【文法解説】日本語能力試験JLPT N2「~ものの」例文・導入・よく間違う文法も!

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!
  • 日本語能力試験JLPT N2の文法「~ものの」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~ものの」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~ものの」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

~けれども
〈英訳〉though, although

接続

V/いA-普通形+ものの
なA-な+ものの

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N2

該当文法が使わているテキスト

文法「~ものの」を使った例文

  • 本を買ったものの、まだ読んでいません。
  • 免許を取ったものの、まだ一人で運転したことはありません。
  • 興味はあるものの、まだやったことはありません。
  • 仕事を任せたものの、きちんとできるか、不安です。
  • 給料をもらったものの、1週間でほとんど使ってしまいました。
  • 勉強してきたものの、合格できるかどうかわかりません。
  • その掃除機は小さいものの、力は強いです。
  • 仕事は忙しいものの、楽しく働いています。
  • 彼女はわがままなものの、笑顔がかわいいので、つい言うことを聞いてしまいます。
  • 言い方は丁寧なものの、丁寧過ぎて嫌な気分になることもあります。

文法「~ものの」を使った導入例

導入例1

先生
同僚が二人で話している場面を提示します。

A:Bさんは、今度の田中部長の家でのパーティ、行くんですか?

B:ええ、行くとは言ったものの、あまり気が向かないんですよ。

A:まぁ、誰でもそうですよね。仕事ではないものの、気を遣うし、疲れますよね。

先生
ここで「~ものの」が使われている表現を確認します。

教師:(パーティに)行くとは言ったものの(言ったけれども)、気が向きません。

教師:(パーティは)仕事ではないものの(仕事ではないけれども)、疲れます。

導入例2

先生
親同士が自分たちの子供について話している場面を提示します。

A:Bさんのお子さんはもうそろそろ、大学を卒業なさいますよね。

B:ええ、大学を卒業するものの、就職先がまだ決まらなくて、心配しているんです。

A:そうなんですか。うちの娘も、自分にはやりたいことがあると言うものの、仕事もしないで、ずっと家にいるんですよ。

B:そうなんですか。お互いに心配なことばかりですね。

先生
ここで「~ものの」が使われている表現を確認します。

教師:Bさんの子供は、大学を卒業するものの(卒業するけれども)、就職先が決まっていません。

教師:Aさんの子供はやりたいことがあると言うものの(言うけれども)、いつも家にいます。

学習者がよく間違う似た文法

ポイント

「AもののB」で、Aは事実または確実性の高い未来の事柄、Bは事実、状態、結果を表します。

比較1:~にもかかわらず/~のに

「AにもかかわらずB」「AのにB」の形で、Bでは話者の残念、不満だ、意外だという気持ちを表します。

(「AのにB」は会話で多く用いられます。)

 

<置き換え可能な例>

○一生懸命やったものの、失敗してしまった。(視点は失敗したという結果にある)

○一生懸命やったにもかかわらず、失敗してしまった。(視点は残念だという心情にある)

 

<置き換えると不自然な例>

○熱があるものの、仕事に行かなければならない。(事実を述べている)

?熱があるにもかかわらず、仕事に行かなければならない。

→○熱があるにもかかわらず、社長の命令なので、仕事に行かなければならない。

(本人は行きたくない)

→○熱があるにもかかわらず、彼は会社に来た。(周囲が迷惑だと思っている)

比較2:~といっても

「AといってもB」の形でAが一般的なイメージや想像されることと違うことを表します。

<例1>

○本を買ったものの、まだ読んでいません。

×本を買ったといっても、まだ読んでいません

→ ○本を買ったといっても、マンガ本です。(「本」という言葉のイメージと事実が異なる)

<例2>

○給料をもらったものの、もう全部使ってしまいました。

×給料をもらったといっても、もう全部使ってしまいました。

→ ○給料をもらったといっても、2万円です。

(「給料」という言葉からイメージする額と異なる)

プラスアルファ

「~とはいうものの」

<接続>

V/いA-普通形+とはいうものの
なA-な+とはいうものの
N+とはいうものの

<意味>表面上は~(事実)だけれども(実際はそこから予想されることと違う)

<例文>

  • 10月とはいうものの、まだ暑い日も多いです。
  • 結婚したとはいうものの、今は別々に暮らしています。
  • 退院したとはいうものの、病気が完治したわけではありません。
  • 忙しいとはいうものの、休み時間は取れます。
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日本語教師キャリア マガジン編集部

日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。