③学士以上の学位を有している

ことが求められます。

では、現役の日本語教師(告示校で働くために必要な3つの条件のいずれかを満たしている)はどうなるかというと、一番右の矢印2ある通り、「経過措置」という対応がとられました。

そのため、試験や実習などはなく、そのまま公認本語教師の登録証明がもらえるということになりそうです。

しかし、新資格がいつから施行されるかなどの具体的な日にちはまだ決まっていません。

文化庁は、2020年度以降の関連法成立を目指しています。

そのため、今日本語教師を目指しているという人は告示校で働くために必要な3つの条件のいずれかを満たすことが、「公認日本語教師」への一番の近道といえますね!

「公認日本語教師」についてはこちらでもまとめていますのでご覧下さい↓

https://japanese-bank.com/exam-how-to/

 

日本語教師になるための試験

「公認日本語教師」の登録要件に「日本語教育能力を判定する試験」という試験が出てきました。

現在この試験の内容は同じく「日本語教師の資格の在り方について(報告)」の中で明記されていますが、これは現在の「日本語教育能力検定試験」の試験内容とほとんど変わりません。

日本語教育能力検定試験とは?

1986年から公益財団法人日本国際支援教会が行っている日本語教員となるために学習している方、日本語教育に携わっている方に必要とされる基礎的な知識・能力を検定することを目的とした試験です。

http://www.jees.or.jp/jltct/

日本語教育能力検定試験

試験日 2020年10月25日(日)9:00〜16:40
会場 札幌、 仙台、東京、 愛知、 大阪、 広島、 福岡(予定)
受験料 10,800円(税込)
申込期間 2020年6月22日(月)〜8月3日(月)まで(当日消印有効)(予定)

試験の内訳

科目 解答時間 配点 測定内容
試験I 90分 100点 原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する
試験II 30分 40点 試験Iで求められる「基礎的な知識」および試験IIIで求められる「基 礎的な問題解決能力」について、音声を媒体とした出題形式で測定 する。
試験III 120分 100点 原則として出題範囲の区分横断的な設問により,熟練した日本語教 員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定 する。

日本語教師として働くために求められる3つの条件の中では、ただ試験に合格すればいいだけと最も簡単な条件のように思われます。

しかしこの試験の合格率は検定の令和元年の合格率(公式が発表している全科目に占める同格者の割合)は約28%と、難易度が高く、日本語教育能力検定試験のための講座に通い、試験合格を目指す人も多いです。

しかし、努力次第で独学で合格を掴むことも可能です。

それに関してはこちらの記事にまとめていますのでご覧下さい。

全養教日本語教師検定

日本語教師の試験としてはもう一つ、一般社団法人全国日本語教師養成協議

会が実施している全養教日本語教師検定という試験があります。これは、2006年より実施されているもので、主に日本語教育現場での実践力を測るための検定となっています。

https://www.zenyoukyou.jp/exam/

試験日 2020年2月16日(日)
会場 東京、横浜、静岡、大阪、岡山、福岡、沖縄(予定)
受検料 6,000円(税込)
申込期間 2019年12月3日(火)〜2020年1月23日(木)

※最終日の受付は17:00まで

試験時間の内訳

科目 解答時間 解答方法 測定内容
試験I 90分 マークシート選択 教育現場で求められる、日本語のルール、教授法、授業展開等に関する専門的な知識を問う客観テスト
試験II 70分 記述式 初級並びに中上級レベルの教室活動をVTRで視聴し、教授活動等に関わる問題点を記述させることにより、実践的教授技術能力を問う主観テスト

日本語教育能力技能検定と比べると認知度は低く、日本語教師として経験を積んだ先生が実践力を確かめる、そして証明するための試験だと言えます。

【日本語教師の資格と試験】まとめ

日本語教師の資格と試験についてまとめると、

  • 現在、特別な資格はないが、告示校で働くためには日本語教師に求められる3つの条件の内のいずれかを満たしていなければならない。
  • 新たに国家資格として「公認日本語教師」が新設される。告示校で働いている現職の先生は「経過措置」(具体的な新設時期は明らかになっていない)
  • 日本語教育能力検定試験合格は日本語教師として働くための最短の道!
  • 日本語教師検定は日本語教師になるために必要ではないが、あれば日本語教師としての実践力を保証してくれる

まだ、「公認日本語教師」の資格がいつから始まるなど具体的なことは明らかになっていませんが、現在3つの条件のうちいずれかを満たして働いている現職の日本語教師は、そのまま「公認日本語教師」として働くことが出来そうですね。

日本語教師の仕事が国家資格化した場合、待遇改善や認知度の向上が期待できます。これを機に日本語教師を目指したいという方は、ぜひチャレンジしてみてください!

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関西在住の現役日本語教師。日本語教育主専攻卒。新卒非常勤2年目。 若手日本語教師の目線で様々なことを発信中! 日本語情報バンクのライター