【文法解説】日本語能力試験JLPT N2「~ものだから」例文・導入・誤用例も!

先生
こちらの記事は下記のような方を想定した文法解説記事となっております!
  • 日本語能力試験JLPT N2の文法「~ものだから」を初めて教える事になった日本語教師
  • 久しぶりに「~ものだから」の文法を教えることになり内容を確認したい日本語教師
  • 日本語教師になることに興味がある/勉強中の方

文法「~ものだから」の概要

記事中に登場する記号の見方

記号の見方:品詞

V(Verb)…動詞

いA(i-Adjective)…い形容詞

なA(na-Adjective)…な形容詞

N(Noun)…名詞

Adv(Adverb)…副詞

意味

~だから
〈英訳〉because~

※言い訳に多く用いられ、自分の正当性を主張したり、謝罪の気持ちを込める表現。
※「~もので」「~ものですから」も同様に使われます。

接続

V/いA-普通形+ものだから
なA/N-な+ものだから

JLPTレベル

日本語能力試験JLPT N2

該当文法が使わているテキスト

文法「~ものだから」を使った例文

  • 会社に入ったばかりなものだから、知らなかったんです。
  • その店のケーキはどれもきれいなものだから、つい買いすぎてしまいます。
  • 給料が不安定なものだから、贅沢はできません。
  • 一人暮らしなものですから、気楽に生活しています。
  • 小さい子供がいるものですから、うるさくてすみません。
  • 道がわからなかったもので、遅れました。
  • 焦るものだから、ミスが増えます。
  • 孫がかわいいものだから、何でも買ってやってしまいます。
  • 家が狭いもので、たくさんの人は呼べません
  • 忙しかったもので、ご連絡が遅れてしまいました。

文法「~ものだから」を使った導入例

導入例1

先生
相手に謝っている人の絵(写真)を提示します。

教師:彼/彼女は遅刻して謝っています。どうして遅れたのでしょう。

道が込んでいました。道が込んでいたものだから、遅れました。

忘れ物を取りに帰りました。

学生:忘れ物を取りに帰ったものだから、遅れました。

教師:自転車が壊れました。

学生:自転車が壊れたものだから、遅れました。

教師:バスが来ませんでした。

学生:バスが来なかったものだから、遅れました。

教師:道に迷いました。

学生:道に迷ったものだから、遅れました。

先生
ここで「~ものだから」は、理由を説明したり、謝罪の意を込める表現であることを説明します。

導入例2

先生
2人の母親たちが話している場面を提示します。

A:Bさんのお子さんは、今1歳でしたっけ?

B:ええ、私は旅行が好きなんですが、子供がまだ小さいものだから、今は行けないんですよ。

A:そうですよね。うちの娘は最近、ピアノをやりたいと言っているんです。

B:いいじゃないですか。

A:ええ、でも家が狭いものだから、ピアノなんて置けないし、マンションに住んでいるものですから、近所迷惑にならないか、心配しているんです。

B:始めは、電子ピアノから始めたらいいかもしれませんね。

先生
ここで学習者に母親たちが何と言ったか確認します。

生徒:Bさんは、子供が小さいものだから旅行に行けないと言いました。

生徒:Aさんは、家が狭いものだから、ピアノは置けないと言いました。

生徒:Aさんは、マンションに住んでいるものだから、近所迷惑になるかもしれないと言いました。

学習者がよくする文法「~ものだから」の誤用例

先生
「~ものだから」を単なる理由を表す表現として用いる学習者がいるので、注意が必要です。

<例>

×会社に入ったばかりなものだから、早く仕事を覚えたいです

(後件に意思を表す文は不可)

×忙しいものだから、急いでください。(後件に命令を表す文は不可)

×映画が好きなものだから、毎日見ます。(単なる理由を表す文は不可)

※「~ものだから」は言い訳自分の行動の説明謝罪の意を表す表現として用いられるということをきちんと押さえることで、誤用は減ると思います。

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日本語教師キャリア マガジン編集部

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日本語教師キャリア マガジン編集責任者。これまで1,000名以上の日本語教師との面談実績あり。特に就職や転職の分野に強く、養成講座や検定試験など日本語教育に関わる有益な情報を経験を織り交ぜながら発信中!直近では「日本語教育の質の向上」を目指している。